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星降る街のシンデレラ

星降る街のシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サラ・モーガン(Sarah Morgan)
 イギリスのウィルトシャー州生まれ。看護師としての訓練を受けたのち、医療関連のさまざまな仕事に携わり、その経験をもとにしてロマンス小説を書き始めた。すてきなビジネスマンと結婚し、小さな男の子が二人いる。子育てに追われながらも暇を見つけては執筆活動にいそしんでいる。アウトドアライフを愛し、とりわけスキーと散歩が大のお気に入り。

解説

今夜だけは、きらめく魔法よ解けないで――UKベストセラー作家がマンハッタンを舞台に描く、運命の恋!

憧れの街ニューヨークで働くペイジは、順調なキャリアから一転、突然クビを言いわたされた。落ち込み、途方に暮れる彼女の前に現れたのは、もっとも弱みを見せたくない相手――兄の親友で、かつてペイジの幼い恋心を踏みにじったジェイク・ロマノだった。「それなら、自分で会社を作ればいいじゃないか」世界的企業のオーナーであり、セクシーな辣腕実業家でもある彼の助言を拒む理由はなかった。だが、アドバイザーとして何くれとなく世話を焼く彼が側にいると、忘れたはずのペイジの想いは、否応なくかき立てられてしまい……。

抄録

 しかしジェイクは触れようとすらしない。
 ジェイクと二人きりになることなんてめったにない。正確に言うと二人きりではないが、風にそよぐ木々にさえぎられ、テラスの向こうから声が漂ってくるのを聞いていると、なぜかそう思えた。
 ジェイクは彼女に触れなかったが、隣に立ち、向こう岸のマンハッタンを眺めている。
 ペイジはゆっくりと息を吐いた。「わたしのアイデアのどこが間違ってるのか教えて。知りたいの」
 ジェイクが振り向いたので、雰囲気が親密に、距離が縮まったような気がした。
「目標とする市場、顧客、そして自分が何を提供できるのかをよく分析するんだ。顧客のニーズをまず自分にたずねて、顧客がきみの会社にやってくる理由を考える。サービスの幅が広すぎると、頭の中できみの会社につなげてもらえない。狭すぎるとビジネスにならない。きみの提供するサービスが他社と違う点はなんだ?」
 ベルベットのような声に感覚を刺激されていると、仕事の話に集中するのはむずかしい。
「サービスの幅を狭めることはできないわ。とれる仕事はなんでもとらないと」
「自分を安売りしてはいけない。きみは優秀なんだから」
 その言葉を聞いて、ペイジの肺から空気が抜けていった。「侮辱したかと思ったら褒めるのね。目がまわるわ」
「だが本当のことだ。きみは生まれながらのまとめ役だ。腹が立つほど細かいところまで気がつく」
 ペイジは笑いそうになった。「せっかくの褒め言葉が台無しだからもう口を閉じて」
 低い笑い声が沈黙を破った。「ムービー・ナイトのとき、きみはチェックリストを作ってる。いろんな人の誕生日を覚えていて、相手に贈ったプレゼントの記録を太古の昔からつけている。二年前のディナーで、誰のために何を作ったかも記録してるに違いない」
「そのとおりよ」ペイジは顔をしかめた。「記録しておくのが好きなの」
「ぼくが言いたいのはそれだ。きみはすべてを記録して、何も見逃さない。きみの出来がよすぎるから、ライバルはみんな尻尾を巻いて逃げ出すだろう。そいつらが気の毒になるよ」
「そう?」
「ああ。きみがライバルを蹴散らすのを見るのも楽しみだけどね」
「うまく行かない可能性だってあるわ」
「うまく行く可能性もある」
 膝がふらついたのでペイジは目の前の手すりをつかみ、マンハッタンのきらめく明かりを見つめた。「それだけの勇気があるかどうかわからないわ」思わずそう言っていた。ジェイクの手が彼女の手に重なる。その手はがっしりとたくましかった。
「きみほど勇敢な人には会ったことがないよ」
 触れられたことに驚いて手を引っこめそうになったが、そうはしなかった。
「勇敢じゃないわ」ペイジが目を向けると、彼は思ったより近くにいた。目の前に顔が迫り、心配そうにこちらを見つめている。
 爪先立ちになって、あの官能的な唇のカーブに唇を重ねたい。テラスの向こうから笑い声が漂ってきたが、二人とも振り向かなかった。
 ジェイクがゆっくりと手を離した。しかし彼女から離れようとはせず、片手を上げてペイジの頬を撫でた。
 燃えるようなまなざしにとらわれ、ペイジは身動きできなくなった。
 いつものジェイクは、からかい、挑発し、怒らせる。まるで、恋に落ちない理由を山ほど与えようとするかのように。
 ジェイクがこんなやさしさを見せるのは十代のころ以来だ。胸に鋭い痛みが走る。どれほどこのやさしさを求めていただろう。リラックスしたやりとり、彼の知恵、やさしさ、どれほどそれがほしかっただろう。
 ペイジは息をのんだ。「追いつめられてした行動は……勇敢とは言えないわ」
「いや、勇敢だよ」ジェイクの唇の端が上がるのを見て、彼がキスした女性全員がねたましくなった。
 残念なことにペイジはその一人ではない。
 その一人になることもない。
 現実が目の前に迫っているのに夢想にかまける自分に腹が立ち、彼に背を向けた。「アドバイスをありがとう」
「もう一つ言っておくことがある」ジェイクはもう触れてこようとはしなかったが、その声は彼女をとらえて離さなかった。「メリットとデメリットを検討するのはいいが、とらわれすぎてはだめだ。リスクのことばかり考えてたら何もできなくなる。スター・イベント社でやっていたことはほかの会社でもできるし、その中にはきみの会社も入ってる」
 ジェイクの言葉を聞いて、ずっと必要としていた自信がみなぎってきた。
 彼の言うことは正しい。
「ありがとう」ペイジの声はかすれていた。
 ジェイクはほほえんだ。「毎日十八時間、休みなしで働くことになったら、ぼくに感謝する気持ちはなくなるかもしれないが」
 そしてジェイクは皆のところに戻っていった。ペイジはそのまましばらくジェイクの言葉を考えていた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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