マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説外国人

紅茶は媚薬

紅茶は媚薬

著: 剛しいら
発行: フロンティアワークス
レーベル: ダリア文庫e シリーズ: カフェシリーズ
価格:630円(税込)
10ポイント還元
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 ★★★☆☆2
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 剛 しいら(ごう しいら)
 6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。

解説

 紅茶専門店を作りたい大徳寺静佳は、幻の紅茶の販売契約のため単身で紅茶王ヒューイット・モームの元に乗り込む。 一度はすげなく断られるが、食い下がる静佳にヒューはテストに合格したら販売を許可すると言う。 そのテストとは出される紅茶の中から、ヒューが指名した紅茶を当てること。 だが、はずれの紅茶には媚薬が入っていて……。

目次

紅茶は媚薬
紅茶とミルク
あとがき

抄録

 スモーキング・ルームで、今夜最後のお茶を愉しむ。 
 楽しかった一日の終わりは、ミルクを添えられたファーストフラッシュ・アッサムだった。
「紅茶には媚薬の効果もあるのでしょうか。一緒にお茶を飲んだだけで、心が通い合う。そんな気持ちになるのは、おかしいですか」
 細身の煙草をくゆらせていたヒューイットは、静佳の何気ない一言で眉を寄せた。
「紅茶が媚薬? 面白いことを言うな」
「すみません。紅茶が社交のための大切な小道具だというのは、知っています。けれど今日いただいたお茶は、それだけじゃなかった。僕にとっては、特別の紅茶でした」
 考えて喋っているつもりでも、言葉はどうしても直接的な表現になってしまう。もっと婉曲に、うまい表現で感謝の言葉を伝えたかったが、静佳の脳もそろそろ疲れてきたらしい。
「あなたのように魅力的で、社会的な地位もある男性に、対等に扱っていただいて嬉しかったです。いつも…自分はいらない存在だって、言われ続けているようで、ずっと自信を喪失していました。ヒューにはどんなに感謝しても、したりないくらいです」
「私も楽しかった。君は摘み立てのストレートリーフのようだ。新鮮だったよ、静佳」
「ありがとうございます。また褒めてもらえましたね」
 今日、笑ったのはこれで何度目だろう。言葉の不備を表情で補おうとするせいか、いつもより余計に多く笑った気がする。
 それだけではない。やはりヒューイットは、静佳を微笑ませる男なのだ。
 一日の最後の紅茶はおいしいが、ここでまた空のカップの不安が静佳を襲った。
 ビジネスの話は、かなり進めたつもりだが、もっと具体例を挙げて説明するべきなのか。
 ヒューイットは、いつまで静佳をここに置いてくれるのだろう。明確な約束はない。明日までなのか、それとも話が完全にまとまるまで、何日も置いてくれるつもりなのか。
 長くいたらいたで、静佳の教養の足りなさや未熟さが、せっかく掴んだヒューイットの心を遠ざけてしまうかもしれない。
 幸せだと感じたのと同じだけ、不安と寂しさが押し寄せてくる。
 ヒューイットとこのまま別れたくはない。
 時計の針が進む音が、静佳の心を重くしていく。
「静佳。一日の最後に、賭をしないか。イギリス人は賭が好きでね」
 静佳の思惑など知らずに、ヒューイットは突然楽しそうな声で切り出した。
「カードですか?」
 何を賭けるというのだろう。金持ちのヒューイットと勝負するのに、賭けられるようなものなど何も持っていなかった。
「何を賭けるんでしょう」
 小銭程度だったらいいがと示すつもりで、静佳はスーツのポケットを引っ張り出してみせる。中身が空だと見せられたヒューイットは、笑顔で小さく首を振った。
「君が正解したら…日本への進出を本格的に検討しよう。『ミルク・クラウン』社の重役会議の席上に出すと約束する」
「…ヒュー…、ほ、本当ですか」
 静佳は思わず立ち上がると、椅子に座ってくつろぐヒューイットの側に駆け寄っていた。
「嘘をつくのは、紳士として恥ずべき行為だよ、静佳。君は私に嘘をついたか?」
「いいえ」
 突然降って湧いた幸運に、静佳は目眩がしそうだった。
 単身、異国に乗り込んできた甲斐があった。そう喜びたいところだが、それにはまず賭けに勝たないといけない。
「でも負けたら…」
「やるのか、やらないのか」

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアはここから無料でダウンロードできます。
詳しくはブンコビューアダウンロード初めての方へをご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。