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小さき天使の訪れ 愛しの億万長者 II

小さき天使の訪れ 愛しの億万長者 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ愛しの億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スカーレット・ウィルソン(Scarlet Wilson)
 スコットランド西海岸在住。8歳で初めて物語を書いて以来、ずっと創作活動を続けている。熱心な読書家で、児童文学作家イーニッド・ブライトンを読破したのち、人気の大作シリーズなどへと移行し、やがてミルズ&ブーン社のロマンスにたどり着いた。医療従事者でもある彼女にとって、医療現場と恋愛を描くメディカル・ロマンスは夢の取り合わせだと語る。

解説

この身に小さな命が宿ったと知ったら、彼の心は戻るのか、遠ざかるのか……。

幸せいっぱいだったアディソンの結婚はいま、岐路にあった。情熱的な恋愛をへて結ばれたはずの夫ケイレブは、ここ数年、莫大な財を築く一方で、家庭をないがしろにする仕事人間になり果てた。思い悩んだすえ、彼女は結婚の存続をかけて旅行の計画を立てる。南の島でゆっくり過ごし、愛がよみがえるか確かめるのだ。はじめこそ反対して怒りを示していたケイレブだったが、やがて美しい景色を背に息子と戯れる彼の姿に、アディソンは安堵した。でも、問題はこれから。わたしのおなかには新しい命が宿っている――そして、2人目の子供はいらないと明言する彼には伝えられずにいる。息子の誕生に涙を流した在りし日の彼を、どうしたら取り戻せるの?

■2部作〈愛しの億万長者〉の第2話で、前作『シンデレラの最後の恋』と同時進行する、結婚の危機を描いた物語です。心が離れた夫との離婚も脳裏をよぎるなか、妊娠に気づいたヒロイン。ベビーの存在は愛をつなぎとめるのか否か、ドキドキの展開から目が離せません。

抄録

 出会いは一度も忘れたことがない。あの日チャリティイベントに来ていたアディソンは、ぎこちなく笑っていた。ピンクのドレスときらきら光るハイヒールといういでたちで、“卵巣癌のことならわたしにきいて”と記されたサッシュを肩から斜めにかけていた。
 そこでケイレブはサッシュの言葉に従い、アディソンに質問した。そのころ、アディソンのブロンドの髪は肩まで届いていた。澄んだグリーンの瞳をきらめかせ、亡き姉について、卵巣癌の危険について語る彼女の姿に、ケイレブは心を揺さぶられた。
 そして、アディソンが爪先立ちをし、“イベントの主催者としてわたしはよくやっている?”と耳元でささやいた瞬間、恋に落ちた。
 あのときのケイレブは自分を抑えることができなかった。毎日でもアディソンに会いたかった。ケイレブの家族もすぐに彼女に心を奪われた。
 しかし、結婚はそれから何年か待たなければならなかった。ちょうどそのころ、ケイレブの事業が急成長を遂げつつあったからだ。やがて彼が二人の新居――ロンドンの高級住宅地ベルグレイヴィアの新築の家の鍵を手渡したとき、アディソンは呼吸が止まりそうな表情を見せた。
 そして結婚式当日、教会の祭壇へと進みながら、アディソンは驚きに目を見開いた。世界各国に散らばっていた彼女の友人たちがたくさん参列していたからだ。ケイレブが苦労の末に呼び集めたのだった。アメリカやオーストリアやフランスやデンマークから集まった友人たちの姿に、アディソンは狂喜した。全員の飛行機代を負担したのはケイレブだった。だが、花嫁の喜びの表情は、費やした金額にまさる価値があった。
 しかし、それも遠い昔のことのようだ。
 アディソンが寝室から姿を現した。柄物の青いワンピースにフラットなサンダルといういでたちだった。
「モニターは持った?」
 ケイレブはうなずいた。
「砂浜に座るのに何か敷物はいるかしら?」
「さっき確認してきた。ホテルのスタッフが砂の上にブランケットを敷いていたよ。そこに座ればいいんだ」
 アディソンはうなずくと、眠るトリスタンのようすを改めて確かめ、その額にキスをしてから夫のもとに戻った。「それじゃ、行きましょう」
 二人は砂浜を歩きだした。日はすでに沈み、昼間に比べると気温は下がっているが、それでも暖かかった。スクリーン近くのブランケットに腰を下ろすと、ウェイターがカクテルの注文を取りに現れた。
 ケイレブはアディソンに相談せずに注文した。彼女はカクテルが大好きなのだ。
「彼女にはストロベリー・ダイキリを。ぼくはこの島の名物のカクテルにしてくれ」
 ウェイターが去ろうとすると、アディソンが急に立ちあがった。そしてウェイターの腕をつかみ、低い声で何事かささやいた。ウェイターがほほえみ、姿を消した。
「どうしたんだ?」
「大したことじゃないの。ストロベリー・ダイキリにミントの葉を入れないでと頼んだだけ。あまり好きじゃないのよ」
「ダイキリにミントの葉なんて入っていたかい?」
「あなたはあまりダイキリを飲まないでしょう」アディソンの口調にはどこか不自然なところがあった。
 アディソンは嘘をついたことが一度もない。ふいにケイレブは奇妙な感覚に襲われた。今の彼女は本当のことを言っていない。いや、これは単なるジョークの類いなのか?
 ケイレブはブランケットの上で座り直し、よけいなことは考えるまいとした。アディソンも隣に腰を下ろしたが、体を触れ合わせようとはしなかった。映画が始まると、彼女は両膝を立て、脚を腕で抱きかかえた。
 ケイレブはどこか落ち着かなかった。いつものアディソンなら、これだけそばにいれば必ず体を接触させてくる。ケイレブは彼女の肩に腕を回したかった。彼女を抱き寄せたかった。だが、アディソンから最後通告を突きつけられていることを思うと、彼女に手を触れていいものかどうか判断がつかなかった。
 ケイレブはビーチのあちこちに散らばる他のカップルに目をやった。ブランケットに腹這いになってスクリーンを見あげている者もいれば、並んで座っている者もいた。しかし、どのカップルも肌を触れ合わせている。彼らがカップルであることはひと目でわかる。だが、ぼくとアディソンはどうなんだ?
 ケイレブは行動を起こし、ブランケットの上で体をずらして脚をアディソンの脚に密着させた。アディソンはたじろがなかった。飛びあがって逃げたりもしなかった。そこで彼は何秒か間を置くと、腕をアディソンの肩に回した。さらに数秒後、彼女を抱き寄せた。
 アディソンは身じろぎをして居心地のいい体勢になると、頭をケイレブの肩にもたせかけた。ケイレブは肺にためこんでいた空気を大きく吐き出した。
「信じられないな、この映画を見ていないなんて」彼はささやいた。「これは典型的な女性映画だ。『ダーティ・ダンシング』や『プリティ・ウーマン』と同じジャンルだよ。きっときみも気に入るはずだ」
 先ほどのウェイターが二人の飲み物を携えて戻ってきた。「ストロベリー・ダイキリと、ボラボラ・ディライトです。お楽しみください」
 ケイレブは黄色とオレンジ色のカクテルを口にした。ラム酒とココナッツ風味のオレンジリキュールが、容赦なく喉を焼いた。
「これはすごいな。きみもひと口飲んでごらん」
 一瞬、アディソンはノーと言いたげな表情を見せたが、結局グラスを受け取り、ストローでカクテルをひと口だけ飲んだ。「おいしいわ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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