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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

大富豪と愛を宿したメイド

大富豪と愛を宿したメイド


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニー・ルーカス(JENNIE LUCAS)
 本屋を経営する両親のもとたくさんの本に囲まれ、アメリカ、アイダホ州の小さい町で遠い国々を夢見て育つ。十六歳でヨーロッパへ一人旅を経験して以来、アルバイトをしながらアメリカじゅうを旅する。二十二歳で夫となる男性に出会い、大学で英文学の学位を取得した一年後、小説を書き始めた。現在、幼い子供ふたりの育児に追われながらも執筆活動を通して大好きな旅をしているという。

解説

彼にとっては、利用できる道具だった。私の愛も……二人の赤ちゃんさえも。

その夜、メイドのレイニーは強欲でわがままな伯爵夫人に従って、モナコの王族が主催する舞踏会にいた。そこで突然、世界的な億万長者カシウスからダンスに誘われる。気づいたとき、レイニーは彼のペントハウスにいた。「僕が君を喜ばせられなかったら、1千万ドルやろう。だが喜びを味わえたなら、僕の子供を宿してもらう」カシウスの冷酷だが熱い誘惑に、無垢なレイニーはとまどった。バージンの身で彼に従ったのは、病弱な祖母と盲目の父にお金を送るため?それとも……彼が運命の男性だと信じたため?

■ハーレクイン・ロマンスに欠かせないトップ作家、ジェニー・ルーカス。冒頭の、伯爵夫人の白い高級毛皮にヒロインがコーヒーをこぼすシーンを読んだら最後、ページをめくる手がとまらなくなるはず。ロマンスのジェットコースターを、どうぞお楽しみください!

抄録

 本当にこの人は魔法のような力を持っている。レイニーはユーロ紙幣の束に手を伸ばしかけて、怪しむようにとめた。「あなたはなにが望みなの?」
「君を買収していると思ったのか?」カシウスはおもしろそうに言った。「すでに手に入れたものは買えないだろうに」
「なにを言ってるの? 私はあなたのものじゃないわ」
「ゆうべ、賭をしたじゃないか」カシウスは薄いヴィンテージTシャツの上から、レイニーの肩に手をすべらせた。「忘れたのか?」
 突然、暗闇の中でささやくカシウスのかすれた声を思い出した。“喜びを味わえたら、すべてを差し出すんだ。つまり体を捧げ、僕の子供を宿してもらう。そして君は僕のものになるんだ……永遠に”
 レイニーは顔を赤くした。「でも、そんなのばかげているわ」しどろもどろになる。「冗談というか、言葉のあやだったの。まさか、本当に私が――」
「僕は冗談で賭をしたことはない。約束を撤回したこともだ」斜めに差しこむ朝の光の中で、カシウスはレイニーを見つめた。「君は違うのか?」
 地中海の朝日が彼の鋭い頬骨を浮かびあがらせ、うっすらと走る傷跡を照らし出した。とがった顎には黒いひげが生えている。少年のようにくしゃくしゃになった黒髪はとてもやわらかそうで、レイニーはもう一度手をくぐらせたくてたまらなくなった。手を押さえつけながら、顎を上げる。「経験からいえば、お金持ちはとても気まぐれだわ」
「気まぐれじゃない。僕の言葉に嘘や偽りはない。家族が、信頼できる妻がほしいんだ。君はそうなれる女性に思えたが、ただ一つの不安はベッドでの相性が合わないかもしれないことだった。だが杞憂だったな」カシウスは身を乗り出した。「君は僕に身を捧げたんだ、レイニー」ささやく彼の唇は、レイニーの唇からほんの数センチしか離れていない。「君のすべてを」
 レイニーの口が乾いた。「ほかにどんな選択肢があったの? 私には経験がなかった。手慣れた誘惑を拒めるはずがないわ」
 彼女の前にそびえるように立ち、カシウスは目を細くした。「無理強いされたと言いたいのか?」
「いいえ、まさか」レイニーは途方にくれて両手を広げた。「ただ……あなたなら、女性はいくらでも取り替えがきくでしょう? 遊びにすぎないから汚れた靴下のように替えるだけで、誰にも深入りしないんだわ」
「君になら喜んで深入りしよう」
 唾をのみ、レイニーは欲望に身を震わせた。「そんなの嘘よ」力なく言う。「男の人は女性をベッドに誘うためなら、心にもないことを言うでしょう?」
「君といると、家に帰ってきたような気持ちになれる」カシウスは手を伸ばし、レイニーの頬を包んだ。「僕は君と結婚するつもりだ、レイニー。すぐにでも。この瞬間も、君は僕の子供を宿しているかもしれない」
 カシウスと結婚し……彼の赤ん坊を産むなんて、嘘みたいな話だ。ばかげたロマンチックな夢も同じで、現実のはずがない! 私みたいな女が、億万長者と結婚するなんて!
「私をもてあそんでいるのね」レイニーはつぶやいた。
 その言葉を聞いたカシウスは、レイニーを腕に抱いてキスをした。口づけは荒々しくも甘く、そのうち彼女の不安と疑いは少しずつゆっくりと消えていった。彼の温かく力強い体がもたらす、貪欲な抱擁はすばらしかった。レイニーは爪先立ちになってカシウスの首に腕をまわし、自分の中に長いこと隠れていたありったけの情熱をこめてキスを返した。
 カシウスが体を引いた。「君は僕のものだ」彼女の唇に向かってささやく。「体がすでにわかっていることを受け入れるんだな」
 レイニーの全身が震えた。「どうして私を選んだの? お互いについて、二人ともろくに知りもしないのに!」
「ひと目見ただけで土地を買うことがあるのと理由は同じだ。データや成長率、長年の研究は関係ない」カシウスはレイニーを見つめ、長い黒髪を撫でた。「なにかを見て、ただわかるときもあるんだ」
「でも、私はニューオリンズに帰らなくてはならないわ」レイニーは弱々しく言った。「仕事をさがすために」
「だめだ」カシウスは彼女の背中に沿ってゆっくりと手を下ろした。「君はここにとどまり、僕と結婚するんだ、レイニー。わかっているはずだぞ」
 レイニーはふたたび全身を震わせた。興奮がつのり、心臓が口から飛び出しそうになる。ああ、こんなのってありえない。
「でも、知らない人とは結婚できないわ」彼女は小声で言った。
「そうかな?」カシウスがレイニーの手を口元に持っていってキスをした。その温かな吐息とやさしく誘う唇を感じ、彼女は誰かがそばにいるすばらしさを想像した。その人は私を見守ってくれるのだ。「膝をついたほうがいいかな?」彼がおどけた笑みを浮かべ、実際にそうした。胸に手をあて、少しからかうように言う。「イレーヌ・メイ・ヘンリー、どうか僕に、君を妻にする栄誉を――」
「やめて、やめて!」レイニーは顔を真っ赤にして彼を立たせた。「からかわないで!」
 カシウスの黒い目は真剣だった。「からかっているのは君のほうだ、レイニー。最後にもう一度きく。答えは?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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