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砂漠の富豪の寵愛 四富豪の華麗なる醜聞 III

砂漠の富豪の寵愛 四富豪の華麗なる醜聞 III


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス四富豪の華麗なる醜聞
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 タラ・パミー(Tara Pammi)
 子どもの頃から本の虫だった彼女は10代でロマンス小説に夢中になり、教科書の陰に隠して読みふけっていた。修士課程修了間近のある日、卒業論文を書くためにパソコンに向かっていたはずが、気がつくと物語のプロローグをタイプしていた。無事卒業し、世界一理解のある夫のサポートを得て小説を書き始め、現在はアメリカのテキサス州で執筆に勤しんでいる。

解説

冷徹なシークの口づけは、泣きたくなるほど優しかった。

生き別れた弟が無実の罪を着せられて逮捕されたと知り、アマリアは13年ぶりに母国カリージュの壮麗な宮殿を訪れた。執務室に迷いこんだ彼女は、玉座のような椅子に座る男性の琥珀色の瞳に射すくめられた。若き国王シーク・ゼイン――その威厳に満ちた貴族的な美貌と尊大な言葉に圧倒されながら、アマリアはこれがゼインの花嫁選びの面接であることに気づく。事情を話して窮状を訴え、弟のためなら国王を脅迫することも辞さないという彼女に対し、ゼインは不快感もあらわに命じた。「君に選択肢はない。期間限定で王妃の役を務めてもらおう」

■それぞれに個性的でゴージャスなプレイボーイ富豪たちの魅力に思わずため息が出てしまう、〈四富豪の華麗なる醜聞〉の第3話をお届けします!妃を娶る必要に迫られたシークと、窮地に陥った無垢な乙女の熱く切ないシンデレラストーリーをご堪能ください。

抄録

 シークの横暴なやり方に対して、あるいは自分を抑えられないもどかしさに対して、必死に怒りを奮い起こしたにもかかわらず、彼の唇が触れた瞬間、アマリアの中ですべてがたちどころにかき消えた。
 彼の香りと味わいに、アマリアの五感は圧倒された。ミントの香りを帯びたひどく男性的な暗い何かのせいで、彼女の中で眠っていたあらゆる感覚が目覚めていく。唇の端から端に向かって、シークの唇が何度も軽く押し当てられる。同時に熱が奔流となってアマリアの体を駆け抜けた。なんという柔らかな唇だろう。彼みたいに辛辣な男性が、こんな柔らかな唇をしているなんて。その感触はざらざらした顎の感触と相まって、アマリアの感覚を引き裂いた。
 もしもっと攻撃的なキスだったら、あるいは官能の手管を駆使したセクシーなキスだったら、おそらくアマリアは抵抗しただろう。
 けれど、唇の合わせ目を舌でそっとはじかれ、キスの合間にアラビア語でなんとも甘くささやかれて、アマリアの体はじっとりと蒸したカリージュの夏の日の氷のように溶けはじめた。シークのキスは、まるですばらしい宝石を発見したと言わんばかりだ。女性に関して手慣れているはずの彼が唇を開くように求めるそのしぐさは、こんな魅力的な女性には初めて会ったと言わんばかりだった。
 そんなわけで、賢く理性的、めったなことでは動揺しないはずのアマリアの防御の壁はあっけなく崩れた。シークに求められ、彼女は嬉々として唇を開いた。
 キスの雰囲気が変わった。心地いい海辺の風から、身を焼くような激しい熱波へ。シークの舌が彼女の口の中をすばやくかすめ、からかうように、じらすように、彼女の舌とたわむれる。アマリアの腿の間が潤いを帯び、彼女自身が存在するとも知らなかった部分が呼び覚まされて、危険なまやかしにすぎない刹那の喜びに彼女は我を忘れた。
 意志がみるみる萎えていく。
 攻撃の手をゆるめてゆっくりおびき出すほうが有効だと、どうやら彼は知っているようだ。アマリアが自ら進んで彼に身をゆだねるまで。
 恥知らずなうめき声とともに彼女はシークの髪に指をうずめ、ひしとしがみついた。先ほど彼がそうしたように、自分も彼の舌を強く口の中に引き入れた。
 大きな両手が彼女の肩から背骨へ体のラインをなぞり、隅々に火をつけていく。こんな狂おしい感覚は生まれて初めてだった。どうすれば止められるのか自分でもわからない。どうすれば自分を制御できるのか、どうすればこの激情から逃れられるのか。
 わかっているのはただ、このまま終わってほしくないと感じていることだけ。
 唇がうずき、胸の先端が硬くとがり、シークのたくましい胸に何度もこすりつけられる。やがて彼の飢えた両手が腰の位置で止まり、彼女をいっそう強く抱き寄せた。唇が離れ、アマリアはようやく息をついた。
「これで証明されたな。どんなに不機嫌そうに怒ってみせても、実際には、君は僕を求めている。君の自制心も、敬意を求める主張も、どこへやらだ。男女の平等についていちいち騒ぎたてるのも、要するに、そういうことなんだろう? 僕を求めてしまう自分が気に入らないんだ」
 たとえ頬を殴られたのだとしても、これほどのショックは受けなかっただろう。アマリアは熱くほてった体を氷の入ったバスタブに沈められた思いがした。それでいて、体のあちこちで新たに目覚めた興奮は、なかなかしずまろうとしなかった。
 激しい嫌悪感にとらわれ、彼女はシークを押しのけて後ろを向いた。長距離を走ったばかりのように肺が焼け、めまいを伴う強烈な快感のあとで、頭の中はいまも真っ白だ。
 男性の味わいから逃れようとするかのように、彼女は唇を手のひらでこすった。恐怖がこみあげ、思わず声がもれた。なんてことかしら、信じられない。カリージュのシークとキスをしてしまったなんて。
 弟が刑務所の中で難儀をしているというのに、その運命の鍵を握る男性と、こんな常軌を逸したゲームに興じているなんて。そう考えると、喉元まで吐き気がこみあげた。アスラムのことをすっかり忘れていたなんて、どういうこと?
 助けを請いに来たはずが、気がつくとたわいのない芝居を始めて、あげくの果ては蔓のように彼に巻きつくなんて。
「キスのことで腹を立てているんだろうが、謝るつもりはないからな。互いに求め合ってのことだ」
 アマリアは勢いよく振り返った。シークの確信に満ちた言葉に心をえぐられたが、しかたがない。彼の両手の中で、確かに彼女はされるがままだった。「腹を立てているだけではなく、自分に嫌気が差しているのよ」
 シークはまたも笑った。そして今回、その声には嘲りがこめられていた。「ここへ来た目的を果たしたというのに? うっかりキスを本気で楽しんでしまったから?」
「ここへ来た目的?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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