マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクション恋愛小説ティーンズラブ小説

あなたに囚われて〜海運王の花嫁〜

あなたに囚われて〜海運王の花嫁〜


発行: ヴァニラ文庫ミエル
シリーズ: ヴァニラ文庫ミエルあなたに囚われて〜海運王の花嫁〜
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★1
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


解説

政略結婚から始まる淫らなリゾートLOVE
傲慢な海運王×傷心女子

「私が買った花嫁の身体を見せてもらおうか」身に覚えのない醜聞から世間の晒し者にされた愛里は、実家で引きこもるように暮らしていたが、〈二十一世紀の海運王〉と呼ばれる宇佐美漣から名指しで求婚され、受けることに。怪我の療養のため所有する島で暮らす漣は相当な人嫌いで、初夜の褥で蔑むような言葉で妻としての義務を果たすよう命じられ……。(ヴァニラ文庫ミエル)

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「明かりを点けたぞ。さて、君は私に、どんな楽しいことをしてくれるんだろうか?」
「た……楽しい、こと」
 ここで『したことがないのでわかりません』と答えたら、きっと烈火のごとく怒り出すだろう。
 愛里はとりあえず、
「な、何を、して欲しいか、言ってください。できる限り、あなたのご希望に沿いたいので……」
 これでは、『あなたのご希望どおりのことができます』と言っているみたいだ。
(ああ、神様、仏様──どうか、彼が見た目より女性にモテたことがなく、そちらの経験がほとんどありませんように)
 胸の前で両手を組み、神様だけでなく仏様にまでお願いする。
(ああ、でも、あり得ないわ。絶対、あの動画どころじゃない経験をしている気がする)
 さっそく絶望的な気持ちになるが、神様と仏様は彼女を見捨てなかったらしい。漣は愛里に丸投げせず、
「いいだろう。私の傍に来てくれ」
 そう命令したのだった。
 履いていたスリッパを脱ぎ、愛里は一歩踏み出す。足元には毛足の長いフワフワのラグマットが敷かれていた。
 ただ、その上だと車椅子が動けないようで、彼がいる場所はフローリングの床の上だ。
「まず、私が買った花嫁の身体を見せてもらおうか?」
 それは間違いなく、脱げと言っているのだろう。
 愛里はラグマットの上に立ち止まり、思いきってシルクのバスローブを脱いだ。
 バスローブをベッドの上に放り投げ、黒いベビードールとタンガというセクシーな下着姿で漣のほうを向いた。
 胸元と腰の辺りを覆うのは中身が透けて見えるレースだ。煌々とした灯りの下なら、素肌が丸見えだっただろう。
 下着姿で立つ愛里に、漣は呆れたように付け足した。
「それじゃよく見えないな。もっと、アピールしたらどうだ? その身体は君にとって、唯一のセールスポイントだろう?」
 これ以上のアピールとなれば、このベビードールも脱げということだろうか?
「ぬ……脱いだほうが、よければ……脱がせて、ください」
 期待どおりの返答かどうかは不明だが、自ら脱ぐより気分的にマシだ。それに、戸籍だけとはいえ、自分はすでに漣の妻だった。
(これは不倫じゃないし、婚前交渉でもないのよね? 結婚したら、こういうことはあって普通なのよ。あんなことがなければ、わたしだってとっくに経験していたかもしれないんだし……)
 二十五歳の大人の女性にとって、セックスくらい大騒ぎすることではない。仮に婚前交渉であったとしても、世間の多くの女性が経験していることだ。
 ──と思うのだが、実際はどうなのだろう?
 漣がムッとした顔をしたら、自分から脱ごうと考え直したとき、思いがけず、彼は笑い始めた。
 愛里を小馬鹿にしたような笑い方だったが、怒鳴られるよりずっといい。
「いいだろう。脱がせてやるから、もっとこっちに来なさい」
「は、はい」
 おずおずと近づくと、彼の手が愛里の腕に触れた。
 緊張に頬が引き攣ったが、エントランスのときのような恐怖は感じなかった。
 漣は指先でゆっくりと愛里の腕をなぞっていく。彼女の指先を少しの間だけ掴んだあと、漣は長い指先で彼女の掌を弾くように引っ掻いた。
 そのこそばゆい感覚に、思わず手を引きそうになる。
 だがしだいに、背筋がゾクゾクするような……奇妙な気配に囚われ始めた。
(な、何? 手を……触られているだけ、なのに)
 愛里は少しずつ、息が荒くなっていく。
 すると、漣はさっきより愉快そうに笑った。
「思ったよりずいぶん拙い反応だな。だが、感度はよさそうだ。とはいえ、君のほうが気持ちよくなっていてどうする?」
 そんなふうに言われて初めて、愛里は自分が掌を愛撫されただけで、快感を得ていたことを知った。
「そ、そういう、つもりは……きゃっ!?」
 掴まれていた手が引っ張られ、バランスを崩して彼の上に倒れ込む。
 変な場所に手をつき、怪我をさせてはいけない。とっさにそんなことを思い、彼の首に手を回して抱きついていた。
 だが、これではまるで、自分から飛びついたように見えてしまう。そう思うと、恥ずかしくて顔を上げることも、彼から離れることもできなくなった。
 そのとき、シュシュで纏めてアップにしていた髪がはらりと落ちる。
「髪は下ろしているほうが好みだ。妻なら、覚えておくように」
 愛里の首筋に、彼の吐息が触れる。
 これほどまで近い距離で男性と触れ合うのは初めてだ。緊張が一気に高まり、そのまま限界まで超えてしまいそうだった。
(どうしよう。この先って……もう何も……何がなんだか、全然わからない)
 漣の手が彼女の髪を撫で始める。
 その手はまるで、幼い少女を愛でるような仕草で……ゆっくりゆっくり、何度も繰り返した。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。