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公爵とシンデレラ【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】

公爵とシンデレラ【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・ヘリス(Anne Herries)
 イギリスはケンブリッジに住んでいるが、冬のあいだは夫とともにスペインのジブラルタル海峡に面したマラガのリゾート地で過ごすことが多い。青い海の白い波頭を眺めながら、涙あり笑いありの、ロマンチックな恋物語の構想を練るという。イギリスではすでに三十作以上の著作があり、うち十数冊はハーレクインのミルズ&ブーン社から刊行されている。

解説

結婚もせず公爵家を支える娘の前に、疎遠だった“次期公爵”が現れ――

令嬢ヘスターの血のつながらない祖父である公爵が病の床で、アメリカに住む疎遠の孫を呼び戻して跡継ぎにすると言いだした。しかも、ヘスターが彼に上流社会の礼儀作法を教えるのだといい、公爵家の行く末を憂える彼女はそこはかとない不安を覚えるのだった。一方、老公爵から呼び出しの手紙を受け取ったジャレッドは、不作法でみすぼらしい身なりの人間と決めつけられ腹を立てていた。実際は教養も財産もあり、こんな礼を欠く要請など断ってもよかったが、ふと、顔も知らぬ親戚たちをからかってやりたい遊び心が湧いた。はたしてイギリスの地を踏んだ彼は、“教育係”のヘスターに言った。「ぼくにマナーを教えてくれ。ぼくはきみにキスの仕方を教える」

■少女から老婦人まで、今まで魅了できなかった女性はいないと自負するジャレッドが、血のつながらないいとこの無垢なヘスターの心を翻弄します。はらはらどきどきの展開が得意なアン・ヘリスが描く、19世紀イギリスが舞台のドラマティック・ロマンスです!
*本書は、ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「おじい様はあなたに、財産を相続した女性と結婚してほしいんです。社交界での地位を保つためにお屋敷を修復するお金が必要なんです」
「いまいましい老いぼれ悪魔め!」ジャレッドの目に突然怒りが光った。「だからぼくを呼びつけたんだな! 財産のある女とぼくを結婚させるために」
「ええ、おじい様はそれを望んでいらっしゃいます。そして、それがわたしたち一家に必要なことなんです」ヘスターはしぶしぶ打ち明けた。「あなたはこちらのお生まれではないから、相続がどういう意味を持つかおわかりにならないでしょうけれど、こちらではとても重んじられているし、家名を守るのはとても大事なことなんですよ――」ヘスターはジャレッドの顔色が変わったのを見て、口を閉じた。「何なの? どうしてそんなに怒っているの? うちのように身分の高い家にはよくあることなのよ」
「家名を守る?」ジャレッドの声は氷のようだった。「母を追いだしておきながら、よくもそういうことが言えるもんだな。ぼくが生まれたときも、そのあとも何度も、母はじいさんに手紙を書いている。だが、一度も返事は来なかった。母がどれほど傷ついたか、きみにわかるか? 家族についての説教などしないでくれ、ミス・シェルドン。ぼくに家族はいないんだ。少なくとも、この国には」
 ヘスターは真っ青になってジャレッドを見つめた。「それなら、どうしてこちらへいらしたの? どうしてわたしたちに希望を持たせるようなことをなさったの? うちの財産を継ぐ気がないのなら、どうしてミスター・バーチにうちとは縁を切るとはっきりおっしゃらなかったの?」
 ジャレッドは立ちあがって窓辺へ行き、庭を見つめた。答えを考えるジャレッドの背中は怒りでこわばっていた。
「好奇心、なんだろうな。愛する人と駆け落ちした娘を勘当した男の顔を見てみたかったんだと思う」
「おじい様はあなたのお母様を愛していらっしゃいました」ヘスターの声はすすり泣きになった。公爵がどれほど失望していたか、彼女はよく知っていた。「手紙の返事を書かなかったのは、自尊心のせいなんです。でも、おじい様は彼女をほんとうに愛していらしたんです」
「何できみにそれがわかる?」ジャレッドは怒りで目を光らせ、唇を薄くして振り向いた。「軽々しく言わないでくれ。母はそのことを知らなかったんだからな」
「おじい様は気位の高い方です」ヘスターは顔を真っ青にし、無意識に祖父をかばった。「おじい様は本音とは違うことをおっしゃったりなさったりすることがあるんです。でも、だからといって、おじい様は悪い人じゃありません。わたしをずっと愛してくださったし、寛大だったわ……」ひと滴の涙がこぼれ、頬を伝った。涙は塩辛かったが、ヘスターは拭おうともしなかった。涙は次から次へと頬を伝った。「おじい様はお年を召しました、ミスター・クリントン。もう長くはないでしょう。少なくとも、しばらくのあいだだけ、話を合わせてあげてくださいませんか? あなたを無理に結婚させるわけにはいかないことはわかっていますが、おじい様に望みを持たせてあげてください……少しのあいだでいいですから……」
 ジャレッドは怒りに目を光らせて、ヘスターの前に立っていた。無茶なことを言われて、はらわたが煮えくりかえっていた。どんな権利があってそんな勝手なことが言えるのだ? きみにそんな権利はないはずだ。ジャレッドは彼女を罰してやりたかった。母にひどい仕打ちをした全員を罰してやりたかった。彼は自分が何をしているかわからないまま、ヘスターの腕をつかみ、顔を見おろした。そして、彼女を引っ張って立たせた。彼女の目を覗き込んだ瞬間、胸のなかで何かがかきたてられた。なぜかはわからないまま、ジャレッドは顔を近づけ、ヘスターの唇に唇を重ねていた。
 キスをするつもりはなかったし、唇が触れた瞬間どう感じたかもわからなかった。全身を熱いものが駆け抜け、知らず知らずのうちに体が反応していた。ジャレッドの唇はヘスターの唇を完全に支配し、舌は入口を探した。舌は強い意志の力で彼女の唇を開かせ、甘さを味わおうとなかへ滑り込んだ。蜂蜜とワインの味がし、彼は頭がくらくらした。抑制が徐々にきかなくなってきた。しなやかなヘスターの体が溶けていくように感じられ、味と香りに心がかきたてられた。
 彼を拒み、その体を押しやることもできたのに、ヘスターはそうはせずに、好きなだけ彼にキスを許した。やがて、ジャレッドが体を離したとき、ヘスターはまぶしそうに彼を見あげていた。その目は大きく見開かれ、情熱でかすんでいた。
 まるで初めてキスをしたかのようだ、とジャレッドは思った。まさか、そんなはずはないよな?
「いけないことをしてしまったようだ」ジャレッドはようやく正気に戻った。「腹が立っていたのは事実だが、母の不幸はきみのせいじゃないからな」
 ヘスターは唇に手をやった。キスをされているあいだも、いまも、彼女は抵抗しなかった。「お母様のことはお気の毒だったと思います、ミスター・クリントン。でも、おじい様は誰よりも彼女を愛していらしたんです。父からもよくお母様の話を聞きました。お母様の手紙が無視されていたことを、父は知らなかったと思います」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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