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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

一夜の恋の贈り物

一夜の恋の贈り物


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マヤ・ブレイク(Maya Blake)
 イギリスの作家。妻であり2人の子どもの母でもある彼女がロマンス小説の虜になったのは、13歳のとき。姉から借りた1冊のハーレクインがきっかけだった。そんな彼女にとって、ハーレクイン社でのデビューは夢のようだったと語る。執筆に没頭していないときは、旅行やツイッターが好きだという。

解説

初めての目眩く一夜は朝の光とともに悪夢と化した。

ゴールディは仕事の面接を受けた帰り道、路地で強盗に襲われた。バッグを盗られ、ショックで呆然としていると、男性が通りかかった。彼はゴールディの怪我を応急処置してくれたばかりか、ガエル・アギラルと名乗り、仕事まで紹介してくれるという。スペイン人の大富豪が、なぜ私なんかに優しくしてくれるの?ガエルのリムジンに乗り込んだときには、彼女はすでに彼に夢中で、まるで魔法にかけられたかのように、純潔を差しだしてしまった。だが翌朝、ガエルの姿は消えていた。枕元の1万ドルと引き替えに。私は娼婦じゃないわ!憤るゴールディは後日妊娠に気づき……。

■R−3259『愛なき億万長者の嫉妬』関連作をお贈りします。前作ヒーローの異母弟ガエルもまた、愛を知らずに育ちました。ゴールディの妊娠を知って、ビジネスライクな提案をしますが……。

抄録

「愛だと思っているものも、実はただの依存の症状だとしたらどうなる? それに、その“少しは”というのはどれぐらいなんだ? その依存症に振りまわされる周囲の者たちは、いったいどれだけ我慢すればいい?」
 彼の声がいらだちと怒りで荒々しさを増していく。さっきの電話に関係する怒りだ、とゴールディは本能的に悟った。
「それはわからない。だけど、そういう大事なことを、わたしなら簡単に諦めたりはしない」
 ガエルの視線がゴールディの目の奥を探った。「やってみろ」ささやくような低い声で、彼は言った。
 ゴールディの息が止まった。「何を?」
「その脚本だ。ここで演じてみろ」
 彼女の全身がこわばった。「いま?」
「きみは車のなかで、自分は何をすればいいのかときいた。これが、その答えだ。ぼくの望むものをやってみせてくれ」
 ガエルの気分がまださっきの電話に影響されているのは明らかだ。ゴールディは断ろうかと考えた。
 これはもう仕事とは言えない。何か彼のひどく感情的で個人的な問題が絡んでいる。
 だが、逆に言えば、それこそがゴールディに必要なものだった。彼女が求めているのは客観的な批評家ではなく、感覚的に反応してくれる観客だった。
 ゴールディはグラスを彼に差しだした。彼の視線がグラスから彼女の顔に移り、再びグラスに戻った。そして彼は受け取ったグラスを脇に置いた。
 ガエルの視線がゴールディの顔に戻った瞬間をとらえ、彼女は最初のせりふを口にした。
「あなたは行きはしないわ。わたしが行かせない」
「離れるのがいちばんいいのかもしれない」ガエルが即座に口を挟んだ。
 彼の思いがけない反応に、ゴールディの鼓動が速くなった。「あなたは彼女を愛していると思いこんでいるけれど、それは違う」
「きっとぼくは誰も愛せない人間なんだ。自分自身さえも」
 その言葉には静かだが力強い確信がこもっていて、ゴールディを驚かせた。何かの深い感情にとらわれているいまでなければ見せないものを、ガエル・アギラルは彼女に見せていた。
「わたしはあなたをよく知っているからわかるの――あなたの心のなかに何があるか。それほど深く、わたしはあなたを愛しているのよ、サイモン。だから、許せるの。あなたを愛しているから、もう一度だけやり直したい。でも、あなたがとどまってくれなければ、やり直すことはできないわ。お願い……もう一度だけチャンスをちょうだい」
「同じことの繰り返しになってもいいのか? 周囲の人間を巻きこんで不幸にしても?」ガエルの目はゴールディから離れなかった。
 ゴールディの目に涙があふれた。ゆっくり自分の手を彼の手に重ねる。「きっと道はあるわ。だけど、二人一緒でなければ、その道は見つからない。行かないで。お願いだから……やり直しましょう。あなたを愛しているの。どうかわたしと一緒に闘って。二人のために」
 激しい真情の吐露――壊れた家庭で苦しむ彼女自身の心の痛みから生まれたせりふが室内に響きわたり、ゴールディの全身を震わせた。彼女は視線を上げてガエルを見た。
 彼の表情に、ゴールディの呼吸が止まった。痛みと後悔といらだちが交じり合った表情。そこには渇望も混じっていた。
「|驚いたな《デイオス・ミーオ》。すばらしい。ほんとうにすばらしい……」しゃがれた声だった。彼の手が反転し、ゴールディの手をつかむ。そして、グラスの中身を飲み干して横に置き、彼女を引き寄せた。
 ガエルの膝の上にのせられてゴールディが息もできずにいるうちに、唇が重ねられた。コニャックの香りに彩られた熱いキス。彼の皮膚の下でくすぶっている感情のすべてが込められたキスだった。
 キスの経験はあった。仕事でも、プライベートでも。けれど、いまガエルの貪るようなキスがかきたてる感覚は、これまでゴールディが経験したことのないものだった。思わず彼のシャツをぎゅっと握りしめる。ガエルは彼女の下唇、上唇と順番に味わったあとで、口のなかに舌を滑りこませた。そのとたん、ゴールディの全身は白熱の炎にのみこまれた。欲望がいっきに押し寄せ、口から声がもれる。
 ゴールディの両手が上がり、はだけたシャツからのぞく胸元に近づいた。その手が彼の肌に触れた瞬間、二人は同時にうめき声をもらした。ガエルの手がさらに強く彼女を引き寄せると、バスローブの裾がはだけた。ガエルは片手で彼女の後頭部をとらえ、さらに激しく唇を押しつけた。
 空を飛ぶような感覚と海の底へ潜っていくような感覚が、同時にゴールディを襲った。呼吸が苦しくなる。だが、呼吸するよりも、このキスの感覚を味わい続けたかった。
 やがてガエルがゴールディの頭から手を離し、少しだけ顔を離して彼女を見つめた。
「きみが欲しい。いま、ここで」彼の呼吸も荒く、目は激しい欲望に陰っていた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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