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ギリシア富豪の純愛 四富豪の華麗なる醜聞 IV

ギリシア富豪の純愛 四富豪の華麗なる醜聞 IV


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス四富豪の華麗なる醜聞
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・スマート(Michelle Smart)
 イギリス人作家。ぬいぐるみより本を抱いて寝るのが好きだったというほど、生まれながらにして本の虫だった。まだ少女のころ読んだおとぎばなしに、ロマンスの片鱗を感じていたという。「本はいつも胸をときめかせてくれます。まるで初恋のように」と語る彼女は、自分の書くロマンスが、読者の心にもそんなときめきを届けてくれることを願っている。

解説

ひたむきな愛と幸せは、儚い幻にすぎなかった。

富裕層相手の結婚相談所をひっそりと営むエリザベスには、誰にも言えない秘密があった。学生時代に旅先で出会った青年と情熱のままに結婚し、数日で捨てられた過去があるのだ。当代きってのプレイボーイと名高いギリシア富豪サンダー――彼との過去が公になればエリザベスの社会的信用は失墜し、これまで大切に育ててきた事業が立ちゆかなくなってしまう。しかし今サンダーは、妻が必要になったから仕事を依頼したいとエリザベスを呼び出し、衝撃の事実を口にした。「妻を探してもらう必要はない。僕たちはまだ結婚している」

■運命のいたずらにより、いまだ夫婦であることが判明した二人。緊急に妻を必要としていたサンダーはゴシップ誌に二人の写真をわざと撮らせてエリザベスに協力を迫り……。どこまでもゴージャスでセクシーな〈四富豪の華麗なる醜聞〉、堂々のフィナーレです!

抄録

 サンダーはエリザベスの手を取り、その手をひっぱるようにして彼女を歩かせた。
 エリザベスは彼に軽い殺意を抱きながらも人目があるので何気なさを装い、導かれるまま遠くのドアに向かった。ドアの先には、二人が結婚したあとに彼がアップグレードして泊まったのと同じプライベートヴィラがある。ハネムーン客用のスイートルームだ。
 二人は十年前にたどったのと同じ砂利敷きの狭い小道をたどり、同じジャズを演奏している屋外レストランを通り過ぎ、同じ甘い花の香りを嗅ぎ、クリケットに興じる人々が互いを呼び交わす同じ声を遠くに聞いた。何もかも同じだった。夫さえも。
 でも、サンダーはもう私が恋に落ちた手に負えない若者ではない。押しが強く、私の母など足もとにも及ばない非情さを持ち、手広くビジネスを成功させた男性だ。
 それに、彼は恋などしなかった。彼にとっては、反抗心が招いた度の過ぎた浮気といったところがせいぜいだろう。
 目に入るものと香り、そして音によってあまたの扉が開き、エリザベスの頭に記憶がなだれこんできた。二人が泊まるヴィラへと続く階段の一段目は、サンダーが彼女を両腕にすくい上げ、入り口まで運んでくれた場所だ。いま彼がカードキーを通しているドアは、彼女を下ろし、まさにこの壁に押しつけて、唇に傷がつくほど激しいキスをした場所。いま彼女が通り抜けているこの戸口は、サンダーが再び彼女を抱き上げたのと同じ場所だ。
 そしてまたこのヴィラは、二人が何度も数えきれないほど愛し合い、たった一本の電話で彼がエリザベスを置き去りにした、まさにあのヴィラだった。
 当時は知らなかったが、あの電話はサンダーのフィアンセの死を知らせるものだった。
 私と会う前に婚約を解消したと言った彼の話は事実だろうか。あるいはあれも見え透いたごまかしに伴う戦略なの?
 でも、それが何? すべては十年前のこと。いまとなってはなんの意味もない。
 エリザベスは息をひそめてヴィラに入った。彼女の荷物は広々としたリビングエリアの床に、サンダーのものとおぼしきスーツケースと並べて置いてあった。
「スタッフはどこにいるの?」エリザベスはこわばった声できいた。ヴィラには執事とメイド、シェフがいたはずだ。
「僕たちはプライバシーを求めていると言っておいた。呼ばないかぎりは来ない」
 彼は結婚したときもいまと同じことをした。当時のエリザベスはそれを喜んだものだ。
 ヴィラにはメインリビングの一角に大きなキッチンがついている。サンダーが巨大なアメリカ製の冷蔵庫をのぞきこみ、白ワインのボトルを取り出した。「飲むか?」
「いいえ」“ありがとう”と続けかけ、エリザベスは言葉を切った。彼にはなんの義理もなく、ばか丁寧にふるまう必要はない。「もう寝るわ。主寝室はあなたが使って」
 あの部屋で寝るくらいならピラニアと泳ぐほうがましだ。もうひとつの寝室も主寝室に劣らずいい部屋だった。何より、二人でいたときの思い出がにじみ出ていないのがいい。
「まだ着いたばかりじゃないか」
「早く寝れば、それだけ早く起きてニューヨークに帰れるもの」それ以上のことは考えたくなかった。頭痛がひどくて、ほかのことを解決するのはとても無理だ。
「このあとはアテネへ直行する」
「どうぞ。私は帰らないと。仕事があるの」
「エリザベス、きみの帰る場所はいま僕のいるところだ」サンダーは話しながらワインを冷蔵庫に戻し、代わりにビールを出した。
「これ以上の同行は無理よ。仕事があるんだもの。いろいろ手配したり……」
「こっちから指示を出すんだな」彼が引き出しを開けた。
「そんなことできないわ」
 サンダーは別な引き出しをひっかきまわして栓抜きを取り出した。「僕はルーカスのところへ帰らなければならない。三日以上は留守にはしないと約束したんだ」そう言って、ひたとエリザベスの目を見つめる。「それともきみは、僕が八歳の男の子との約束を破るべきだと考えているのか?」
「そんな言い方、フェアじゃないわ。約束していたなんて、私は知らなかったんだもの。もちろんあなたは約束を守って。でも、あなたの約束は私とは無関係よ。私は私の用事が片づいたら、ニューヨークへ戻る」
「きみは明朝、僕と一緒の飛行機で発つ。法廷審問の前に僕たちが一緒に過ごす時間が長いほど、夫婦に見える効果も高まる」
「私のスタッフは、メール一本で解雇されていい人たちじゃないわ」
「彼らの銀行口座に振りこまれる金がその埋め合わせをする。口座の詳細を教えてくれれば、すぐに手配する。きみの口座にも二十五万ドル振りこもう。予約料だ」
「もし、私たちが失敗したら?」
 サンダーの目つきが険しくなった。
「判事がご両親に監護権を与えたら、私はどうなるの?」エリザベスは執拗に繰り返した。
「命に替えても、そんな結果にはさせない」彼の声は氷のように冷たかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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