和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>社会人
著者プロフィール
中原 一也(なかはら かずや)
2001年3月、競輪選手×エリートサラリーマンの恋を描いた「そして、風になる」で某新人賞選外佳作受賞。
雑誌掲載後、同8月に文庫デビュー。オヤジ、青年、年の差、刑事、ヤクザ、やんちゃ受、男前受、等々かなり雑食。時々悪食。
2001年3月、競輪選手×エリートサラリーマンの恋を描いた「そして、風になる」で某新人賞選外佳作受賞。
雑誌掲載後、同8月に文庫デビュー。オヤジ、青年、年の差、刑事、ヤクザ、やんちゃ受、男前受、等々かなり雑食。時々悪食。
解説
沢木楓は美形だが生真面目で不器用なメガネ男子サラリーマン。誰もが見惚れるほど女子社員の憧れの上司、敏腕課長の東郷と組み忘年会で芸を披露するハメに。その打ち合せのために東郷のマンションを訪れるが「俺のことが好きだったんだろ」と勘違いされ、東郷の強引さにされるがまま……リーマンラブ!
抄録
「お前、なんで泣いてるんだ?」
「す、すみません。でも……っ、課長にっ、褒められたのなんて、初めてで……っ」
いわゆる男泣きというのだろうが、それにしてはえぐえぐと情けない嗚咽が漏れ、鼻水は垂れ、沢木は恥ずかしさのあまり手の甲で鼻を押さえながら俯いた。
嬉しくてたまらない。
だが―――。
「――ぷ!」
そう聞こえたかと思うと、東郷はいきなり腹を抱えて笑い出したのだ。しかも涙まで滲ませている。意外にひどい男である。
「わっ、笑わないでください……っ」
「あははは……。いや、お前の歳でそこまで豪快に泣く男は初めてだよ」
「だってっ、本気でっ、嬉しいんですから……っ」
そう抗議すると東郷はスポンジを置いて手を洗い、沢木に向き直った。
「あー、悪かった悪かった」
そう言いながらも、さして反省をした様子もなく頭をくしゃくしゃに掻き回す。
そして次の瞬間。(……え?)
力強い腕に引き寄せられたかと思うと、ぎゅうと抱き締められる。
「よしよし、泣くな泣くな」
東郷からは、ほんのりとコロンの香りがした。大人の男の匂いだ。逞しい腕も厚い胸板にも、戸惑いを覚えた。同じ男に、これほどまでに男を意識させられたことはあっただろうか。
だんだん恥ずかしくなってきてその腕から逃れようとするが、東郷はそれを許さない。
「そんなに俺が好きか?」
「あの……っ」
「まさかお前がなぁ。てっきりストレートだと思ってたよ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
「す、すみません。でも……っ、課長にっ、褒められたのなんて、初めてで……っ」
いわゆる男泣きというのだろうが、それにしてはえぐえぐと情けない嗚咽が漏れ、鼻水は垂れ、沢木は恥ずかしさのあまり手の甲で鼻を押さえながら俯いた。
嬉しくてたまらない。
だが―――。
「――ぷ!」
そう聞こえたかと思うと、東郷はいきなり腹を抱えて笑い出したのだ。しかも涙まで滲ませている。意外にひどい男である。
「わっ、笑わないでください……っ」
「あははは……。いや、お前の歳でそこまで豪快に泣く男は初めてだよ」
「だってっ、本気でっ、嬉しいんですから……っ」
そう抗議すると東郷はスポンジを置いて手を洗い、沢木に向き直った。
「あー、悪かった悪かった」
そう言いながらも、さして反省をした様子もなく頭をくしゃくしゃに掻き回す。
そして次の瞬間。(……え?)
力強い腕に引き寄せられたかと思うと、ぎゅうと抱き締められる。
「よしよし、泣くな泣くな」
東郷からは、ほんのりとコロンの香りがした。大人の男の匂いだ。逞しい腕も厚い胸板にも、戸惑いを覚えた。同じ男に、これほどまでに男を意識させられたことはあっただろうか。
だんだん恥ずかしくなってきてその腕から逃れようとするが、東郷はそれを許さない。
「そんなに俺が好きか?」
「あの……っ」
「まさかお前がなぁ。てっきりストレートだと思ってたよ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
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形式
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