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東郷課長の危険な指先

東郷課長の危険な指先

著: 中原一也
発行: イースト・プレス
レーベル: B−cube
価格:525円(税込)
10ポイント還元
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆17
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著者プロフィール

 中原 一也(なかはら かずや)
 2001年3月、競輪選手×エリートサラリーマンの恋を描いた「そして、風になる」で某新人賞選外佳作受賞。
 雑誌掲載後、同8月に文庫デビュー。オヤジ、青年、年の差、刑事、ヤクザ、やんちゃ受、男前受、等々かなり雑食。時々悪食。

解説

 沢木楓は美形だが生真面目で不器用なメガネ男子サラリーマン。誰もが見惚れるほど女子社員の憧れの上司、敏腕課長の東郷と組み忘年会で芸を披露するハメに。その打ち合せのために東郷のマンションを訪れるが「俺のことが好きだったんだろ」と勘違いされ、東郷の強引さにされるがまま……リーマンラブ!

抄録

「お前、なんで泣いてるんだ?」
「す、すみません。でも……っ、課長にっ、褒められたのなんて、初めてで……っ」
 いわゆる男泣きというのだろうが、それにしてはえぐえぐと情けない嗚咽が漏れ、鼻水は垂れ、沢木は恥ずかしさのあまり手の甲で鼻を押さえながら俯いた。
 嬉しくてたまらない。
 だが―――。
「――ぷ!」 
 そう聞こえたかと思うと、東郷はいきなり腹を抱えて笑い出したのだ。しかも涙まで滲ませている。意外にひどい男である。
「わっ、笑わないでください……っ」
「あははは……。いや、お前の歳でそこまで豪快に泣く男は初めてだよ」
「だってっ、本気でっ、嬉しいんですから……っ」
 そう抗議すると東郷はスポンジを置いて手を洗い、沢木に向き直った。
「あー、悪かった悪かった」
 そう言いながらも、さして反省をした様子もなく頭をくしゃくしゃに掻き回す。
 そして次の瞬間。(……え?)
 力強い腕に引き寄せられたかと思うと、ぎゅうと抱き締められる。
「よしよし、泣くな泣くな」
 東郷からは、ほんのりとコロンの香りがした。大人の男の匂いだ。逞しい腕も厚い胸板にも、戸惑いを覚えた。同じ男に、これほどまでに男を意識させられたことはあっただろうか。
 だんだん恥ずかしくなってきてその腕から逃れようとするが、東郷はそれを許さない。
「そんなに俺が好きか?」
「あの……っ」
「まさかお前がなぁ。てっきりストレートだと思ってたよ」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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