和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>先生
著者プロフィール
剛 しいら(ごう しいら)
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
解説
容姿端麗で成績優秀……生まれながらの支配者・桜川美堂が君臨する学園に、時季はずれの新任教師・松本哮がやってきた。熱血で型破りな松本にイラつく美堂は、学園を追い出すべく画策するが……。傲慢なエリート高校生たちが初めての恋をする、珠玉の学園ラブストーリー!
目次
金のスプーン
銀のスプーン
鉄のスプーン
プラスチックのスプーン
銀のスプーン
鉄のスプーン
プラスチックのスプーン
抄録
「で…何かあったの。松本を辞めさせるのにいいような、決定的な事実が…」
雪村に見せつけるように、僕は足先で美空の口元を軽くつつく。すると美空は待ち兼ねていたように、僕の指先に唇を近づけた。
「美堂…様…」
美空の綺麗な唇が開いて、ピンクの舌が現れた。その舌で、美空は僕の足裏を丁寧に舐め始める。
「雪村。何を見てるんだ。さっさと報告したら」
革製の椅子に座って、両手を指先で組んだ僕は、美空に足を舐めさせたままじっと雪村を見つめる。
雪村のやつ、今すぐにでも僕のもう一つの足にむしゃぶりつきたいんだろうけど、そうはさせない。
まずは報告だ。その内容が気に入らなければ、雪村には当分御(ご)褒(ほう)美(び)はなしさ。
「以前…赴任していた学校で…生徒に手を出したと…」
真っ赤な顔をしながら、雪村は報告する。
何、赤くなってるんだか。きっと今、やつの頭の中では、僕といやらしいことをしたいって気持ちが暴れまわってるんだろうな。
だけど雪村。僕はお前なんかを、最初から相手にする気はない。妄想されるだけでも不愉快なんだよ。
背が高くて、この学園一番のスポーツマン。下級生に人気があるのは認めるけれど、それだけじゃね。
僕の相手としては不足だよ。
「それが原因で退職したようですが」
「ふーん。意外だな。あの松本が、生徒に手を出すなんて…。で、それは女の子。それとも…」
「松本が前にいた学校は男子校です…」
雪村はあまり名前も聞いたことのないような、私立の男子校の資料を僕の前に差し出した。
「一年の男子生徒と危ない関係になって、相手の父親と揉めて、殴り倒したそうです」
「ふーん…」
僕は興信所が作った、あまり出来のよくない報告書に目を通す。
「雪村…。この程度じゃ駄目だ。ほとんどが生徒からの聞き込みだけだ。噂だけじゃ、松本を脅すことは無理だよ」
ちょっと不機嫌になりかけた僕を見て、雪村の顔色はみるみる青ざめていった。
「じ、事実は、義理の父親に性的な暴力をふるわれていた生徒に…同情したってことらしいんですが、殴り倒したことで責任を取って、学校を辞めたんですが…」
「なぁんだ。それじゃ松本の方がいい人になっちゃうじゃないか。雪村…。僕が欲しいのはね。松本を貶(おとし)めて、恥をかかせるような、そんな内容なんだよ。分かってるの、君は?」
「会長…す、すいません」
雪村が真っ青になって俯(うつむ)くのを、足元にいる美空は微笑みながら見つめている。これでしばらくは、僕の足を独り占め出来るとでも思ったんだろうか。
「そうか…」
素晴らしいアイデアが浮かんだ拍子に、美空を思わず蹴飛ばしてしまった僕は、すっと立ち上がった。
美空は自分の舌を噛んでしまったのか、口を押さえて僕を恨めしそうに見上げている。
「それだよ…。やつの弱点はそこだっ」
ふふ。とんでもないアイデアが浮かんだ。
これで目障りなあいつを、この学園から追放出来る。どんな理由でお父様が、松本を桜川学園に就職させたのか知らないけど、こんな事実を見せられたら、いくらお父様でも絶対に追い出すに決まってるさ。
「会長…何を…」
雪村は救われたような顔をする。失敗したら僕の足に当分触れさせてもらえないからね。ほっとしたんだろう。
「素晴らしい演出を思いついた。やつを学園から追い出すんだ。これでもう陳情書に頭を悩ませることもなくなる」
松本をこの学園に呼んだのが、お父様でなければもっと簡単なんだ。あの教師はこの学園の教師として不向きですと、生徒の総意として理事会に進言すればそれで済む。
これまでだって何人もの教師が、それで退職に追い込まれている。
教師のなり手なんていっぱいいるんだ。この学園で支払われる給与は、無名大学の教授クラスよりずっといいんだから。
松本、僕らの力をまだ知らないみたいだね。
*この続きは製品版でお楽しみください。
雪村に見せつけるように、僕は足先で美空の口元を軽くつつく。すると美空は待ち兼ねていたように、僕の指先に唇を近づけた。
「美堂…様…」
美空の綺麗な唇が開いて、ピンクの舌が現れた。その舌で、美空は僕の足裏を丁寧に舐め始める。
「雪村。何を見てるんだ。さっさと報告したら」
革製の椅子に座って、両手を指先で組んだ僕は、美空に足を舐めさせたままじっと雪村を見つめる。
雪村のやつ、今すぐにでも僕のもう一つの足にむしゃぶりつきたいんだろうけど、そうはさせない。
まずは報告だ。その内容が気に入らなければ、雪村には当分御(ご)褒(ほう)美(び)はなしさ。
「以前…赴任していた学校で…生徒に手を出したと…」
真っ赤な顔をしながら、雪村は報告する。
何、赤くなってるんだか。きっと今、やつの頭の中では、僕といやらしいことをしたいって気持ちが暴れまわってるんだろうな。
だけど雪村。僕はお前なんかを、最初から相手にする気はない。妄想されるだけでも不愉快なんだよ。
背が高くて、この学園一番のスポーツマン。下級生に人気があるのは認めるけれど、それだけじゃね。
僕の相手としては不足だよ。
「それが原因で退職したようですが」
「ふーん。意外だな。あの松本が、生徒に手を出すなんて…。で、それは女の子。それとも…」
「松本が前にいた学校は男子校です…」
雪村はあまり名前も聞いたことのないような、私立の男子校の資料を僕の前に差し出した。
「一年の男子生徒と危ない関係になって、相手の父親と揉めて、殴り倒したそうです」
「ふーん…」
僕は興信所が作った、あまり出来のよくない報告書に目を通す。
「雪村…。この程度じゃ駄目だ。ほとんどが生徒からの聞き込みだけだ。噂だけじゃ、松本を脅すことは無理だよ」
ちょっと不機嫌になりかけた僕を見て、雪村の顔色はみるみる青ざめていった。
「じ、事実は、義理の父親に性的な暴力をふるわれていた生徒に…同情したってことらしいんですが、殴り倒したことで責任を取って、学校を辞めたんですが…」
「なぁんだ。それじゃ松本の方がいい人になっちゃうじゃないか。雪村…。僕が欲しいのはね。松本を貶(おとし)めて、恥をかかせるような、そんな内容なんだよ。分かってるの、君は?」
「会長…す、すいません」
雪村が真っ青になって俯(うつむ)くのを、足元にいる美空は微笑みながら見つめている。これでしばらくは、僕の足を独り占め出来るとでも思ったんだろうか。
「そうか…」
素晴らしいアイデアが浮かんだ拍子に、美空を思わず蹴飛ばしてしまった僕は、すっと立ち上がった。
美空は自分の舌を噛んでしまったのか、口を押さえて僕を恨めしそうに見上げている。
「それだよ…。やつの弱点はそこだっ」
ふふ。とんでもないアイデアが浮かんだ。
これで目障りなあいつを、この学園から追放出来る。どんな理由でお父様が、松本を桜川学園に就職させたのか知らないけど、こんな事実を見せられたら、いくらお父様でも絶対に追い出すに決まってるさ。
「会長…何を…」
雪村は救われたような顔をする。失敗したら僕の足に当分触れさせてもらえないからね。ほっとしたんだろう。
「素晴らしい演出を思いついた。やつを学園から追い出すんだ。これでもう陳情書に頭を悩ませることもなくなる」
松本をこの学園に呼んだのが、お父様でなければもっと簡単なんだ。あの教師はこの学園の教師として不向きですと、生徒の総意として理事会に進言すればそれで済む。
これまでだって何人もの教師が、それで退職に追い込まれている。
教師のなり手なんていっぱいいるんだ。この学園で支払われる給与は、無名大学の教授クラスよりずっといいんだから。
松本、僕らの力をまだ知らないみたいだね。
*この続きは製品版でお楽しみください。
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