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白馬の騎士と偽りの花嫁 ディ・シオーネの宝石たち 7

白馬の騎士と偽りの花嫁 ディ・シオーネの宝石たち 7


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンスディ・シオーネの宝石たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニファー・ヘイワード(Jennifer Hayward)
 悩めるティーンエイジャーだったころ、姉のハーレクインをくすねて読んだのが、ロマンス小説との出会いだった。19歳のとき、初めて書いた小説を投稿するも、あっけなく不採用に。そのとき母に言われた「あなたにはもっと人生経験が必要ね」という言葉に従い、広報の職に就いた。名だたる企業のCEOと共に世界中を旅して回った経験が、確かに今の仕事に役立っているという。2012年、ハーレクインの新人作家コンテストで入賞し、ついにデビューを飾った。カナダ、トロント在住。

解説

乙女の窮地を救う騎士のごとく現れた彼。その姿は偽り、それとも真実……?

まもなく結婚式が始まるというのに、花嫁姿のミーナは泣いていた。花婿は、かっとなるとすぐに暴力を振るう卑劣な男だが、借金を返すためには、彼と結婚する必要があるのだ。するとそこへ、見覚えのあるハンサムな男性が訪ねてきた。ネイト・ブランズウィック──ホテル客室係のミーナが担当する、スイートルームに泊まる大富豪だった。彼はミーナの話を聞くと、驚くべき提案をした。「僕と結婚すればいい。決めるのは君だ」ミーナはネイトを信じて簡素な式を挙げ、彼の屋敷へ逃げ延びた。数カ月後、妊娠した彼女は夫の本心を知り、深く傷つくことに……。

■作家競作8部作〈ディ・シオーネの宝石たち〉第7話は、ディ・シオーネのきょうだいたちとは母親違いのネイトと、貧しいホテル客室係ミーナとの甘く切ないロマンスです。最終話もお楽しみに!

抄録

「このまま結婚を続けるということ?」
「それ以外に方法はない」ネイトが二つのグラスにシャンパンをついだ。「僕はどうしても祖父のもとにあの指輪を届ける必要がある。そして君は守られる必要がある。だから僕たちは一年間一緒にいて、最初の計画どおりお互いに必要なものを手に入れよう」
 ミーナの胸に安堵が広がった。「迷惑はかけたくないから、あなたのホテルで働かせてもらって、自分の生活費を払うわ。私はとても優秀な客室係なのよ」
「君は客室係にはもったいない」ネイトがシャンパンをついだグラスを彼女に渡した。「あの日、ホテル・ジャルソで、君はとても斬新な考えを持っていることを僕に証明した。君にはすばらしいアイデアがある。一年間、僕の下で見習いとして働いてみないか?」
「見習い?」グラスの柄を持つミーナの手に力がこもった。
 ネイトがうなずいた。「僕は世界じゅうに展開する高級ホテルチェーンを所有している。君がこの仕事について学びたいなら、必要なことはすべて教えてやれる」
 ミーナは顔をしかめた。「どうしてそんなことをしてくれるの? だって、あなたは忙しくてそんな暇はないはずでしょう?」
 ネイトはシャンパンのグラスを持ったまま、手すりにもたれた。「僕はある人にチャンスを与えてもらったおかげで仕事を始められた。だから“厚意は次の人につながっていく”という言葉を信じているんだ」
 それを聞き、ミーナは考えた。私に選択肢はほとんどない。お金もなく、帰る家もない。ネイトと一緒にシチリアを離れるとき、私は自分の力で生きていこうと決心した。もう誰にも振りまわされない、独力で成功しようと。だとしたら、今は前に進むしかない。
 ネイトは、父の志を継ぐという夢をかなえるチャンスを与えてくれている。これは一生に一度の、最良の人物と一緒に仕事ができる機会だ。彼は私に見込みがあると思ってくれているのだから。私のことをただかわいいだけの女だと見下していた母と違って。
 心から望んでいたとおりに自分を認めてもらえたことで、ミーナの中に温かい感情が広がり、頬がほてった。だが同時に、ネイトの下で見習いとして働くと思うと気おくれし、不安が心に忍び寄った。恐れと興奮の混じり合った感情が。でも、私はネイトを信頼している。今日は途方もない一日だったけれど、本能的に彼を信じていた。私のせいでとんでもない厄介事に巻きこまれたのに、彼は私を助けることを一瞬たりともためらわなかった。確かに彼はあの指輪を欲しがっている。でも、それだけではない。見た目は荒っぽいけれど、彼には思いやりがある。
「なんて言えばいいかわからないわ」ミーナはようやく口を開いた。「あなたは尊敬に値する人よ、ネイト・ブランズウィック。|ありがとう《グラツイエ》」
「尊敬になど値しない」ネイトの瞳に暗い光が宿った。「そのうち君も僕のことをひどい男だと思うようになるだろう。僕は冷酷な実業家で、金を稼ぐためならなんでもする。買収したホテルが思い描いたとおりにならなければ、即座につぶす。女性とベッドをともにしても、飽きたらすぐに追い出す。もし僕の提案を受け入れるなら、何を学ぶことになるか知っておいてくれ。僕が教えるのは礼儀正しいやり方ではなく、熾烈な競争の勝ち抜き方だ」
 これは警告なのに、なぜ奇妙な震えが体を走るのだろう? ミーナはネイトと目を合わせたまま、肩にかけたショールをつかんだ。すると彼が一歩前に踏み出し、ミーナの顎のラインを指でたどった。
「見習いとして働く場合、君に受け入れてもらわなくてはならないルールその一は、僕をそんな目で見ないことだ。僕たちは厳密に仕事上だけの関係を保つ必要がある。一年後、二人とも望みどおりのものを手に入れて、別れられるように」
 血が熱くたぎり、ミーナは目をそらした。「あなたは私のことを誤解しているわ」
「いや、違う」ネイトがミーナの耳元に唇を寄せた。「僕は君よりずっと経験が豊富だ。サインは読み取れる。あの日、ホテルの部屋でもはっきりとわかったし、今もわかる」
 ミーナは震えながら息を吸いこんだ。これ以上反論しても無駄だろう。実際に肌は火がついたように熱くなり、膝から力が抜けているのだから。
「このまま僕たちがベッドをともにしたら」ネイトが物憂げに言った。「今日という日はもっとひどい災難になるだろう。だから僕たちは仕事上に限ったパートナーになるんだ」彼はグラスを掲げた。「どうかな?」
 ミーナは必死に正気を保った。「この結婚は名目だけで、私たちは仕事上の協力関係を築く。世間にはどう見せるの?」
「本物の結婚のように見せる」ネイトが肩をすくめた。「それで困ることもないだろうし、シルヴィオの件もあるからね」
「一つききたいんだけど……」ミーナは頬をほてらせた。「私たちがベッドをともにしないなら、その……あなたはどうやって……」
 ネイトの口元によこしまな笑みが浮かんだ。「欲望を解放するか? 方法はたくさんある。だが、もし楽しむならこっそりするよ」
 ミーナは唇を噛みしめた。「そう」そして、グラスを掲げた。「グラツィエ、ネイト。あなたの提案を受け入れるわ」
 どうやらそれほど高潔な人物でもないらしい夫は、彼女にグラスを向けた。「では、明日から始めよう。今夜はぐっすり眠ってくれ。さもないと僕の見習いは務まらない」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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