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切なすぎる婚約劇

切なすぎる婚約劇


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャシー・ウィリアムズ(Cathy Williams)
 トリニダード・トバゴの出身で、トリニダード島とトバゴ島、二つの島で育つ。奨学金を得てイギリスに渡り、一九七五年エクスター大学に入学して語学と文学を学んだ。大学で夫のリチャードと出会い、結婚後はイングランドに暮らす。テムズ・バレーに住んでいたが、現在は中部地方在住。夫との間に三人の娘がいる。

解説

幼い子供を守るためとはいえ、不釣り合いな私がフィアンセ役だなんて!

「どういうこと、レオ? 本気のはずがないわよね」サミーはレオが差し出した婚約指輪を見て、そうきいた。彼はプロポーズしているの?よく知りもしない、隣人の私に。レオは世界的企業を経営する億万長者。私は地味な小学校教師。いぶかるサミーに、レオは途方もない偽りの婚約話を持ちかけた。亡き弟の娘の親権を取るために、社会的信用が欲しいのだと。代わりに、彼女の病弱な母が抱える住宅ローンを全て支払うと。そして、本物の恋人には絶対になりえない、君が適任だと……。密かに憧れたこともある人の残酷な申し出に、サミーは震えた。

■1996年の日本デビュー以来、ハーレクイン・イマージュとロマンスから作品を発表しつづけているている大御所キャシー・ウィリアムズ。ゴージャスで男らしいヒーローと、見かけは冴えないけれど、しっかり者で思わず応援したくなるヒロインのシンデレラ物語が人気です。

抄録

「ショーンとルイーズが命を落としたあと、子供はイギリスへ来て僕と暮らすものと思われていた。ルイーズの家庭は複雑で、アデルを育てられる親類はいそうになかった。ルイーズの母親はいるが……なんというか、変化に富んだ人生を送っているらしくて」
「うわさは聞いているわ」
「父は毎月、ルイーズの母親から手当を催促されている。ショーンの母親との離婚が成立してからも、元の息子には長年にわたって送金していたが、それとは別にだ」
「お父さんはやさしい心の持ち主なのよ」サミーは温かな口調で言った。
「やさしいとは、お人よしと紙一重だ」レオがつぶやくと、彼女は異を唱えるように顔をしかめた。
「送ったお金はとても役に立ったはずだわ」
「当然そうだろう」レオはそっけなく答えた。「問題は、誰の役に立ったかだ。しかし、もうどうでもいい。過去の話だから。今は目の前の問題に取り組まなければならない。そこで、婚約指輪の話になるわけだ」たしかに、サミーにとっては驚きであり、ショックでしかないのはわかる。だが、怖がられるいわれはないはずだ。婚約が本物だろうと嘘だろうと、ダイヤモンドを自分の指にはめられるのを、大喜びしない女性はいない。
 しかし今、目の前に座っている女性は、嫌悪に顔をしかめて指輪の小箱を見つめている。まるで、なにか悪いものをうつされるとでもいうみたいに。
「父が最近、不愉快なメールを受け取った。常識も、子供のためになるとも思えないその文面によると、アデルはオーストラリアでショーンの義母と暮らすと書いてあった。明らかに、アデルを手元に置いておくのが得策だと考えたんだ。子供の保護者である限り、父からの送金は続くから。ちなみに、実際金を出しているのは僕なんだ。君が知っているかどうかはわからないが、父が執筆に興味を持てなくなってもう長い。しかしいくら僕の家業が順調でも、ショーンの義母といつまでも金のつながりを持っていたくない」
「その話が、私となんの関係があるのかしら」サミーは正直に言った。
 ここ数年、レオとこんなに長く話をしたことはなかった。冷静で落ち着いた態度を必死にとってはいても、気持ちは正反対なのがサミーは悔しかった。心の中は冷静でも、落ち着いてもおらず、すっかり取り乱していた。
 五感は警戒するよう訴えている。けれど、サミーにはその理由がわからなかった。
 たまたま相手が途方もなく魅力的だからといって動揺するほど、私は未熟な女ではないはずだ。教師として責任もかかえているし、人生経験もじゅうぶん積んでいる。なのに、その人生経験が告げている。本当のレオは、容姿だけがすてきな男性ではないと……。
 それでも……。
 恋愛の分野にかけては、私は経験が全然足りない気がする。だからレオを見つめているだけで、肌がざわめくのかもしれない。
 母親の介護については、この一年半で多くの経験を積んだ。医師や病院、看護師とのやりとりも全部心得ているし、はっきり意見を言うことも覚えた。なぜなら母は、自分も看護師だったのに、今では恐怖と混乱にすっかり支配されていたからだ。そして頼れる強い誰かを、つまり娘のサミーを必要としていた。
 サミーは手に負えない小学生の世話を焼き、羊のようにおとなしくさせる経験もたっぷり積んでいた。銀行の支店長と話し合い、何時間もかけて妥協点を見つけたあとは、苦労して母を励まし、住宅ローンの支払いが遅れても家は大丈夫だと説得した。そんな中でも、サミーはユーモアのセンスを忘れず、物事を冷静に見るよう精いっぱい努力していた。
 ところが今は、まったく経験のないことに直面していた。
 これまで縁がなかったせいで、恋愛という分野については漠然とした、あいまいな知識しかなかった。なぜなら、真剣に交際したボーイフレンドは二人いたものの、サミーはまだ誰ともベッドをともにした経験がなかったからだ。
 ボーイフレンドは二人とも魅力的で、とても好きだった。どちらも申し分のない相手で、不満な点などなかった。なのに……どうしても最後の一線を越えられなかった。
 ピートと別れた一年半前から、サミーは自分に悪いところがあるせいだとあきらめていた。でも、遺伝子に欠陥があるかもしれない、子供のころから父親の存在がなかったせいだろう、などと考えるのはばかげたことだった。
 だから、原因や可能性についてあれこれ頭をめぐらせるのはとっくにやめていた。
 そんなごくささいな分野で経験のないことが、世の中の大きな仕組みからすれば取るに足りないことなのに、レオのような男性に無防備になってしまう理由になるとは思ってもみなかった。彼はセクシーで、目を見張るほどハンサムで、けだるげな、相手を値踏みするような魅惑のまなざしを向けてくる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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