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公爵に捧げた無垢な恋

公爵に捧げた無垢な恋


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アンナ・デパロー(Anna DePalo)
 幼いころから本が大好きだったアンナはすぐに書く楽しみを覚えた。ハーバード大学で政治学と法律を学び、今は執筆活動をしながら知的財産担当弁護士として働いている。趣味は読書や旅行、古い映画の鑑賞。本作品がデビュー作で、ロマンティックタイムズ誌の二〇〇三年度新人賞を受賞した。ニューヨーク在住。

解説

初恋を捧げた一夜の恋人が、まさか億万長者の公爵だったなんて……。

ピアは親友の結婚式に現れたタキシード姿の男性を見て、目をみはった。ジェイムズ! なぜ彼がこんなところにいるの?アドニスを彷彿させる美貌。誘惑するような瞳――間違いない。3年前、ひと目で恋におち、バージンを捧げた翌朝、私の前から突然、姿を消したひと。その彼を、ホークシャー公爵だと参列者から紹介され、ピアは唖然とした。公爵ですって?あの夜、彼はそんなことはひと言も言わなかった。ジェイムズが皮肉っぽい笑みを浮かべ、再会は偶然だとピアに告げる。彼に惑わされてはだめ。私はただの火遊びの相手だったのよ。けれどピアの胸に、めくるめく熱い夜の記憶はよみがえり……。

■D−1745『伯爵のかりそめの妻』に続く関連作をお楽しみください。突然の再会に揺れるピアを弄ぶような言動をとる公爵。彼の真意とは?冒頭のセンセーショナルなシーンに登場する、ピアの親友ベリンダと、イースターブリッジ侯爵の恋物語へと続きます。

抄録

 わくわくするわ。こんなふうに男性と気のおけないやりとりを楽しむのは初めてだ。事実わたしは女優でも証券レディでもないし、モデルでも広告ウーマンでもファッション誌の敏腕編集者でもないのだから。「わたし、イベント業界で働いているの」ピアは言った。「パーティプランナーよ」
「なるほど」ジェイムズの瞳がきらりと輝いた。「パーティガールか。いいね」
“パーティガール”という言い方には語弊がある。“パーティをプランニングする仕事”ではなくて“会場で愛嬌を振りまくコンパニオン”みたいに聞こえかねない。
「あなたはなんの仕事をしているの?」今度はピアが質問を返した。
 彼は姿勢を正して、背もたれから腕を下ろした。「どうということもない、平凡な一市民さ。残念なことにつまらない金融関係の仕事をしている」
「ぜんぜん平凡には見えないけど」ピアはうっかり口を滑らせて、あわてて口を閉じた。
 ジェイムズがまた微笑んだ。えくぼが浮かぶ。「そう言ってもらえて嬉しいよ」
 ピアはカクテルグラスを上げてひと口飲んだ。彼の笑顔は、それにときおり見せるえくぼは、わたしの心に不思議な細波を立てるわ。
 ジェイムズがわたしをしげしげと見ている。彼との距離はほんの数センチだ。わたしは気にならないふりをしているつもりだけれど。
 ジェイムズはピアの鎖骨の辺りをじっと見つめた。「おもしろいペンダントをしているね」
 ピアは視線を落とした。スターリングシルバーのペンダントで、飛び魚がモチーフになっている。
 ピアは頬を赤らめた。ターコイズブルーのワンピースに飛び魚のペンダントだなんて、まるで魚が一匹だけ泳いでいる池みたいに見えそうだ。
 ああ、失敗したわ。今朝、服を選んだときになぜ気がつかなかったのかしら?
 ピアの思いとは無関係に、ジェイムズはまじめな顔をしている。純粋に好奇心をそそられたらしい。
 ピアはペンダントに視線を落とした。「友達のタマラからもらったの。彼女はニューヨーク在住で、とっても優秀なジュエリーデザイナーなのよ。わたしが釣りが好きだから」
「僕の好みだ」
 ピアは驚きを抑えて、もう一度自分に言い聞かせた。釣りに興味があるのね。わたしがずっと夢見ていた理想の男性だもの、当然と言えば当然だわ。
「あなたは釣りをするの?」つい尋ねてしまった。
「三歳か、四歳のころからね。きみはどんな魚を釣るのかな?」
 面はゆいような、わくわくするような思いでピアは言った。「あら、どんな魚でも釣るわよ。わたしが育ったペンシルバニアの西部には湖がたくさんあるの。えさのつけ方と釣り糸を投げる方法は、父と祖父から習ったわ。乗馬や牛の乳搾りもね」
「乗馬か。ますますいい。僕は歩く前から馬に乗っていたよ」彼は目を輝かせた。「乳搾りについては、さすがに僕もした記憶はないが」
 ジェイムズの言葉に、ピアの顔が真っ赤になる。
「だけど、オーストラリアの牧場で、羊の毛を刈る体験はしたことがある」
「まあ。じゃあ、わたしの負けね」
「よかった」彼はさらりと言った。「羊なら雌牛に負けないと思ったよ」
「フライ・フィッシングだってするのよ」
 ジェイムズが微笑んだ。「日がな一日、防水長靴を履いて、魚が食いつくのをじっと待ちたがる女性はあまり見かけないね」
「木の枝にいるカメレオンみたいに、じっと動かずにいられるのを見せてあげましょうか?」
「そうしたら僕は、きみの長靴に蛙を投げこみたくなるだろうな」彼はいたずらっぽく言った。
「ずいぶん意地悪ね! 同じ手を使って、妹さんかお姉さんをいじめたりしなかったでしょうね?」
「残念ながら、そのチャンスには恵まれなかった」彼は寂しそうな顔をした。「年の離れた妹はいるが、僕が悪さをしたら母親に叱られただろうな」
「たぶんね。それにもし、あなたがわたしにそんな悪さを仕掛けてきたら、わたしだって――」
「どうする?」ジェイムズはおもしろがっているらしい。
「腰を抜かすようなお返しをしてあげるわ」
「おとぎばなしのお姫様なら、真実の恋を見つけるために蛙と仲良くしておかないとだめだろう?」ジェイムズが無邪気に言った。
「仲良くするんじゃなくて、お姫様は蛙にキスをしなければいけなかったのよ。王子様にかけられた魔法を解くためにね。でも二十一世紀にもなってそんな考え方は古いわ。キスをした相手がつまらない男性だったら、わたしにはすぐわかるもの」
「じゃあ、ちょっと試してみないか?」
 有無を言わさずに、ジェイムズが顔を近づけた。彼の唇が優しく彼女の唇に触れたとき、ピアは一瞬、電気が走ったようなショックを受けた。彼女は息を吸おうと唇を開いた。するとジェイムズの唇が覆いかぶさってきて、ピアの唇を味わい、感触を確かめながら、声にならないやりとりを続けた。
 ジェイムズの唇は柔らかかった。キスの間、ピアは彼の飲んだマティーニの味をかすかに感じた。温かな唇の優しい刺激に意識を集中させるうちに、辺りの喧噪が遠のいていく気がした。
 キスがさらに情熱を込めたものになりかけた矢先にジェイムズが身を引いた。「どうだった?」感慨深げに、うっとりした表情を浮かべている。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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