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許されない口づけ【ハーレクイン・セレクト版】

許されない口づけ【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ルーシー・モンロー(Lucy Monroe)
 アメリカ、オレゴン州出身。姉の影響でハーレクインのロマンス小説を読み始めた。大学在学中に“生涯でいちばんすてきな男性”と知り合って結婚し、子供が生まれてからは母親としての道を選んだ。十八歳の夏に家族で旅行に行ったヨーロッパが忘れられず、今も時間があれば旅行を楽しんでいる。

解説

サヴァナはギリシア人の夫に嫁いだが、結婚生活は散々だった。夫は自らに問題があることを棚に上げて息子が生まれないと責め、何人もの愛人を作ったあげく、そのうちの一人と事故死した。亡くなったその女性は、よりにもよって夫の従兄の妻――ギリシアでも名高い大富豪レアンドロスの妊娠中の妻だった。かつてレアンドロスはあるパーティで出会ったサヴァナに、まさか従弟の妻とは知らず一方的にキスをしたことがある。恐ろしくハンサムな彼は、冷たくサヴァナを見据えると、妻と跡継ぎを失った責任を負うよう迫った。「君には、僕と結婚して、僕の息子を産んでもらう」

■この作品でHQロマンス初登場を飾ったルーシー・モンロー。ギリシア人大富豪ヒーローに翻弄されるヒロインと、愛と憎しみが紙一重の激しい情熱を見事に描ききり、一躍ハーレクインの人気作家に躍り出ました。そんな記念すべきデビュー作です。
*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 いつもは抑えている怒りがサヴァナの自制心を突きくずそうとした。「二人がキリアキス家の血筋かどうか疑ったのは私じゃないわ。非難したいことがあるなら、まずはあなたの従弟の異常な嫉妬心に目を向けるのね。それが原因で、彼のお母さんがエヴァはキリアキス家の人間ではないと断言して、認知するのを拒んだのよ。ニッサにいたっては、ヘレナもサンドロスも会おうとさえしなかった。私がギリシアを離れるまでの半年間も、そのあとも」
「君には好都合だな。娘たちが家族と疎遠になるために君が果たした役割をさっさと忘れられるんだから。潔白だという君の主張を覆すことができるディオンはもうこの世にいないし」
 なんて人なの。もちろん、彼は私を疑ってかかっている。なにしろ従弟が彼に嘘をつくはずはないのだから。ディオンの嫉妬から生じた妄想を、頑固なまでに忠実な彼の家族は真実と思いこんだのだ。その忠誠心たるや尊敬に値する。とはいえ、私がその犠牲になる道理はない。私がここまで成功するにはそれなりの努力をしてきたのだ。せっかく築きあげてきた基盤をレアンドロスの辛辣な言葉で台なしにされてなるものですか。
 月々の手当に関しては、あらためて話しあうしかない。
 サヴァナは立ちあがった。「疲れたから、もうやすませてもらうわ」
「実に堂々とした退却ぶりだな。どうしたんだ、サヴァナ、そんなに真実がつらいのか?」
 彼女は体のわきで両手を握りしめ、必死に怒りをこらえた。「キリアキス家の人間は自分たちの妄想どころか、真実にも興味がないのね。私にはあなたの妄想を変えられる望みはなさそうだから、試してみようとも思わないけど。だからといって、その妄想に基づいたあなたの中傷を黙って聞くつもりはありませんから。おやすみなさい」
 サヴァナはきびすを返した。
 いつのまにかレアンドロスが隣に立ち、長い指で彼女の腕をつかんでいた。「そう簡単に僕から逃れられると思うな。ディオンはおとなしい愛玩動物のように退けることができたかもしれないが、彼に比べたら僕は狼だから、覚悟するんだな」
「お願いだから放して」彼女の態度はもはや堂々としたものではなかった。
「まだだめだ。しなければならないことがある」
 殴るつもりかしら?
 しばらくのあいだ、腕をつかまれたままサヴァナは微動だにしなかった。「何?」
「空港で歓迎のキスをするのを忘れていた。その手落ちを訂正してもいいころだと思わないか」
 サヴァナは唖然とした。初めての悲惨な出会い以来、二人は握手さえ交わしたことがなかった。空港で伝統的な出迎えをしなかったのも当然だ。
「訂正しなければいけない手落ちなんてないわ」
 レアンドロスは彼女を自分のほうに向かせ、片手を顎に当てた。「それがあるんだ」
 サヴァナは抗議しようとしたが、彼の顔が近づいてきて、温かい唇がかすかに頬をかすめた。
「おかえり、サヴァナ」
 これほど男性と接近したときにいつも感じる恐怖心に襲われるかと思ったが、リムジンのなかでもそうだったように、サヴァナの体は逃げだしたいという反応を示さなかった。だが、心はたしかに恐慌状態に陥っていた。それというのも、彼がもう片方の頬にキスしたとき、サヴァナは顔の向きを変え、頬へのプラトニックなキスではなく、まともに唇にキスされたいという許しがたい衝動にかられたのだ。彼女はその衝動に逆らい、腕をつかまれたまま動かずにいた。
 キスが終わっても、レアンドロスは離れようとしない。緊張に満ちた沈黙のなか、彼女のそばに立ちつくしている。
「挨拶を返してくれないのか?」
 サヴァナは言われるままにした。恐怖と不信感しかもたらさない男性と過ごしてきたあとで、彼女が感じた欲望は新たな経験だった。その欲望がなんの考えもなく行動させたのだった。レアンドロスが顎から手を離すと、サヴァナは彼の左の頬に、次いで右の頬にキスをした。
 清潔な彼の肌の味、コロンのかすかな香りを楽しむ。彼女はもう一度キスしたかったが、我慢した。次に彼がどう出るか、見守ったほうがいい。
 長くは待たされなかった。彼は喉の奥で言葉にならない音をさせたかと思うと、まだうずいているサヴァナの唇を覆った。
 目を閉じると、頭のなかで火花がはじけた。彼の力強い体から安全な距離を保っていた次の瞬間にはぴったりと体を添わせ、両手を首にまわしていた。
 侵入しようとする舌を一瞬のためらいもなく迎え、彼がリードするままにエロチックな攻防戦を繰り広げる。あまりに長いあいだ飢えていた体は、触れられる喜びに抵抗できなかった。彼に寄り添っているのがこのうえなく心地いい。
 情熱に飢えたサヴァナの唇は、不老不死になると言われる果実アムブロシアのような味がした。自分を抑えなければという意思は跡形もなく、レアンドロスは本能と欲望の赴くままに行動していた。どちらも、このつかのまのキスから尻込みするなと彼をかりたてる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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