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蜜恋エロティック・クルーズ〜貴公子は溺れるほどの愛を囁く〜

蜜恋エロティック・クルーズ〜貴公子は溺れるほどの愛を囁く〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

俺に触れられるのを待っていた……だろ?
紺碧の海の上で甘く淫らに蕩かされる……マリーナ・ラブ

「認めろ、俺に触れられて感じていると」侯爵家のエドワードとの婚約が決まったアンリだが、彼は社交界でも悪い噂の絶えない人物。成り行きで停泊していた船に乗り込み家出してしまうが、そんな彼女を船主のエディは呆れながらも受け入れる。粗野なようでいて、どこか気品のあるエディに惹かれていくアンリ。だけど、この関係には未来がなくて!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「お、お嬢さんじゃありません! 私はもう、十八歳です」
 アンリが反論すると、青年は「へえ」と目を細め、じいっと瞳を覗き込んでくる。
「な、なんですか?」
「もう、お嬢さんじゃないんだろ? だったら……こんなことをしても平気か」
(え?)
 言葉の意味を聞こうとするが、アンリは質問する隙を与えられないまま抱き寄せられ、あっという間に唇を奪われていた。
(……!?)
 温かい唇がアンリの唇を塞ぎ、呼吸がうまくできない。初めての経験に、心臓がばくばくと脈打ち今にも破裂しそうだ。
「……んっ、ん……はあっ」
 青年は一瞬だけ唇を離すと、今度は角度を変えてもう一度、唇を重ねる。
「んっ……ん、んっ……」
 青年はそのまま空いている手を後頭部に回し、逃げられないようにアンリを固定した。
「……っ……んっ……っ」
(や、やだ……!)
 アンリはさすがにこのままではいけないと思い、なんとか逃げようと手で青年の胸を押すが、たくましい身体は微動だにせず、その腕から逃れることができない。
「……んっ……あん……っ」
(どうしよう、逃げられない。それに、息が苦しい……)
 強引な口づけに息が上がりそうになり、大きく息継ぎをしようとした瞬間──
 うっすらと開いた隙間へと強引に青年の舌が割り込んできた。
(し、舌が!)
「ん……っ!!」
 驚いて身体を震わせるが、青年の舌は口腔内へと侵入し、アンリの舌を絡めとろうとする。
「はあ……あんっ……」
 アンリは青年の舌を押し返そうとするけれど、それは彼女の抵抗をうまくいなして絡めとってしまう。
 そしてアンリの舌を堪能するように、ざらざらとした舌の表面を丹念に擦り合わせると、そのままの勢いで上顎の裏や頬の内側などを激しく蹂躙してくる。
 口づけが深まるほどに、初めて感じるぞくぞくとした感覚が背筋を這い上ってきて、アンリはどうしていいのかわからない。それに合わせて身体の力が抜けてゆき、立っていることさえ難しくなる。
「ふ……っ……ん」
 いつの間にかアンリは、もたれかかるように青年に身を預けていた。
 唇を触れ合わせたまま、青年がふっと笑う気配がするが、口づけはまだ終わらない。
 人々の歓声と、賑やかな音楽が遠くから微かに聞こえてくる。
 音に反応して閉じていた目をうっすらと開けると、アンリの反応を探るようにじっと見つめている碧い瞳が近距離にあった。
 途端にアンリの身体がかっと熱くなり、なんとも言えないむずむずとした感覚が下腹部に広がってゆく。
「やんっ……ん……」
「もっと力を抜け。俺に任せろ」
「あ……んっ……」
「声がどんどん甘くなっていくな……そうだ、それでいい……」
(ああ、だめ。こんなのって……やめて……)
「あ……やめっ……」
 アンリはどうにか声で伝えようと思うが、青年の容赦ない口づけが抵抗を許さない。
「はっ……あ……ああ……」
 アンリにとってのキスの経験は、両親や兄弟、そして親しい友人と頬にかわす程度の軽いものばかり。大好きな本の影響で、初めての口づけはロマンチックなシチュエーションを……なんて夢を見ていたのに。
 それなのに──。
(こんなの、知らないっ!!)
 濃厚な口づけに翻弄され、アンリの眦に涙が光る。
 アンリの目の前には正体不明の仮面の青年。
 そして、望んでいない強引な口づけ。
 ここには、アンリが望んでいたようなロマンチックな口づけの欠片なんて全くなかった。
「あっ……んんっ……」
(怖い)
 アンリの鼻の奥がつんと痛み、涙が出そうになる。
 すると、青年が異変に気がついたのか、そっと唇を離しアンリを見つめてくる。煌めく碧い瞳に情欲の色が見てとれ、アンリはお腹の奥がきゅんっと疼くのを感じた。
(どうして、こんな……)
 先ほどから感じる、わけのわからない感覚に混乱し、それを否定するようにアンリはふるふると首を振る。
 そんな彼女を、青年はどこか楽しそうに口角を上げ見下ろした。
「どうした、何を泣きそうになっている。まさか、この程度の口づけに戸惑っているのか。さっきの勢いはどこにいってしまったんだ?」
 挑発するような言い方に、アンリはつい涙目で睨みつけた。
(この人、私を子供だと思ってバカにしているのね!)
 感情のままに睨みつけると、青年はおもしろそうに笑い、その碧い瞳でまっすぐにアンリを見返してくる。
「まだ反抗心はあるみたいだな。でも、もう限界だろう? さあ『怖い』と素直に言ったらどうだ? そうしたら、この手を放してやる」
(本当はすごく怖い……でも、こんな言われ方をしたら負けを認めたくなくなる)
 今にも心は折れそうなのに、アンリはここで負けたら自分が愚かな子供だったと認めることになってしまうと思い、素直になれない。
 唇を噛みしめ、無言のまま青年を睨んでいると──。
 やがて数秒間ののちに、青年の瞳が一瞬揺れた。
(あ……)
 青年が再び顔を近づけてきて──。
(また口づけられてしまう!)
 口づけを避けるようにアンリは顔を背けるが、青年の唇は予想外の場所へと移動し、柔らかい唇が目じりにそっとあてがわれ、舌先で涙を舐めとられる。
 温かな舌の感触に、ふるりと背筋が甘く震えた。


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