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忘れえぬ情熱【ハーレクイン文庫版】

忘れえぬ情熱【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ジャクリーン・バード(Jacqueline Baird)
 趣味は油絵を描くことだったが、家族からにおいに苦情を言われ、文章を書くことにした。そしてすぐにロマンス小説の執筆に夢中になった。旅行が好きで、アルバイトをしながらヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを回った。英国に戻ったときに結婚。二人の息子に恵まれ、現在も生まれ故郷のイングランド北東部に夫とともに暮らしている。「二人のバレンタイン」と「恋は強引に」がお気に入りの作品だという。ロマンティックタイムズ誌の賞の受賞歴があり、ベストセラーリストにもたびたび登場する。

解説

熱い視線を感じて目をやり、ウィローは釘づけになった。そこには、彼女の運命を狂わせたギリシア人富豪テオがいた。女性なら誰もが夢中になるような男性に、情熱的に求められては、未経験の娘などひとたまりもなかった。まだ18歳だったのだ。だが、純潔を捧げたすぐあとに、テオに婚約者がいると知らされ、屈辱に震えながら、逃げるように彼のもとを去った――今、テオは目をきらめかせ、自信に満ちた足取りで近づいてくる。あの日にできた、子どもの存在だけは知られたくない。ウィローは内心の動揺を気取られないよう、視線を引きはがした。
*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 キッチンに入り、ドアを閉めて振り返ったとたん、テオは立ちすくんだ。二十八歳の今になるまで会ったこともない女性がそこにいる……。
 彼女は戸口に背を向け、毒々しい色の液体を瓶から流しに捨てていた。長いつややかな黒髪が背中で波打っている。張りのあるヒップを超ミニの黒いスカートがかろうじて包み、その上には白い素肌が女らしい丸みのある腰までのぞいている。おまけに脚ときたら……。テオは息をのみ、ズボンのポケットに手を突っこんだ。こんなにすばやく体が反応したのは、いつ以来だろう。彼女の脚は実に長くて、抜けるように白い。
「やあ、こんばんは」テオはかすれた声で物憂げに言った。わざとかすれさせたわけではない。彼女の背後に近づくうちに息がつまったのだ。
 深みのある男性の声を聞いてウィローは瓶を落とし、さっと振り向いた。唇を開いたが、声が出ない。これまで会ったこともないほど魅力的な男性が近づいてくる。長身の体に、タックの入ったクリーム色のズボンと青いボタンダウンのシャツというくだけた格好。たくましい体はブロンズ色に日焼けし、力強いエネルギーを放っている。まっすぐな黒髪は、あと少し長ければ遊び人に見えるような絶妙なバランスの髪型にカットされている。
 まさに十代の女の子が夢見る男性そのものだ。その唇にゆっくり笑みが浮かぶと、ウィローは胸がときめき、胃がひっくり返った。
 ひと目惚れについて読んだことはあるけれど、本気にしていなかった。彼と目が合い、黒い瞳に自分が映っているのを見て、これこそひと目惚れだとウィローは実感した。彼に心のなかまで見透かされているようで、二人の強いつながりを感じる。彼女の体に震えが走った。
 彼が何か言っている。ウィローは喉がつまって答えられなかった。興奮に体がぞくっとし、相手を見つめるばかりだ。こんな経験は初めて。きっと恋よ。ほかに考えられる?
 彼女が振り向いたとき、テオは完全にショックを受けていた。きらきら輝く青い瞳は、真っ黒なアイラインと濃いマスカラで縁どられている。けばけばしい青いアイシャドーに真っ赤な唇。透きとおるような白い素肌と正反対の厚化粧。
 彼女のむきだしの肩は脚と同じく真っ白だ。テオの視線は、ぎらついた銀色のブラジャーが強調する形のいい胸のふくらみに、それから平らなおなかへと移動した。申し訳程度のスカートなので、おへそが丸見えになっている。そこに宝石がはまっているのを見て、彼は息をのんだ。厚化粧はともかく、彼女はセクシーそのものだ。
「きみみたいにきれいな娘がキッチンに隠れていちゃいけないな。ぼくはテオ・カドロス、アンナの兄だ。きみは?」彼は手をさしだした。
 間近で見ると彼女の瞳は驚くほど真っ青で、一瞬本物のわけがないとテオは思った。だけど、この際それはどうでもいい。彼女の体に悩殺されそうだ。彼女は何も言わず、ただ目を見開いている。
「ここに泊まっているの?」新しい入居者かもしれない。「それとも、ぼくは幻を見ているのかな。口がきけないのかい?」テオがほほ笑むと、彼女は目をしばたたいた。
「ウィローよ。ええ、ここに泊まってるわ」彼女は落ち着いた声で礼儀正しく答え、ほっそりした上品な白い腕をさしだした。その手をとったテオは電流に打たれた。
「|柳《ウイロー》か。きみにぴったりだ」均整のとれた彼女の体を眺める。アンナの同居人とは関係を持たないという鉄則など、どこかへ吹き飛んだ。「ぼくと踊らないか、ウィロー?」
「だめよ」彼女は静かに答えた。「あの人たちみたいに踊れないもの」首を傾けてドアのほうを見る。長い髪が片方にたれた。
「ぼく流のやり方で教えてあげるよ」それは踊りのことを言ったのではなかった。彼女の肌はなめらかで、鼻は形がよく、官能的な唇はふっくらしている。目をみはるほどの美人だ。テオは猛烈に彼女が欲しかった。理性はとうに消えうせ、彼女の服のセンスがおかしいことも問題ではなくなった。
 いかれた踊りに興じているカップルたちをよそ目に、テオはウィローを抱いた。彼女は彼の腕にすっぽりおさまった。髪に顔をうずめると、もぎたてのりんごの匂いがした。彼が知っているどんな香水とも違う彼女だけの匂い。音楽がうるさいので会話はあまり交わさなかったが、テオは面白い話をして彼女を笑わせ、しなやかな体を優しく撫でてため息をつかせた。
 やがて、もっと静かな場所で飲もうとテオが誘うと、ウィローは彼の手に手を重ね、導かれるままについていった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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