和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>外国人
著者プロフィール
高月 まつり(こうづき まつり)
6月21日生まれ・双子座・O型。東京在住。うちで飼っている四匹の猫のうち、一匹はいつも便器の蓋の上で気持ち良さそうに眠っています。おかげで、その子はいつもラベンダーの香りがします。なぜトイレなんだろう。不思議でたまりません。
6月21日生まれ・双子座・O型。東京在住。うちで飼っている四匹の猫のうち、一匹はいつも便器の蓋の上で気持ち良さそうに眠っています。おかげで、その子はいつもラベンダーの香りがします。なぜトイレなんだろう。不思議でたまりません。
解説
平凡な日本の大学生だった理央は、父親が亡くなった事で突然ヨーロッパ小国の皇太子に!! だが、王位継承者は姉の真理で、理央はオマケだったのだ! そんな理央の教育係に就いたルシエルは、玲瓏とした美青年。 だが、ルシエルは厳しい上に意地悪で何を考えているのかまるでわからない! そのくせ理央にキスどころかHまで……ッ!! ルシエルに与えられる甘い刺激に理央は抗いきれるのかっ!?
※ イラストは含まれていません
※ イラストは含まれていません
抄録
「殿下は、私よりも私のことをご存じだ」
「いや……だって、分かってしまったものは仕方がない……」
「嬉しいです。今までより何百倍も殿下が愛しい」
ルシエルは理央の顎を掴んで自分に向けさせ、蕩けるような微笑みを浮かべた。
「その顔は反則だ」
「使えるものはなんでも使います」
「俺の気持ちも……少しは考えてくれ」
理央は真っ赤な顔のまま、ルシエルを睨む。
「考えるまでもない。あなたは初対面の時から私を意識していた。キスをしても嫌がらなかった。セックスの最中はしがみついて私の名を呼んでくれた。愛している以外の何が?」
理央は無言でルシエルの頭を叩いた。
「今度は避けませんでしたよ」
「バカ。そういうことじゃない。俺が? ルシエルを? 愛してる? トマスさんのようなことを言わないでくれ。男というものは、快感に弱い。だから俺は、快感に流されただけ」
「ですが男は、ナイーブなものでもある。不愉快な相手に局部を刺激されて、反応を返しますか? 何度もキスを許しますか? あまつさえ、頬を染めて瞳を潤ませますか?」
ルシエルの言葉は正当だった。
思わず「そうだなぁ」と感心してしまった理央は、言ってから後悔する。
「秘密の関係は、二人の仲を親密にする。刺激にもなる」
「そんな勝手な……」
「私だけを愛しなさい。そう……トマスがよく言っていたな。destiny……」
「destiny partner?」
「そう、それです。私以外の誰も見なければ、同性愛に悩むことはありません」
もっと凄いことで悩みそうなんですけど……っ!
理央は思い切り顔をしかめて、心の中で突っ込みを入れた。
「二人で一生の生活設計を考え、どうすればより長く一緒にいられるかを徹底分析し……」
「俺は一人前の殿下になることと、姉さんを守ることでいっぱいいっぱいで、そこまでは」
「殿下?」
理央は首を左右に振って彼の指から逃れると、仰向けでベッドに沈み込む。
「スポーツと家事には自信がある。でもそれ以外のことに関しては、俺はまったく自信がない」
「最初から完全な人間などいません」
「ある程度の度胸はあるつもりだったけど、この先自分がどうなるのかさっぱり見当がつかない。悔しいが、それが怖い」
ルシエルは体を屈めて理央の額にキスをすると「私がいます」と甘く囁く。
「それが……一番怖い」
しっかりなさいと叱咤する方がルシエルらしいのに、優しいキスをされては困る。
理央はじわりと目尻に涙を浮かべた。
「バカ騒ぎができる友達も、愚痴を言える友達もここにはいない。母さんや姉さんに言えるわけがない。守らなくちゃならない相手に弱音が吐けるか? だから今の俺には……」
ルシエルは理央の前髪を掻き上げながら、彼の言葉に沈黙する。
「今の俺には、ルシエルしかいない。怒鳴ったし、怒ったし、手も上げた。情けない姿も恥ずかしい姿も全部見せた。何もかも見られた。……ちくしょう、俺は何を言ってるんだ?」
その途端、ルシエルは乱暴に理央を抱き締めた。
ふわりと香るシトラスが、理央の鼻孔をくすぐる。
「好きか嫌いかなんてどうでもいい。俺はルシエルに馴れた。だから、ルシエルがいないと困るんだ。だからもう、謹慎処分になるようなことをするな。バカ」
「もしや私は、拒絶された……?」
「違うってっ! 俺の気持ちを察しろっ! そのままの意味で受け取るなっ!」
ルシエルはしばらくしかめっ面で黙っていたが、大輪の薔薇にも似た艶やかな微笑みを浮かべた。
「またその顔。ルシエルは反則づくしだ」
「思う存分察しました。しかし、いずれはハッキリと言っていただきます」
ベッドのスプリングが控えめな音を立てて、ルシエルの体重を受け止める。
「ルシエル? 俺は明日も、ダンスと乗馬の………んっ」
最後の言葉はキスに邪魔された。
理央は拒むように歯を食いしばったが、パジャマの上から下肢を撫でられて観念する。
天国の父さん。ごめんなさい。あなたの息子はバカです。どうやら俺は、この男に……。
理央は自分を心の中で罵りながらルシエルのキスを受け、彼の指が動き出すのを許す。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「いや……だって、分かってしまったものは仕方がない……」
「嬉しいです。今までより何百倍も殿下が愛しい」
ルシエルは理央の顎を掴んで自分に向けさせ、蕩けるような微笑みを浮かべた。
「その顔は反則だ」
「使えるものはなんでも使います」
「俺の気持ちも……少しは考えてくれ」
理央は真っ赤な顔のまま、ルシエルを睨む。
「考えるまでもない。あなたは初対面の時から私を意識していた。キスをしても嫌がらなかった。セックスの最中はしがみついて私の名を呼んでくれた。愛している以外の何が?」
理央は無言でルシエルの頭を叩いた。
「今度は避けませんでしたよ」
「バカ。そういうことじゃない。俺が? ルシエルを? 愛してる? トマスさんのようなことを言わないでくれ。男というものは、快感に弱い。だから俺は、快感に流されただけ」
「ですが男は、ナイーブなものでもある。不愉快な相手に局部を刺激されて、反応を返しますか? 何度もキスを許しますか? あまつさえ、頬を染めて瞳を潤ませますか?」
ルシエルの言葉は正当だった。
思わず「そうだなぁ」と感心してしまった理央は、言ってから後悔する。
「秘密の関係は、二人の仲を親密にする。刺激にもなる」
「そんな勝手な……」
「私だけを愛しなさい。そう……トマスがよく言っていたな。destiny……」
「destiny partner?」
「そう、それです。私以外の誰も見なければ、同性愛に悩むことはありません」
もっと凄いことで悩みそうなんですけど……っ!
理央は思い切り顔をしかめて、心の中で突っ込みを入れた。
「二人で一生の生活設計を考え、どうすればより長く一緒にいられるかを徹底分析し……」
「俺は一人前の殿下になることと、姉さんを守ることでいっぱいいっぱいで、そこまでは」
「殿下?」
理央は首を左右に振って彼の指から逃れると、仰向けでベッドに沈み込む。
「スポーツと家事には自信がある。でもそれ以外のことに関しては、俺はまったく自信がない」
「最初から完全な人間などいません」
「ある程度の度胸はあるつもりだったけど、この先自分がどうなるのかさっぱり見当がつかない。悔しいが、それが怖い」
ルシエルは体を屈めて理央の額にキスをすると「私がいます」と甘く囁く。
「それが……一番怖い」
しっかりなさいと叱咤する方がルシエルらしいのに、優しいキスをされては困る。
理央はじわりと目尻に涙を浮かべた。
「バカ騒ぎができる友達も、愚痴を言える友達もここにはいない。母さんや姉さんに言えるわけがない。守らなくちゃならない相手に弱音が吐けるか? だから今の俺には……」
ルシエルは理央の前髪を掻き上げながら、彼の言葉に沈黙する。
「今の俺には、ルシエルしかいない。怒鳴ったし、怒ったし、手も上げた。情けない姿も恥ずかしい姿も全部見せた。何もかも見られた。……ちくしょう、俺は何を言ってるんだ?」
その途端、ルシエルは乱暴に理央を抱き締めた。
ふわりと香るシトラスが、理央の鼻孔をくすぐる。
「好きか嫌いかなんてどうでもいい。俺はルシエルに馴れた。だから、ルシエルがいないと困るんだ。だからもう、謹慎処分になるようなことをするな。バカ」
「もしや私は、拒絶された……?」
「違うってっ! 俺の気持ちを察しろっ! そのままの意味で受け取るなっ!」
ルシエルはしばらくしかめっ面で黙っていたが、大輪の薔薇にも似た艶やかな微笑みを浮かべた。
「またその顔。ルシエルは反則づくしだ」
「思う存分察しました。しかし、いずれはハッキリと言っていただきます」
ベッドのスプリングが控えめな音を立てて、ルシエルの体重を受け止める。
「ルシエル? 俺は明日も、ダンスと乗馬の………んっ」
最後の言葉はキスに邪魔された。
理央は拒むように歯を食いしばったが、パジャマの上から下肢を撫でられて観念する。
天国の父さん。ごめんなさい。あなたの息子はバカです。どうやら俺は、この男に……。
理央は自分を心の中で罵りながらルシエルのキスを受け、彼の指が動き出すのを許す。
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