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クリスマスのシンデレラ メイド物語 II

クリスマスのシンデレラ メイド物語 II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュメイド物語
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャンディ・シェパード(Kandy Shepherd)
 女性誌の編集者としての経験を重ね、大手雑誌出版社の編集長として活躍した後、ロマンス小説家に転身した。幼い頃から大の活字好きだった彼女にとってはまさに必然の経歴と言える。オートラリアのシドニー近郊にある小さな農場で、夫と娘、いろいろな動物たちとともに暮らす。一目惚れで結婚した夫とは今も大恋愛中で、ロマンス小説を地でいく生活を送っている。

解説

あなたがくれた美しいドレスや宝石。でも時がくれば、私は貧しい娘に戻る……。

訳あって逃げるようにロンドンへやってきたアシュリーは、安宿住まいを続けながら通いのメイドとして働いている。しかし、冬のこの時季は宿泊代が高騰し、もう限界だ。当てにしていた友達の家にも泊めてもらえなくなり、彼女は高級住宅地にある派遣先の豪邸に住み込むほかなくなった。家の主であるギリシア人大富豪のルーカス・クリストフェデスは、クリスマスが終わるまでここには来ないというから、きっと大丈夫。ところがある日、不意に帰宅したルーカスに見つかってしまう。警察に突き出されると怯えるアシュリーに向かい、彼は言い放った――この借りを返すには、ぼくの恋人のふりをしろ!

■富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、華麗な作家競作シリーズ〈メイド物語〉。着の身着のまま路上へ放り出されるかと思いきや、予想だにしない展開に巻き込まれたアシュリーの運命やいかに!? 次なる第3話はスカーレット・ウィルソン作。

抄録

 ルーカスは顔を上げて彼女と向き合った。「さて、バスタブを掃除する代わりに入浴していた不届き者に、どんな処分を下すべきかな」
 彼女はひるみ、頬を紅潮させた。「本当に、謝っても謝りきれません。自分がどれだけ悪いことをしたかはわかっています」
「この家にいつまで寝泊まりするつもりだったんだ?」
「今夜までです。そのあとは――」
「見つかるまでいるつもりだったということか」
「違うわ!」
 ルーカスは返答しなかった。続けて質問するよりも黙っているほうが、より多くの情報を導き出せることが多いのを知っているからだ。
「どこか住むところが見つかるまでよ。家賃を払っていけそうなところが」
「労働ビザは持っているのか?」
「いいえ。父がイギリス生まれなので。EUのパスポートと、この国の居住権を持っているから」
「でも、オーストラリアに住んでいるんだろう?」
「父が子供のころに祖父母が移住したんです。でも、わたしが十代のころ、わたしたちはマンチェスターに二年間住んでいたことがあります。父がそこで勉強して博士号を取るために」
「お父さんは学者なのか?」
「地元のクイーンズランド州バンダバーグの|中高一貫校《セカンダリースクール》で校長をしています」
「お母さんは?」
「母も教師です」彼女は首をかしげた。「そのことと、わたしがここでしでかしたことは、なんの関係があるんですか?」
「ちょっと興味があってね」彼女は実に興味深い。「メイドの仕事は前からしていたのか?」
「まさか」彼女はそう口走ってから、発言を撤回した。「メイドの仕事も悪くはないけど。われながら、メイドとウェートレスと接客の仕事は上手だと思うし――どれもロンドンに来てから覚えたものですけど。本職はまったく違うの。会計士をしているんです。クイーンズランドの大学の商学部出身なので」
「きみは――」
 彼女が手を上げて制した。「言わないで。会計士に見えないって、言われるたびに一ドルもらっていたら、わたしは今ごろ大金持ちになっているわ」
 ルーカスは笑いをこらえた。まさにそう言おうとしていたのだ。もちろん、おしとやかな女性が会計士なんかになるものじゃないと言うつもりはない。むしろ、古い型にはまらない彼女をますますおもしろいと思ったのだ。
「きみは自分で生計を立てられる身なのに、無情な大都市でホームレスに落ちぶれているわけか?」
「やむを得ない事情で」彼女は口を引き結んだ。
「バックパックの中身を出してもらおうか。それからポケットも裏返して」
 彼女が顎を上げた。「何か盗んでいないか調べるためですか? どうぞお好きに荷物を探ってください」椅子の肘掛けをつかんで身を乗り出す。「さあ。何も隠していませんから。でも、ボディーチェックをさせろと言うなら、わたしが警察を呼ぶわ」
 怒ってにらんでいる彼女と、ルーカスは目を合わせられなかった。自分の言動に嫌悪を覚え、ごくりと唾をのむ。行きすぎたことをしてしまった。彼女の持ち物を調べたかったわけでもなければ、ボディーチェックのような出しゃばったことをしたかったわけでもない。自分はそんな低俗な男ではないはずだ。「きみの言葉を信じよう」ぶっきらぼうに言う。
 彼女はうなずいたが、唇は結ばれたままだった。
 うちの会社を倒産の危機から年商数百万ドルにまで巻き返せたのは、ぼくに人を見る目があったおかげだ。彼女は不正直ではないと、勘でわかる。
「チェルシー・メイド派遣会社は雇用者の素性調査をきちんとやっているから、きみも大丈夫だろう」
「オーストラリアでは犯罪歴はありませんから」彼女は言った。「今回のことは、どうかしていたんです。本当に悪かったと思っています。もう一度謝らせてください」
 ルーカスはタブレットを見おろした。「ウエストエンドでここと同等のホテルに三泊したら、いくらかかるか計算してみた」その金額を告げると、彼女が息をのんだ。「きみは、ぼくにそれだけの借りがあるということだ」
 彼女の顔が青ざめ、そばかすのある鼻にしわが寄った。「でも、わたしには払えません。そんなお金があるなら、最初からホテルに泊まっているわ」
 ルーカスは椅子の背にもたれ、顎の下で両手を合わせた。「それはぼくの知ったことではない」
 彼女を脅したくはない。だが、問題解決には彼女が必要だ。それに、ぼくはいったんこうと決めたら、最後までそれをやり遂げる男だ。
「わたしには払えないわ……」官能的な唇が震えている。「警察を呼んでいただいたほうがよさそうね」
 ルーカスは目を細めた。「警察を呼ぶ必要はない。金を払わなくてもぼくに借りを返せる方法がある。たいして難しいことではない。きみも楽しめそうな方法だ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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