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モスクワの夜は熱く【ハーレクイン・セレクト版】

モスクワの夜は熱く【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニー・ルーカス(JENNIE LUCAS)
 本屋を経営する両親のもとたくさんの本に囲まれ、アメリカ、アイダホ州の小さい町で遠い国々を夢見て育つ。十六歳でヨーロッパへ一人旅を経験して以来、アルバイトをしながらアメリカじゅうを旅する。二十二歳で夫となる男性に出会い、大学で英文学の学位を取得した一年後、小説を書き始めた。現在、幼い子供ふたりの育児に追われながらも執筆活動を通して大好きな旅をしているという。

解説

グレースは走り去る高級車がはねた泥水を浴び、尻餅をついた。なんてこと……上司が恋人へ贈る高級下着を台なしにしてしまった。茫然とするグレースに救いの手を差しのべたのは、先ほどの高級車から降りてきた男性、マクシム・ロストフだった。彼はお詫びだと言って上司のプレゼントを弁償したうえ、グレースにも高価なドレスを買うと、パーティにまで誘ってくれた。すばらしくハンサムで、王家の血を引くというマクシムと、夢のようなひとときを過ごしたグレースは、何も知らなかった。彼がグレースの上司を陥れるためにわざと待ち伏せしていたことを。そしてその一夜の代償として、彼の子を宿してしまうことを。

■ジェニー・ルーカスは、いまHQロマンスで最も熱い作家のひとり。ロマンスの新女王到来と期待される大物作家が、熱いクリスマス・ロマンスをお贈りします!
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 マクシムはまずそっとグレースの唇に触れ、彼女を引き寄せた。彼の手が髪を撫で、それからゆっくりと背中に下りていくのがわかった。さらにきつく抱き締められると、グレースは爪先までほてった。マクシムが唇を開かせ、じらすように舌先をすべらせるにつれ、全身が欲望にこわばり、体の芯が熱くなっていく。
 それはグレースがずっと夢見ていたキスだった。マクシムにかき抱かれると、世界が竜巻に巻きこまれたようにぐるぐるまわりだした。
 私は夢を見ているの? そうに違いないわ!
 体にまわされた腕のたくましさも、キスを満喫する唇の感触も、相手に同じようにキスを楽しんでもらおうとする熱意も、今まで経験したことのないものだった。六週間前の泥酔したアランの軽はずみなキスとはまるで違う。
 アラン!
 私は彼の家で彼の敵とキスをしている!
「やめて」グレースは震えながら訴えると、体を引き離した。「お願いだからやめて」
 マクシムは彼女の顔にかかった髪を払った。「バリントンを愛しているからだね?」
「いいえ……いえ、そうよ」グレースは首を振り、嗚咽のような笑い声をもらした。「なにも言わずに出ていってほしいの」
「なにも言わずに僕と一緒に来てほしい」
 彼は私と外出したがっている? 「同情なんてしてほしくない――」
「同情?」マクシムの瞳が陰った。今夜のように月に雲のかかった夜では、ほとんど黒に見えるほどだ。「僕はずっと心を持っていないと人に非難されてきた。実際そのとおりさ。これは君への警告だ」
 そして、マクシムは再びキスをした。今度はやさしくなかった。無理やり奪うような強引なキスに、グレースは頭がくらくらし、喜びに体がうずいた。
「今から僕と出かけよう」彼はグレースの頬に唇を寄せてささやいた。「断るなんて許さない」
 地下の入口に五分も立っているのに、グレースはほとんど寒さを感じなかった。
 でも、マクシムの誘いにのれるわけがない。アランを愛しているのだから。そうでしょう?
「彼が私を女として見てくれることはないでしょうね。でも、キスをしたからって私に彼を裏切らせることはできないわ」
「僕が君にキスしたのはそのためだと思っているのか?」黒い雲の隙間から月の光が差し、マクシムの剃刀のように鋭い頬骨と鑿で彫ったような顎をなぞった。どこかうらやましげに。「君は魅力的な女性だよ、ソルニシュカ・マヨ」
「ソルニシュカ・マヨ?」グレースはきき返した。
「太陽の光という意味だ」マクシムがささやく。
 グレースは着古したスウェットシャツとフランネルのパジャマのズボンを見おろし、かすれた声で笑った。「目が悪いのね」
「君は自分の美しさに気づいていないんだ」マクシムはグレースの目を見つめながら、肩を撫で、そのままキルトにすべらせていった。「僕が本当のことを教えてあげよう」
「あいにく私はあなたを信用していないの」プリンス・マクシムは危険な男性だ。たとえ求めてはいけないとわかっていても……。
 マクシムは身をかがめてグレースの片方の頬にそっとキスをしてから、もう一方にも唇をつけた。「君と一緒じゃないと、ここから出ていかないよ」
 マクシムの唇の感触が胸を張りつめさせ、下腹部をうずかせる。グレースはもう一度キスをしてほしくてたまらなかった。彼の腕に抱かれていると、なにも考えられない。感じることしかできない。敏感な耳たぶにかかるマクシムの熱い息を感じながら、彼女は目を閉じた。「私には……できないわ」
「できるし、きっとそうするさ。人生がどれほど楽しいものか、君に教えてあげよう」そう言うと、マクシムはグレースから離れた。
 グレースはあやうく声をあげて抗議するところだった。このまま目を開けたくなかった。「だめよ」
「頑固で愚か、か」マクシムは親指でグレースの唇を軽くなぞった。「なぜ僕に逆らうんだい?」
「それは……」こんなふうに唇を撫でられていたら、まるで頭が働かない。「着ていく服がないから」
 マクシムはにっこりして指を鳴らした。体重百キロはありそうな大男のボディガードがクリーム色の箱を二つ腕にかかえて階段を下りてきた。そして、その箱をドアのそばに置くと、通りに戻っていった。
 グレースは思わず驚きの声をもらし、レイトンのシンボルカラーの二つの箱を見つめた。「これは?」
「コートだよ」マクシムは言った。「それにドレス」
「レイトンのものじゃないでしょうね」
「君がこれを欲しがっているのはわかっていた。たとえ断ってもね」
 喉から手が出るほど欲しかった黒いコートとブルーグリーンのカクテルドレスを思い出すと、体が震えた。畏れ多くて手を触れることさえできなかったのだ。実際に身にまとうことを考えると、心臓が破裂しそうになった。
 彼は私を口説こうとしているんだわ。グレースは必死に自分を戒めた。口説いて破滅させようとしているの。
「たぶん君のサイズだと思う。合わなければ、ほかのサイズも車の中にあるが」マクシムはグレースと目を合わせた。「女性の服というのは僕には一つの謎だよ。僕は着せるより脱がせるほうが好きだな」
 意に反して体が震えた。グレースは箱を見おろし、唇を舌で湿らせた。羨望で胸が張り裂けそうだ。
 マクシムが彼女の手首をつかんだ。「あらかじめ警告しておくのがフェアなやり方だろうな。グレース、僕は今夜、君を口説くつもりだ」
 彼の視線にとらえられ、グレースは息ができなくなった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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