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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル

公爵と疎遠の妻

公爵と疎遠の妻


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ローリー・ベンソン(Laurie Benson)
 華やかな受賞歴を誇るヒストリカル作家。アメリカロマンス作家協会が優秀な新人に贈るゴールデン・ハート賞の最終選考にも残った。歴史に興味を持ち始めたのは小学校時代からで、はじめは広告のコピーライターとして文筆業をスタートさせた。余暇は博物館やアンティークショップ巡りをして過ごしている。

解説

口先だけの言葉に平気でいられるほど、あなたへの愛は軽くない。

この5年というもの、オリヴィアの結婚生活は灰色だった。公爵ガブリエルとの結婚1年目は甘く美しい思い出に彩られていたが、長男を産んだその日に夫が別の女性の香りを漂わせて帰宅し、彼女はショックのあまり、もう自分には指一本触れさせないと宣言した。ところが今、そろそろ予備の跡継ぎをもうけるよう義母に急かされ、オリヴィアは窮地に追い込まれた――あの日、女性と会っていた理由をいまだに説明しない彼に、再びわたしのベッドへ来てと言うなんて……。意に染まないけれどこれが公爵夫人の務めと、彼女は夫に協力を求めた。すると予想だにせぬ返答が、オリヴィアの胸を突き刺した!「うんざりする務めだが、さっさと片づけてしまうしかないな」

■長く血の通わない結婚生活を続けてきたオリヴィアですが、本当は公爵の気配を感じるだけで息をきらすほど彼を求めていたのでした。けれども夫のぞんざいな言葉にひどく傷つけられ……。物語終盤、愛の名言が飛び出す傑作です!『公爵と名もなき娘』の関連作。

抄録

「あの絵をどこに飾る気だ?」ガブリエルは背中で手を組み、妻は自分に触れられるのに耐えられないのだという考えから気をそらそうとした。
「ロイヤル・アカデミーのウェスト会長に頼んで、展覧会に出してもらうつもりだけど」
 ガブリエルは思わず立ち止まり、コレットがその背中にぶつかりそうになった。もちろん聞きまちがいだろう。わたしの妻の絵が――それも快楽の絶頂を迎えた直後のように見える絵が、ロンドン中の人間が見る場所に展示されるだと? 寝言は寝て言え。
「だめだ」ガブリエルは言い捨てて、また歩きはじめた。この話はこれで終わりだ。
 オリヴィアはうしろから追いつき、長い脚の大股歩きに後れを取らないよう懸命に早足になった。「なんですって?」
 ガブリエルは妻を見おろした。上機嫌とはほど遠い顔だ。「だめだと言ったんだ。あの絵は門外不出にする」
「それはあなたが決めることじゃなくてよ。あれはわたしが注文した絵ではないの。ただの厚意でモデルを務めているだけよ」
 ガブリエルはまた急に立ち止まり、コレットは今度も衝突寸前でかろうじて立ち止まった。
「なんだって?」
「あの絵は、マニングが画家としての野心をかけて、展覧会に出すために描いているものなの」
「そしてきみはあいつの野心のためにモデルになることを承知したのか? どうしてそんなまねを? あの絵は破廉恥きわまりない」
 オリヴィアは鼻で笑った。ガブリエルの洗練された優雅な妻は、彼の意見を鼻先で笑ったのだ。「破廉恥ですって。どの口が言うの?」
 ここはボンド・ストリートだ。社交界の面々やその使用人たちがひっきりなしに行き交う繁華街だ。ガブリエルは自分たち夫婦が一緒に歩いているだけで注目を集めていることに気づいていた。口論など始めたら噂してくれと自分から言うようなものだが……この会話の雲行きは非常に怪しい。
 ガブリエルは視線を進行方向に向けた。「あとは帰ってから話し合おう」
「わたしは帰らないわよ」
「いや、帰るんだ。家に帰ってきっちり話をつける」
「もう一度言うわね。わ、た、し、は、か、え、ら、な、い」
 ガブリエルは鼻孔をふくらませてオリヴィアを見おろした。「いつからそんなに強情になったんだ?」
「あなたが本性を現したときからよ」即座に答えが返ってきた。
 わたしも甘く見られたものだ。もしオリヴィアがあの絵を自宅以外に飾ることをわたしが許可すると思っているなら、大まちがいだ。「わかった。いま話し合いたいなら、そうしよう」
 オリヴィアのひじをつかむと、ガブリエルは手近な宝飾店の中にずかずか入っていった。眼鏡をかけた店主がカーテンの奥から顔をのぞかせ、客が非の打ち所がない服装をしたカップルだと知ると、手もみしながら挨拶にまかり出た。
「邪魔するな」ガブリエルは一喝した。
 ねずみ顔の小男はすみやかにカーテンの奥へと退却した。
 次にガブリエルが注意を向けたのはメイドだった。「外で待ちなさい」
 コレットは予想どおり許可を求めるようにオリヴィアを見た。わが家の使用人たちは、誰も彼もわたしがウィンターボーン公爵であることを忘れているらしい。
 さて、きっちり話をつけなくては。ガブリエルは大通りに面した窓を避けるように隅っこに妻を引っぱっていった。「きみはウィンターボーン公爵夫人だ。社交界でも一目置かれる立場の人間じゃないか。そのきみが、あんなあられもない姿を、ロンドン中の人間の目にさらしていいと思っているのか?」
「誰もわたしだとは気づかないわ」オリヴィアは声を抑えていたが、語調は強かった。
「わたしは気づく」ガブリエルも並々ならぬ努力で声を抑えた。あの不精ったらしい画家が、長椅子に横たわった妻に触れているのを見たときは、睾丸をバターナイフで切り落としてやろうかと思った。「もうあそこに行くのはやめなさい」これはわれながら名案だ! そもそも絵が完成しなければ、どこに飾るかという問題も発生しない。
「あなたの言ってることは支離滅裂だわ。頭がどうかしたんじゃなくて?」オリヴィアの声に怒りがにじみ出た。
 それは否定できない。何年もベッドをともにしていない女性に激しい嫉妬を駆り立てられるとは、少々おかしくなっているのだろう。「あんな姿のきみを他人に見せてたまるか。見るのはわたし一人でいいんだ」思わず本音がこぼれた。
 ああ、おかしいとも。完全におかしい。
「見ないくせに。わたしなんか抱く気も起きないくせに」
「なにを言いだすんだ。きみこそ頭がどうかしたんじゃないか?」
 オリヴィアが手を腰に当て、顔をぐいと近づけてきたので、ひたいが触れ合いそうになった。「だって本当のことじゃないの。マニングの動きと光の一大傑作が、同時に女性の官能性を表現していたからって、それがあなたに関係ある? マニングがわたしを官能のかたまりだと言ったからって、それがあなたに関係ある? 関係ないでしょう?」
 今度はオリヴィアのほうがおかしくなってきたようだ。ガブリエルは彼女のうなじに手を回し、所有欲をむきだしにして唇に唇を押しつけた。


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