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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

目覚めれば愛は宿り

目覚めれば愛は宿り


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マヤ・ブレイク(Maya Blake)
 イギリスの作家。妻であり2人の子どもの母でもある彼女がロマンス小説の虜になったのは、13歳のとき。姉から借りた1冊のハーレクインがきっかけだった。そんな彼女にとって、ハーレクイン社でのデビューは夢のようだったと語る。執筆に没頭していないときは、旅行やツイッターが好きだという。

解説

記憶を失っても私にはわかる。おなかの子は愛する人の子だと。

憧れていたボス、大富豪エミリアノと恋仲になって3カ月。シエナは、故国から戻った彼の様子に異変を感じた。翌朝、新聞を見た彼女は理由を知ると同時にショックを受ける。嘘よ!エミリアノが同郷の女性と婚約するなんて。シエナは深く傷つき、彼と暮らすペントハウスから逃げだした。数週間後、偶然レストランでエミリアノにでくわしたシエナは、口論のすえ転倒し、頭を打って記憶を失ってしまう。名前すら思いだせない彼女に、医師は驚くべきことを告げた。「あなたは妊娠しています」

■順調に思えたヒロインの人生は、ほんの小さなほころびから、想像を遙かに超えた困難の渦へと巻きこまれていきます。マヤ・ブレイクの筆も冴える、情感豊かなロマンスをお楽しみください。

抄録

 エミリアノは眉をひそめ、空いたほうの手でネクタイを引っ張った。「|なんてことだ《サント・シエロ》。仕事とは無関係だ。安心してくれ。取り引きのことで怒っているんじゃない。きみの機転と行動力がなければ、うちはその取り引きを失っていただろうからね。その件はきみに任せると、今日、デニスからきみにメールを送らせたと思うが?」
 確かにシエナは彼の秘書からのメールを読んでいた。そして改めて疑問を抱いた。なぜエミリアノは自分で連絡してこなかったのかと。「わかったわ。でも――」
「もっと僕の言葉が欲しかった? あるいは、もっと花が? 受け取ったプレゼントでは不足で、さらなる賛辞が欲しかったのか? もっとかまってほしいと?」
 驚きと怒りがシエナの全身を痛みとなって襲った。「なんですって?」
 エミリアノはワインを飲み干し、必要以上に力を入れてグラスを置いた。そしてやおら立ち上がり、テーブルをまわりこんだ。大きな体の彼がそんなふうに気色ばんだら、普通の女性なら怯えてしまうだろう。
 だけど、私は屈したりしない。
 シエナは勢いよく立ち上がって彼と対峙した。料理は手つかずだ。「私があなたにかまってほしがっているですって?」
「違うのか? 僕たちは今、閉じたドアの内側にいて、きみのご立派な評判に傷がつくことはない。だから、僕に何かしてほしいんじゃないのか? 僕が帰ってきて以来、ろくに言葉をかけてもらっていないだって?」エミリアノは責め立てた。
「私の言葉をねじ曲げて解釈しないで。何があったのか話してほしかっただけ――」
「僕は話したくないんだ、ケリーダ。いつものきみはそういう単純な合図を受け止めるのが得意じゃないか。今回の僕の留守がそんなにきみを動揺させたのか? それとも、今から別な話が始まるのかな?」
 しっかりと胸に畳みこんできた話題を、今夜、恐る恐る切りだすつもりだったのに、いっそう話しづらくなってしまった。エミリアノは鋭いまなざしを彼女の顔に注ぎ、表情を探った。そして、彼女が図星を指されたかのように困惑する様子を見て、目を見開いた。
「|なるほど《シ》、別件か」彼は吐き出すように言った。「もしかして、いちばん不適切なときに女性が切りだす“私たち、これからどうするの?”っていう話じゃないだろうな」
 彼の尋常ならざる鋭さに驚くべきなのか、彼の不愉快な口調にいっそう警戒するべきなのか、シエナはよくわからなかった。「あなたは問題をすり替えようとしている。私たちが今話しているのはあなたのことよ」
「その話はしたくないと言っただろう。堂々巡りだ。食事はどうするんだ?」
 シエナは顎をぐいと上げた。抑えこんでいた苦悩と胸騒ぎが胸の中で勢いよく息を吹き返す。「もうそんな気になれないわ」
 エミリアノが危険な空気をまとって進み出て、二人の距離を縮める。「食べ物の話か? それともほかのことすべてにか?」彼の声がかすれ、低くなった。明らかな性的渇望で目がけぶっている。
「なぜ、それほど私に腹を立てるの?」シエナはか細い声できいた。
 エミリアノの顔にほんの一瞬、得体の知れない表情が浮かぶ。「きみの人生に組み入れられたことにうんざりしているのかも」
 シエナは息をのんだ。「なんですって? 私はそんな――」
 固い指が彼女の下唇の上をさまよい、反論を封じた。「らちの明かない議論はしたくない。もう一度きく。そんな気になれないというのは何に対してだ?」
 渇望、差し迫った欲求、怒り、苦痛。それらがいっせいに押し寄せ、シエナは息もできなくなった。恋しい男性に欲望の鉤爪を食いこませる彼女を、エミリアノは簡単な言葉でなだめた。
 いさかいなら以前もあったが、これほどではなかった。シエナは息をあえがせ、傷口から血を流すのにも似た苦痛に翻弄された。けれど時間がたつごとに、彼の息を吸い、自分の息を吐き出すごとに、それまでとは異なる感情がこみ上げた。
 激しく全身を震わせるシエナを見て、エミリアノが勝利の表情を浮かべた。
「エミリアノ……」
「なんだい、シエナ?」彼はシエナの口に向かってささやいた。
 シエナは震える息を吐いた。「何かが起きている。私の頭がおかしくなったとか、過剰反応しているとか、そんなふうに思わせないで。お願い、話して――」
「そこまでだ。終わった話を蒸し返してもしかたがないことは知っているだろう。その手のことはきみの専門じゃないか。きみらしくないことはしないでくれ、ケリーダ」
 またも稲妻のような衝撃に体を切り裂かれ、シエナの目はエミリアノのまなざしに絡め取られた。渇望はまだ手の届くところにあるが、ほかのすべてが……おかしい。「あなたはいったい誰? なぜそんな話し方をするの?」
「きみが何度も同じ話を繰り返すからだ」
「私と話したくないわけ? 上等だわ!」シエナはエミリアノのネクタイをつかんで引き抜いた。乱暴に手首を返して、それをテーブルの向こうに投げ飛ばす。続いて彼のシャツに襲いかかった。ボタンが小さなミサイルと化して部屋の反対側に飛んでいく。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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