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誘惑はギリシアで【ハーレクイン文庫版】

誘惑はギリシアで【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

幼い息子を抱え、ローラは慎ましやかな生活を送っていた。ところがある日、平穏な心がかき乱されてしまう。ニュースで聞き覚えのある名前が流れてきたのだ。コンスタンチン・カランティノス――ギリシアでも屈指の大富豪、彼が結婚するという。自分の息子の存在も知らないまま。唐突に、彼と過ごした8年前の夏の輝きと別離が甦ってくる。遊ばれて捨てられたのに、高まった思慕をおさえられず、一目見たさのあまり、ローラは婚約パーティーへと入りこんだ。だが、コンスタンチンは彼女に冷たい一瞥をくれただけだった。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 彼女に対して、ぼくは悩みとは無縁で気ままに旅をする男を演じていた。彼女はぼくの財産と地位をまったく知らないようだったが、もしあれがすべて演技だったとしたら? 彼女がぼくのヨットを見て、アフタヌーンティーと夕食のあいだの時間にあれこれ質問をしていたとしたら? そうだとしたら、初対面の男に進んでバージンを捧げたことの説明がつくのでは?
 これまでの人生で、自分のまわりには何かを得ようとする者たちが大勢いた。おそらくこの女性もそうなのかもしれない。
「きみは自分がバージンだったと言ったけど、それはただの言葉だからね。確かに、きみのなかに入ったとき、きみが息を止めたのはわかってる」コンスタンチンは容赦なく言って、少し間を置いた。「でも女性はいつでもそうするよ――ぼくのサイズ、あるいはテクニックと関係があるらしいが」ローラはショックを受け口元に手をあてたが、彼は心を鬼にした。「バージンだと言えば、もう会うこともなさそうな男と何か将来もつながっていられると思ったのかな。きみがバージンだと知って、ぼくがきみのことを大事に思うとか、会ったばかりの男とセックスをする女じゃないと印象づけたかったとか」
 ローラは気分が悪くなった。あの夜の記憶を踏みつけられ、泥まみれにされたような気がする。「あなたがそんなふうに考えているなら」ローラは震える指で写真をバッグに戻した。「もう何も言うことはないわ。そうでしょう?」
 だが、コンスタンチンは彼女に近づいてきた。体のぬくもりが感じられるほどに。この男性がわたしの体に種をまき……わたしはその種をおなかのなかで育てたのだ。ローラは身震いした。自然はなんと冷酷なのだろう。たとえ相手が無情な男でも、女性はその男を子供の父親として求めてしまうのだから。ローラはつばをのみこんだ。コンスタンチンが彼女のほうへかがみこんだからだった。まさか彼は……。
 だが、予想どおりのことが起きた。
 コンスタンチンは小柄な彼女を包みこむように抱きしめた。ローラは彼の熱く硬いものを感じた。叫んで抗議しなくてはとわかっていたものの、それは地球が太陽のまわりを回るのを止めるのよりも難しいことだった。
 コンスタンチンの唇がローラの唇を奪った。男性とのつきあいがほとんどないのにもかかわらず、ローラはそのキスにこめられたのが怒りなのを感じた。欲望ではなく、怒りのキス。だがそれでも、反応するのを止められず、コンスタンチンに隠れた導火線に火をつけられたかのようにローラの体は欲望に燃えあがった。彼はわたしを嫌っているのに、というのが正気の頭で考えた最後のことだった。コンスタンチンの唇が触れると、ローラの唇は自然と開いた。
 コンスタンチンの両手は彼女のウエストをきつくつかんでいた。ローラが指を開いた手を彼の胸に這わせると、心臓の鼓動が伝わってきた。キスをしながら、ローラは信じられないという思いに小さくうめいた。自分を軽蔑している男のキスにどうしてとろけるような快感を覚えてしまうのだろう?
 その声に驚いたのか、コンスタンチンは一瞬、ローラをぎゅっと抱きしめ、そのあと手を離した。彼女は廊下の壁に寄りかかって体を支えながら、コンスタンチンを見あげた。
「ど、どういうつもり?」ローラはあえぎながら言った。
 どういうつもりだったのだろう? コンスタンチンは息を整えながら、濃厚なキスを否定するかのように首を振り、ローラを見おろした。欲望のせいだ、と彼は強く自分に言い聞かせた。やつれた感じのウエイトレスに激しい欲望を感じたなんて、どうかしている。こんなことをしたら、相手のばかげた主張に対して立場が弱くなるというのに。
 コンスタンチンはローラを見おろした。心臓は早鐘を打ち、下腹部は欲望に熱くなっていて、まともにものを考えられない。「できるだけ早く、DNA鑑定をしてくれ」彼は言った。
 ローラの目が見開かれた。「でも……でも……」
「でも、なんだ?」コンスタンチンは嘲るように言い、小さく笑った。キスの余韻が薄れ、現実が戻ってきていた。「ただあの子がぼくによく似ているってきみが言うからって理由で、ぼくがあの男の子をカランティノスの相続人として認めるとでも思っていたのかい?」
「でも、あなたは――」
「確かにあの子にはギリシア人らしいところがある。だがきみは、ギリシア男に目がない女性のひとりかもしれない」コンスタンチンはキスで腫れたローラの唇を見つめた。「今それを実演して、楽しませてくれたじゃないか」
 ローラは力なく壁にもたれ、彼を見あげた。キスをしたのは、わたしが浮気性だというのを確かめるためだったの? そのあとに、アレックスが彼の子供なのを証明しろと冷たく要求してくるのだから。「なんて人……人でなし!」
 女というのは人をののしることに関しては独創性がないな、とコンスタンチンは思った。自分自身でそういう状況を作っているのではないか。それだから男に非難されるというのがわからないのだろうか?


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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