和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>御曹司
著者プロフィール
妃川 螢(ひめかわ ほたる)
出身地 超田舎/誕生日 4月生まれ/星座 牡羊座/血液型 A型
出身地 超田舎/誕生日 4月生まれ/星座 牡羊座/血液型 A型
解説
人気俳優の煌一は、巨大企業・鷹栖グループの次男。事業は辣腕の兄、聆一に任せきりとはいえ、常に危険と隣り合わせの日々を送る。そんな彼が偶然にもVIP専門のボディガード派遣会社R.C.Sで再会したのは……高校の先輩、篠宮だった。初めて煌一に抱かれたあの夜、彼の前から姿を消した美しき先輩……篠宮。煌一は強引に篠宮を自分のSPとして雇うが……。欲望色づく執着のプリズナー・ラブ★
イラスト 水貴はすの
イラスト 水貴はすの
目次
傲慢で残酷な純情
night&day
night&day
抄録
篠宮の目には、煌一はふたつの重石を背負っているようにしか見えない。
ひとつは生まれ持った捨てられないもの。
ひとつは、自ら背負うことを選択してしまったもの。
そこまでして、なぜ煌一は俳優になろうと思ったのか。その理由を思い出して、ズクンッと胸が鳴った。キリで突き刺したような痛みが、そこから広がる。
潜(くぐ)ってきた修羅場の数なら、芸歴五十年のベテランにだって、煌一は負けないだろう。それほど鷹栖という環境は特異なものだ。
孤独──という単語が、ふいに脳裏を過(よぎ)った。
そのときふいに視界が翳(かげ)って、篠宮はハッと現実に引き戻された。
目の前に、逞しい胸板。
ふわり…と、背中に腕がまわされる。
「隙だらけだよ? 同情はいらないから、キスさせて?」
「……っ!?」
気配なら、読んでいる。危険がないとわかっているから、身体が反応しないだけだ。
いや、相手が煌一だから、油断しているのかもしれない。
煌一が本気とも冗談ともつかない言動で篠宮を揶揄(からか)ってくるのは、これがはじめてではない。以前、でっち上げのストーカー対策でボディガードについていたときから、対処に困る言動は多かった。
駆け引きなどではないと、篠宮は思っている。
自分を裏切った相手への、これはただの執着だ。そうでなければいけない。
スッと背筋を撫でられて、肌が震えそうになるのを必死にこらえる。
ボディガードにあるまじきことだと、己の感情を忌々しく思いながら、篠宮は煌一の腕を振り払いはせず、そのかわり先日と同じ言葉を口にした。
「それも、命令ですか?」
視線を上げ、間近にある整った顔を見据えると、口許に浮かんでいた笑みが消え、眉間に皺が刻まれる。精悍な面差しに鋭さが加わって、その瞳の奥に鈍い光が宿った。
ダンッと、顔の横、白い壁に叩きつけられる拳。
「そんなことであなたが手に入るんなら、こんなに苦労はしてないよ」
苛立ちをぶつけているわけではない。
すべてをビジネス上のものとして受け流そうとする篠宮に、そんなに甘いものではないと、知らしめようとする剣呑な声だ。
「……っ」
肩を壁に押さえつけられ、唇に熱が触れる。
ゾクリと、腹の奥から込み上げてくるのは、恍惚。
煌一から向けられる執着にも似た強い感情を、サラリと受け流すふりで、自分は喜んでいる。
どうしようもない外道だ。
*この続きは製品版でお楽しみください。
ひとつは生まれ持った捨てられないもの。
ひとつは、自ら背負うことを選択してしまったもの。
そこまでして、なぜ煌一は俳優になろうと思ったのか。その理由を思い出して、ズクンッと胸が鳴った。キリで突き刺したような痛みが、そこから広がる。
潜(くぐ)ってきた修羅場の数なら、芸歴五十年のベテランにだって、煌一は負けないだろう。それほど鷹栖という環境は特異なものだ。
孤独──という単語が、ふいに脳裏を過(よぎ)った。
そのときふいに視界が翳(かげ)って、篠宮はハッと現実に引き戻された。
目の前に、逞しい胸板。
ふわり…と、背中に腕がまわされる。
「隙だらけだよ? 同情はいらないから、キスさせて?」
「……っ!?」
気配なら、読んでいる。危険がないとわかっているから、身体が反応しないだけだ。
いや、相手が煌一だから、油断しているのかもしれない。
煌一が本気とも冗談ともつかない言動で篠宮を揶揄(からか)ってくるのは、これがはじめてではない。以前、でっち上げのストーカー対策でボディガードについていたときから、対処に困る言動は多かった。
駆け引きなどではないと、篠宮は思っている。
自分を裏切った相手への、これはただの執着だ。そうでなければいけない。
スッと背筋を撫でられて、肌が震えそうになるのを必死にこらえる。
ボディガードにあるまじきことだと、己の感情を忌々しく思いながら、篠宮は煌一の腕を振り払いはせず、そのかわり先日と同じ言葉を口にした。
「それも、命令ですか?」
視線を上げ、間近にある整った顔を見据えると、口許に浮かんでいた笑みが消え、眉間に皺が刻まれる。精悍な面差しに鋭さが加わって、その瞳の奥に鈍い光が宿った。
ダンッと、顔の横、白い壁に叩きつけられる拳。
「そんなことであなたが手に入るんなら、こんなに苦労はしてないよ」
苛立ちをぶつけているわけではない。
すべてをビジネス上のものとして受け流そうとする篠宮に、そんなに甘いものではないと、知らしめようとする剣呑な声だ。
「……っ」
肩を壁に押さえつけられ、唇に熱が触れる。
ゾクリと、腹の奥から込み上げてくるのは、恍惚。
煌一から向けられる執着にも似た強い感情を、サラリと受け流すふりで、自分は喜んでいる。
どうしようもない外道だ。
*この続きは製品版でお楽しみください。
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