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長い別離【ハーレクイン・ディザイア傑作選】

長い別離【ハーレクイン・ディザイア傑作選】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアハーレクイン・ディザイア傑作選
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ショーナ・デラコート(Shawna Delacorte)
 家族とともにアメリカ中西部に暮らす。いろいろな場所を旅するのが好きで、時間の許すかぎり、足しげく旅行に出かけている。現在も、新しい場所を訪れるのを楽しみにしながら、執筆に専念している。彼女の作品はウォールデンブックスやUSAトゥデイのベストセラーリストにも登場歴を持つ。

解説

彼が過去にこだわるのは、私の秘密に気づいたから?

彼が帰ってくる。私をうとましく思って町から出ていった彼が……。ワイアットに捨てられたときの胸の痛みが、その後の長い年月などなかったかのように、ビッキーをさいなんだ。ふたたび彼に会って、平気な顔ができるだろうか? リッチーを――愛しい息子を、彼から隠しとおすことができるだろうか? 10年ぶりに、生まれ育った町に戻ってきたワイアットは、雑貨店にいるビッキーを見て驚いた。彼女がこの町に戻っていたとは。かつて、なにも言わずに僕の前から姿を消し、どこか遠くの町で、さっさとほかの男と結婚したビッキー。あのときなぜ僕を捨てたのか、説明してもらうときが来たようだ。

■様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、USAトゥデイのベストセラーリストにも登場歴を持つ作家、ショーナ・デラコート。大人気の“秘密の命”がテーマの物語です。

抄録

 店を閉めると、ビッキーは郵便局の奥にある事務室に入った。家に帰る前に、少し事務仕事が残っている。デスクに座ってスタンドをつけ、引き出しから日誌を取り出した。
「表は閉まってたけど、明かりが見えたから事務室にいると思ってね」
 ワイアットの声にビッキーはびくりとさせられた。郵便局から人の入ってくる気配は感じなかった。どう反応していいのかわからない。「今日はもう業務終了よ。郵便物のチェック以外の用件なら、申しわけないけれど別のときに出なおしてくださる?」
「郵便物のチェックなら終わったよ」ワイアットは勝手に事務室の中に入ると、くつろいだそぶりでデスクの端に腰かけた。
 そばに寄られてどぎまぎしたビッキーは、少しでも彼との距離を広げようと椅子の背にもたれた。「注文品のことでいらしたの? 卸業者と話したら、どれもあさってには用意できるそうよ。朝の十時までには店に届いてるから、十時以降ならいつでも……」
 ワイアットはビッキーの手をぐいと引いて椅子から立たせた。「そんな用件じゃない。ぼくが来たのは、昼間の続きできみの忙しいスケジュールについて話し合うためだ。今晩は忙しいんだね。じゃあ、明日の昼は?」
 ビッキーは手をゆっくり引き抜くと、部屋の中を歩いた。下唇を噛んであれこれ思いめぐらせ、しばらくしてからくるりと彼に向きなおった。「一度だけお昼につき合えば、もうわたしにつきまとわないでくれる?」
 ワイアットは尻をすべらせてデスクから下りた。首をかしげて彼女のほうに歩を進める。「つきまとう? 昼食に誘われただけでそこまで悩むのかい? 古い友人同士じゃないか。これまで何をしてたとか、積もる話がたくさんあると思ったんだがな」
 声よりも、口調や態度が彼の真意を雄弁に伝えていた。ビッキーはいやな気分だった。過去を蒸し返すつもりだと、彼ははっきり言っている。だけどやはりわからない。どうしてなのだろう。
 ふいに新たな恐怖がビッキーを襲った。まさか、リッチーのことを突きとめたのだろうか……。
 ワイアットは返事を待つのももどかしく、良識に逆らって再びビッキーを腕の中に引き寄せた。彼女がもがいて逃れるより先に、キスで唇をとらえる。遠慮がちなキスは、すぐに執拗な激しさを帯びた。すると、たちどころに昔のことが鮮明に思い出されて、かつての感情がどっと胸によみがえった。
 二人の間で何が食い違ったのか、なぜ彼女はぼくを捨てたのか、ワイアットは是が非でも知りたかった。あんなに完璧に思えた――今でも完璧に思える関係が、なんの前触れもなく崩壊するなんてどういうことだ。答えが知りたかった。これまでほかの女性と、それも何人もの女性とつき合ってきた。数カ月で解消したが、一時期は婚約していた相手もいた。しかし、ビッキーの代わりになる女性はひとりとしていなかった。そもそも何が悪かったのか、何が原因でビッキーは去っていったのか。
 また彼は同じことを仕掛けてきた。こんなに時がたったというのに、今ビッキーはワイアットの強力な性的魅力と、彼に惹かれる本心とに翻弄されていた。キスを中断しなければと頭ではわかっていながら、行動に移せない。あろうことか、両腕が彼の首にまわり、指が濃い髪の毛をもてあそんでいる。
 キスは十五年前に二人の間に生まれた情熱そのままに燃えあがった。わずか数歩離れた位置にあるカウチへと、ワイアットが巧みにいざなう。一瞬ののち、二人は半ばカウチに体をもたせかけた格好で座り……そして、互いの腕を相手にからませていた。
 ワイアットはきつく彼女を抱いた。彼女のすべてに興奮が呼び覚まされたが、それは想像が及ばないどころか、最後に二人で過ごしたとき以上の興奮だった。シルクのような髪の手触り、なめらかな肌――なつかしいと同時に、陶然とするほど新鮮な感触。事務室のカウチでうまく愛し合えるかという現実的な疑問は、あっけなく意識の隅に追いやられた。ワイアットは彼女の唇を割って舌を入れ、知りつくしていた味を大いに味わった。
 ビッキーは何がなんだかわからなくなっていた。彼から離れろと理性が言う一方で、長年抑えこまれていた欲望が、めくるめくキスによって激しくあおられていく。こんなキスをされて行き着く先はひとつだけ。だが、それはなんとしても避けるべき結末だった。ビッキーは残っている力をかき集めて、彼のキスからかろうじて逃れた。
「い……いけないわ、ワイアット」
「ぼくはとてもいい気分だ」彼の声は興奮にくぐもっていた。
「すぐにやめなくちゃ」ビッキーは彼の体を押しやって、苦しい呼吸を整えようとした。
 ワイアットは荒い息を吸った。「なぜ?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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