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ドクターとわたし ベティ・ニールズ選集 17

ドクターとわたし ベティ・ニールズ選集 17


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュベティ・ニールズ選集
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ベティ・ニールズ(Betty Neels)
 イギリス南西部のデボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師および助産師としての教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人の男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。イギリスに戻って看護師の仕事を退いた後、よいロマンス小説がないことを嘆く女性の声を地元の図書館で耳にし、自ら執筆を決意した。1969年、「赤毛のアデレイド」を発表して作家活動に入る。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。好きな映画は『逢いびき』(英1945年)、尊敬する人物はウィンストン・チャーチルだったという。

解説

見初められたいなんておこがましい。でもせめて、夢見るだけなら……。

家事手伝いのメアリーは両親と年の離れた妹の世話に明け暮れる毎日。ある日、病後の大伯母につき添って訪れた病院で、オランダ人ドクターのルール・ヴァン・ラケスマ教授と出会った。髪に白いものの交じった長身の彼をひと目見た瞬間、メアリーの胸に恋の矢が突き刺さった。だが彼が尊敬される高名な医師と知り、自分には縁がないと悟った。もう会うこともないなら、せめて心の中だけでも先生と会いたい。メアリーは叶わぬ恋心を白昼夢でなだめる日々を過ごすが、運命のいたずらか、体調を崩した大伯母の家で教授と再会を果たす。思いがけず親身に接してくれる彼に、封じた想いがあふれそうに……。

■唯一無二の作風で愛され続けるベティ・ニールズの名作をお届けします。青々とした美しい瞳のドクターにひと目惚れしたヒロイン。募る恋心に翻弄される彼女とはうらはらに、彼は無表情で何を考えているのかわからず……。純真無垢な年の差ロマンス!

抄録

 十分後には、メアリーは家に向かって車を走らせていた。めんどうな道筋だが、いくつか近道を見つけてあったし、混雑もあまりひどくなかった。それに母が喜んでくれたので、わざわざ帰った値打ちはあった。ミセス・ブラケットが休みの日で、キッチンは悲惨な状態になっている。メアリーはエプロンをつけた。「お母さんがお茶をいれてくれたら、わたしはこのお皿やお鍋を洗ってしまうわ。夕食には何を作るつもりだったの?」
「あなたがローストする予定だったチキンよ」
「煮こみにしましょう。そうすれば、食べる二時間ぐらい前にオーブンに入れるだけでいいから」メアリーはふきんを取り上げながら続けた。「あの、お母さんが毎日買うべきものを、わたしがリストにしておいたらどうかしら? そうしたら、わたしが帰ってきたときに下ごしらえをするわ」
「まあ、ダーリン、そうしてくれる? わたし、とっても忙しくてカードを描くひまが全然ないほどなのよ。たぶんポリーも……」
「むりよ、あの子は予習がたくさんあるんですもの。お母さんは、毎日、朝のうちに買い物に行けば、あとは仕事ができるわ。お昼は冷たいものですませればいいしね。お父さんは家にいるの?」
「いないわ、五時ごろ帰るそうよ」
 メアリーはふきんを干してテーブルについた。
「じゃあ、お茶を飲んで、あした買うものを決めましょう」
「あなたは長く向こうにいるの?」母は困ったようにきいた。「あなたがいないと、わたしたち、なんだかあまりうまくいかないみたいなのよ」
「長くはかからないし、ほとんど毎日、午後には帰ってこられるわ、週末はわからないけど」
 だが、日曜日になってもミセス・ストーンはいつもの時間にやってきた。しかも、その日はヴァン・ラケスマ教授も一緒だった。彼はすばやくサーザ大伯母を診て、ずっとよくなっていると言い、さらに、メアリーに自分もハムステッドに行くところだから車で送ろうとさらりと申し出た。
「ありがとうございます、ご親切に。でも、わたしも車がありますから。こちらに戻ってこなくてはなりませんもの」
「ぼくは、ハムステッドの方の家にお茶によばれているんですよ。五時ごろあなたを迎えに行って、ここに戻ってメイジーを乗せればちょうどいい」
 教授が好きでたまらず、彼から目を離せないほどだとはいえ、イエスと言うには少し時間がかかった。心は教授に奪われているが、常識は彼に夢中になるのはまずいと告げている。慎重に断ろうとして口を開きかけたとき、教授が続けた。
「さあ、コートを取ってきて。すぐ出かけるから」
 断ったら、もう二度と会えないかもしれない。
 メアリーが教授と一緒に車のところに行くと、ハンドルの前には犬が座っていた。とても利口そうな白と黒のジャック・ラッセル・テリアだ。犬が小さな丸い目でメアリーを見ると、教授は言った。「友達だよ、リチャード」
 リチャードは教授とメアリーの間に座り、うれしそうにちょっとほえた。メアリーは犬の耳をなでてきいた。「どうしてリチャードっていうんですか? 犬にはめずらしい名前だわ」
「ライオンみたいに勇敢だから、リチャード獅子心王にちなんで名づけたんだ。犬は好き?」
「ええ。でも、うちにはいません。ビンゴっていう猫がいます」
 その後、教授はサーザ大伯母のことを話し始めた。医師らしい口ぶりでよそよそしい感じになり、メアリーは彼の私生活どころか、仕事についてさえたずねる勇気が出なかった。その一方、教授が大伯母のことを話しながら、自分の生活については少しもうかがわせず、メアリーからいろいろと聞きだす巧みさは驚くばかりだった。
 家が近づいたとき、メアリーはおずおずときいた。「先生はイギリスに住んでいらっしゃるんですか? それとも、オランダにお帰りになるんですか?」
「家はオランダにあるけど、こっちで相当の時間を過ごしているんです。行ったり来たりってところかな」それ以上はわからずじまいだった。
 家の前で車がとまると、メアリーはお礼を言ってドアに手をかけた。ところが、教授はすでに目の前にいて、彼女のためにドアを開けている。アーサーだったら、たとえメアリーが腕いっぱいに荷物を抱えていても、夢にもそんなことをしようとは思わないだろう。運転席に座ったまま“じゃあ、また”と言うだけに決まっている。
 教授は門も開けてくれた。ふたりは門の両側に向かい合って立ち、教授がふいににこっとして言った。「五時ごろ来るからね、ミス・パジェット」
 メアリーは玄関までの、木の茂りすぎた道を歩き、玄関前でふり返った。教授はまだそこに立っていた。入るようにすすめられるのを期待していたのかしらと思うと、落ち着かなかった。でも、ほかの家でお茶を飲むと言ったのだから……。


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