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腹黒貴公子の甘い策略

腹黒貴公子の甘い策略


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

罰ですよ。僕を忘れた罰です。

鈍感な令嬢×美貌の貴公子
ジワジワと囚われる……甘く淫らな独占愛

「可愛い声、もっと聞かせて」田舎で静養をしていたカタリーナが王都に戻ると、弟のように可愛がっていたジェラールが≪麗しの貴公子≫として令嬢たちの憧れの的になっていた。女性を前にすると緊張するという彼に想い人がいることを知ったカタリーナは協力を申し出るが、彼は“練習”と言って淫らなキスや蕩けるような愛撫を仕掛けてきて……!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

 間近で見ると、想像していたよりも随分大きくて、カタリーナは小さく息をのんだ。
 表面は赤みがかった焦げ茶色で、鈍色に艶めいており、わずかに脈打っているのが見てとれる。
「触ってみますか」
 いたずらめかした、それでいて試すような声で、男が問う。
「いいの──?」
 こわごわと、カタリーナは手を伸ばした。
 指先が触れた途端、それはびくんと震えて硬くなり、カタリーナは思わず手を引っ込める。
「大丈夫。怖がらないで、もう一度──」
 男はカタリーナの手首を掴み、もう一度触れるよう促した。
 恐る恐る、カタリーナは指先で触れる。
「あ……っ」
 想像していたよりも、熱い。
「もっと、しっかり触ってみて」
 声をひそめた男の声は少しかすれていて、一言発するごとにカタリーナの耳朶に息がかかる。
 カタリーナはくすぐったさに首をすくめながらも、言われるがままに指を伸ばし、手のひら全体で覆うように当ててみた。
「──っ……!」
 滑らかそうな見た目に反し、触ってみるとそれはごつごつと骨ばっており、じっとりと汗ばみながら逞しく脈打っているのが、肌で直に感じられた。
「いかがです?」
「とても熱いのね。──それに、硬いわ」
 カタリーナは感じたままを素直に答えた。
「緊張しているからでしょうね」
 男が小さく笑うので、カタリーナは意外そうに目を丸めて見上げる。
「ルシファーも緊張しているの?」
 すると、優しさをたたえた琥珀の瞳が、柔らかく細められた。
 まるでカタリーナの言葉を肯定するかのように。
 その途端、カタリーナから余分な力がわずかに抜けた。
「緊張しているのは、私だけかと思っていたけれど──あなたもなのね、ルシファー」
 そう思うと愛おしくなって、それまで抱いていた恐怖がやわらぐ。
 カタリーナは、もう少し力をこめて、それを撫で上げた。
 途端にルシファーが気持ち良さそうに目を細めて顎を反らしたのが見えて、カタリーナは嬉しくなる。
 ゆっくりと、何度か撫でていると、耳元で男が囁いた。
「もう少し力を入れて、強くさすってみてください」
「はい」
「爪をたてないよう、気をつけて」
「はい」
 カタリーナは言われたとおり、爪をたてないよう気をつけながらさする。
「──そろそろいいでしょう」
 ずっと撫でていたカタリーナの手首を掴むと、男は酷薄な笑みを浮かべて言った。
「さあ、乗ってみて」
「えっ」
 思いもよらぬことを言われ、カタリーナはとっさに男を見上げる。
「乗るって……私が、ルシファーに──?」
「ええ、もちろん」
 男はさも当然とばかりに頷くが、カタリーナは躊躇してしまう。
「でも今日は、触るだけって……」
「それだけじゃ足りないでしょう? あなただって、これで終わりでは物足りないのではないですか?」
「そ、それは確かにそうだけど──」
 図星を指されて口ごもるカタリーナを、男が満足げに口角を上げて見下ろす。
「ほら。──乗ってみて」
「でも、私──そんなの無理よ」
「大丈夫。手伝ってあげますよ」
 そう言うやいなや、男はカタリーナの腰を掴むと、軽々と抱き上げた。
「きゃっ!」
 小さく悲鳴をあげると、ルシファーがびくんと震えたので、カタリーナは慌てて口をつぐむ。
「怖がらないで。──ほら、もっと足を開いてください」
「こ、こう──?」
 カタリーナは思い切って足を広げ、勇気を出してルシファーに跨った。
「そう。上手ですよ」
 どく、どく、と太腿にもルシファーの熱や鼓動が生々しいほど感じられて、カタリーナの緊張はますます高まる。
「そんなに緊張しなくてもいいのですよ。──ほら、力を抜いて」
 カタリーナの背後から、男が腰に手を回した。
「そんな、無理、言わないで……」
 未知なる恐怖と緊張で、力を抜くどころかカタリーナの身体は強張るばかりだ。
「困りましたね」
 さほど困ってなさそうな口ぶりでため息をついて、
「これなら、どうです?」
 男はカタリーナの耳を舐めた。
「ひゃぁんっ!」
「ふっ。あなたはここが感じるのですね。──ほら、少し力が抜けたでしょう」
 男は笑いを含んだ声で囁く。
「さあ、動いてください」
「ど、どうやって──」
 たじろぐカタリーナに、男はしれっとした口調で答える。
「そこは自分で考えるものですよ」
「で、でも、初めてだし、私、うまくできるかどうか──」
「大丈夫。僕が支えていますから」
 男がカタリーナの腰を両脇からしっかりと掴む。
 カタリーナが意を決して身じろぎすると、突如、ルシファーがぶるんと身体を振ったものだから、
「ああぁっ!」
 下から突き上げられるように、カタリーナの身体全体が上下に大きく揺れた。
「おっと、危ない」
 バランスを崩しかけたカタリーナを、男が後ろからがっちりと支えた。
「やっぱり私には無理よ……」
 涙目になって振り返ると、すかさず額に唇が押し当てられる。
「──っ!」
 柔らかな感触に驚いていると、次は唇を塞がれた。
 ちゅっと音をたてて離れ、角度を変えてまた口づけられる。
「ふ、ぅんん──」
 思わず声が漏れ、半開きになったカタリーナの唇を、男の舌が割り入った。
「んっ、こんなとこで、やっ──」
「ふっ──。こんなとこじゃなかったら、別にいいんだ」
「そういうわけじゃ──ぁっ、ふ、ぅんん……」
 馬上の雰囲気が甘くなった気配に気づいたのだろう、栗毛の馬が、ぶるるんと不快そうに身体を揺すった。
「きゃぁっ!」
 再びバランスを崩したカタリーナだが、男が腰に腕を回して支えてくれる。
「そう怒るなって、ルシファー。さあ、出発だ」

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