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仕組まれた愛の日々

仕組まれた愛の日々


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 ミシェル・スマート(Michelle Smart)
 イギリス人作家。ぬいぐるみより本を抱いて寝るのが好きだったというほど、生まれながらにして本の虫だった。まだ少女のころ読んだおとぎばなしに、ロマンスの片鱗を感じていたという。「本はいつも胸をときめかせてくれます。まるで初恋のように」と語る彼女は、自分の書くロマンスが、読者の心にもそんなときめきを届けてくれることを願っている。

解説

私の記憶が戻っても、夫の愛は変わらない?彼は今も、私の妊娠を知らない……。

その日、秘書のアンナは朝から頭がひどく痛かった。しかも、いつものように颯爽と現れた社長のステファノからは、なぜか妻と呼ばれ、唇を強引に奪われた。あこがれていたボスの驚きの行動に、アンナは気を失ってしまう。病院で目が覚めた彼女は、医師から記憶喪失だと告げられた。本当に1年前、私は彼の秘書から妻になったの? 女性関係が派手な社長への思いは、胸に封じていたはずなのに。でもステファノは、私がバージンだったと知っていた。じゃあ、このおなかの違和感は二人の赤ちゃんということ?

■結婚していたことさえ覚えていないヒロインを、かいがいしく介抱するヒーロー。けれどそんな彼を見れば見るほど、彼女の胸にはなぜか裏切られたという思いがわきあがり……。ハーレクインでも人気が高い、記憶喪失を扱ったロマンスをどうぞお楽しみください!

抄録

「あなたも家へ帰ったほうがよさそうですよ」危険な犬に追いつめられたような目で、アンナはステファノを見た。「よく知らなかったら、酔っていると思うところです」
 ステファノは、アンナのほうが酔っているのではないかと思った。ろれつがまわっていないし、ふらふらしているようだ。
 だが、彼女の官能的な唇にはあざけられている気がした。ルールのわからないゲームを仕掛けてきたのには驚かされたが、もうその手には乗らない。ルールを決めるのは僕であって、僕を欲望でがんじがらめにした目の前の魔女ではないのだ。
 アンナは最初からすべてを計画していた。そして一年半もの間、わざと僕を寄せつけず、彼女がほしくてたまらないという状態にさせてから、ベッドをともにするためだけに結婚を承諾させた。
 たしかに、僕はそれくらいアンナに夢中だった。だが、問題はそこではない。ステファノはアンナを理解していて、彼女なら信用できると思っていた。若いころに誰も信用しないことを学んだ、このステファノ・モレッティがだ。
 ところがアンナが結婚を迫ったのは、夫の不倫を理由に離婚するためだった。おまけに部下の前で恥をかかせ、夫の財産をたんまり手に入れようとしていた。
 そんな手に引っかかってしまった、自分の愚かさが情けない。弁護士からの電話で、別居中の妻が多額の慰謝料を求めて訴訟を起こそうとしていると聞いたとき、ステファノはアンナの家に押しかけて、じかに対決したい衝動を抑えるのに苦労した。
 静観するのはたやすいことではなかった。問題が解決するのを座って待つのは好きではなかったからだ。問題があれば、原因をさぐって解決する。ステファノはいつでもそうしてきた。だから、子供のころは口や手を出すべきでないときがわからず、さんざんトラブルにも巻きこまれた。
 ステファノは二週間近く耐え、妻が雇った弁護士からの手紙の受け取りを拒否した。あと十日もすれば、二人は結婚して一年になり、法的に離婚できる。そのときアンナは、僕がなにを与えようとしているかを知るだろう。
 妻にはなにもやる気はない。しかしそのことがわかるまで、アンナにはいろいろと苦労させてやる。嘘と偽りの代償を支払わせるのだ。僕が味わわされた屈辱を、彼女にも味わってもらわなければ。たった一年の結婚生活で、一億ポンドとそのほかの財産をよこせだと? その神経が信じられない。
 だが、あれだけのことをされたにもかかわらず、ステファノの目の前にいるアンナへの欲望は少しも衰えていなかった。彼にとって、彼女は今でも世界一セクシーな女性だった。肩にかかる髪は濃い栗色のシルクのようだし、唇はぽってりとしていて、肌は見た目も手触りもクリームのようだ。
 昔の映画スターのように、美しさを鼻にかけていても不思議はないくらいなのに、アンナは自分の外見についてなんとも思っていなかった。身なりに気をつかわないわけではない。服が大好きなのは知っている。しかし、すでに恵まれている美貌を、さらによく見せようとすることはほとんどなかった。
 アンナ・ルイーズ・モレッティ――旧姓ロブソン。女神のごとき顔と体を持ち、ヘビのごとき舌を持つ女性は、頭がよくて狡猾な半面、甘美で愛らしい魅力を備えている。まるで神秘のベールに包まれた大いなる謎だ。
 ステファノはそんなアンナを軽蔑していた。
 だが、ベッドでは彼女が恋しかった。
 ずっと昔に誓いを立てて以来、ステファノはどんなひどい感情も押し隠し、別の分野に向ける達人になった。しかし、アンナはほかの誰とも違うやり方で彼の心に入りこみ、壁を殴りたくなる気持ちと、彼女に触れたくてたまらなくなる気持ちを同時に感じさせた。
 従順な女性でないのは、最初に会ったときからわかっていた。それでも、あんなまねをしておきながら、会社に戻ってくるほどずうずうしいとは思わなかった。
「僕は酔ってはいない」ステファノが身を乗り出して息を吸うと、アンナの香りがした。同じ香りがするシーツは何度洗っても無臭にならず、全部捨てて新しいものに買い替えた。「だが、君に記憶障害があるのなら、思い出すのを助けてやろう」
 大きく見開いたアンナの目に、警戒の色が浮かんだ。しかし返事をする間も与えず、ステファノは彼女を引き寄せて唇を重ねた。
 妻がショックで身を硬くしたので、ステファノは唇を押しつけながら笑った。ゲームをしたければ、ルールを作るのはアンナではなく、僕だということをわかってもらわなければ。僕はルールを作り、壊すことができる。そして、最後には妻も壊してやるのだ。
 重ねた唇と、胸板に押しつけられたアンナの胸の感触と香りのせいで、ステファノの体が熱をおびた。すると罰を与えていたはずが、スイッチが切り替わるように欲望が燃えあがった……。
 突然アンナが横を向き、キスを終わらせた。同時に、彼女の手がステファノの頬をたたいた。「なんのつもり?」手の甲で唇をふいたアンナの口調には、驚きと怒りが表れていた。「あなたは……」言葉がとぎれる。
「僕は?」ステファノはいつもの口調を保って、ゆっくりと尋ねた。二人の間にどんなに激しい情熱の火花が散るのかを、彼は忘れかけていた。たった一度キスしただけで、経験のないティーンエイジャーのように興奮する記憶も薄らぎつつあった。
 アンナはまばたきをした。ふたたびステファノを見たとき、その目には怒りではなく恐怖が浮かんでいた。多少は残っていた顔色も失われているようだ。「ステフ――」
 彼女はよろめき、ステファノのほうへ手を伸ばした。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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