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一日だけの花嫁【ハーレクイン文庫版】

一日だけの花嫁【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リン・グレアム(Lynne Graham)
 北アイルランド出身。七月三十日生まれの獅子座。十代のころからロマンス小説の熱心な読者で、初めて自分でロマンス小説を書いたのは十五歳のとき。大学で法律を学ぶと同時に、十四歳のときからの恋人と卒業後に結婚。この結婚生活は一度破綻したが、数年後、同じ男性と恋に落ちて再婚するという経歴の持ち主。イギリス郊外に家と五エーカーの森林を持ち、そこで現在、スリランカとグアテマラからの養子を含めた五人の子供を育てている。時間のあるときは大好きな庭仕事に励み、得意のイタリア料理に腕をふるう。小説を書くときのアイデアは、自分自身の想像力とこれまでの経験から得ることがほとんどで、彼女自身、今でも自家用機に乗った億万長者にさらわれることを夢見ていると話す。ロマンス映画も大好きだが、ハッピーエンドでないものは好きではないという。

解説

19歳のモリーはたった1日だけの花嫁だった。挙式したまさにその夜、夫ショルト・クリスタルディは、泣きすがるモリーを振り切り、愛人のもとに駆けつけたのだ。金融業界のトップの座にあり、社交界のスターであるショルトは、翌朝、愛人宅から出てくるところを新聞にスクープされてしまう。厳格な親によって、男女の営みは汚らわしいと躾けられた潔癖なモリーには、この仕打ちは耐えられるものではなかった。夫と別れて4年、だが運命は残酷にも、二人を引き合わせる。何事もなかったような我が物顔で、夫に全てを奪われるために。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「君はドナルドのことで重大な過ちをおかしている」
 モリーは一瞬とまどったが、すぐにその冷然とした言い方にかっとして言い返した。「彼のことなんか何も知らないくせに、よけいなお世話だわ!」
「彼となら、君の両親のあとを立派に継げるだろうね。そして君はパンを焼きながら、一生叫び続けたい気持ちを抑えてにっこり笑う……でなければ嘘をつくことの重圧に耐えかねて頭がおかしくなってしまうかだ。君は彼を愛していないんだからね」
 モリーは肺を風船のようにふくらませて、大きく息を吸い込んだ。「どうしてあなたにそんなことがわかるのよ!」
「僕にしかわからないことだよ」ショルトは憎らしいほどクールな口調でゆっくりと言った。「君は昔、僕に夢中だった。物静かな外面の下で、煮えたぎる情熱や嫉妬の炎がマッチを待っているダイナマイトみたいにくすぶっていたものだった。危険だが、刺激的な経験ができる日が来ると思ってたよ」
「そんな口のきき方はよして!」モリーはいわれのない非難に片ひじをついて体を起こした。声が震えている。
「気をつけて」ショルトは物憂げに言いながら、モリーの上気した顔から華奢な肩を滑り落ちそうになっているTシャツへと視線を移した。「肌が見えているよ」
 モリーはぱっと起き上がり、ゆったりしすぎて言うことを聞かないTシャツの襟元を引っぱり上げた。「私はドナルドがとても好きなのよ」
「結婚を続けていくには、それだけじゃ足りないな。まあ、彼なら君のお義父さんも文句はないだろう。かわいがったり意地悪したり、楽しみだろうね」
「お義父さんから好かれなかったからといって、そんなことを言うのは……」
「ドナルドは君の相手としては年を取りすぎてるよ。ほんとうの君がどんな人間か、わかるはずがない」
「私を異常な人間みたいに言わないでよ!」モリーはぎゅっとこぶしを握って反撃した。「私はドナルドを信じてるわ。彼ならぜったい私を裏切ったりしない」
「僕は裏切ったと言いたいのか?」
 モリーは平手で叩かれたようにびくっとした。心の傷が刻み込まれた大きな緑の目を伏せる。沈黙が脈打った。真っ暗なトンネルの中で逃げ場もなく、突進してくる電車の地響きを聞いているような気持ちだった。不用意にも、ショルトの金色に燃え立つ挑戦的な瞳を見てしまった。喉が詰まり、胃が苦しくなる。
 モリーは目を落としてショルトを視界から追いやった。どういうわけか、二人は危険な領域に足を踏み入れてしまったのだ。動揺を悟られまいとするあまり、モリーはひどく慎重になっていた。「疲れたわ……もう眠りたいの」
「それで僕が“じゃ、おやすみ”と言うと思ってるのか?」ショルトはすっと体を動かして、あっと言う間に二人のあいだの距離を埋めた。「自分の声に耳を傾けるんだ。優等生ぶってパーティーに水を差さないでくれ」
「ショルト……もういい加減によしましょうよ」
 モリーの不安げな顔を見下ろすショルトのハンサムな顔に、モリーの心を焼くような笑みが宿った。人差し指が、ゆっくりとじらすように円を描き、枕にこぼれ落ちている艶やかな赤毛にからみつく。「でも、まだ始まってもいないんだよ、カーラ」
 モリーは驚きのあまり目をしばたたいた。あの忘れようもない魅力的なほほえみに、心臓をぐいっとつかまれるようだった。しだいに理性がかすんでいく中、喉に息がつかえた。
「始めるって何を?」モリーはショルトを見上げたまま、とまどいがちにたずねた。
「昔の僕たちがどんなだったか忘れてしまったらしいね」ショルトはそっとつぶやいて、黒髪の頭を自信たっぷりに下ろした。
 モリーは何だか混乱してしまい、不安をたたえた目でショルトをひたすら見つめた。何てすばらしい目なのかしら……。黒いまつげに縁取られた彫りの深い金色の瞳が、モリーを一心に見つめている。まさか、キスするはずはないわよね。そんなこと、するはずないわ。そう思ったとき、彼の魅惑的な唇がゆっくりと下りて、モリーの唇と重なった。夢の中の出来事のように思えてぼうっとしているうちに、彼の舌が唇をそっとたどった。その瞬間、無防備だったモリーは、いきなり恐ろしいほどの興奮に包まれた。
 モリーは彼を止めるつもりで肩に手をかけた。ところが、がっしりした肩は意外にもサテンのようになめらかで、心地がよかった。心と体がたたかうあいだ、手は拒もうとしながらも拒みきれずに、温かい褐色の肌にかかったままだった。そして迷いも思考もなくなった。彼女の中で時間が止まり、過去に向かって戻り始めた。
 ショルトはたくましい腕でモリーを引き寄せて、さらに激しく求めた。その情熱的で略奪するようなキスに、モリーの口からうめき声がもれた。体が熱くなり、血が全身を駆け巡る。それでもショルトは、モリーがくらくらになって彼にしがみつくまでやめようとはしなかった。
「最高だろう?」彼のハスキーな声に冷笑がこめられているような気がして、モリーの背筋がぞくっと震えた。なのにふたたび彼の腕に抱かれると、やはり天にものぼるような心地になり、モリーは彼の豊かな黒髪にためらいがちに指を差し入れた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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