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雪夜の秘めごと メイド物語 IV

雪夜の秘めごと メイド物語 IV


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュメイド物語
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェシカ・ギルモア(Jessica Gilmore)
 イギリスのヨークに夫と娘、ふわふわの犬、犬嫌いの猫2匹、金魚と共に暮らし、慈善活動や犬の散歩などに勤しんでいる。空想するのが趣味でハッピーエンドをこよなく愛する彼女は、ロマンス小説家になれた幸運が今でも信じられないという。

解説

凍えるシンデレラを温めた、美しい瞳のイタリア大富豪――

ロンドンに出てきたソフィーは派遣メイドとして働きながら、デザイナーになる夢をかなえようと懸命に努力している。ある夜、豪華なパーティでのウエイトレスの仕事を終えたあと、不運にも帰宅するためのバスに乗り遅れ、大雪が降ってきた。そのとき、凍える彼女に上等なコートを貸してくれたのは、魅力的な瞳をした、はっとするほど美しいイタリア人マルコだった。彼に誘われるまま一夜を明かした翌朝、恋に不慣れな彼女は自分らしからぬ行動が急に怖くなり、書き置きひとつ残さず逃げだした。数日後、友人が催す舞踏会に出席したソフィーは鋭い視線を感じとる。ああ、マルコ! 恥ずかしさに、彼女は再び逃げようとするが……。

■富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、作家競作シリーズ〈メイド物語〉もついに最終話を迎えます。友人たちが次々と理想的なパートナーに出会い、置いてきぼりにされたような寂しさを感じているソフィー。彼女に幸せは訪れるのでしょうか?

抄録

 あの夜と同じ、激しい情熱が体を突き抜け、マルコは思わずあえいだ。翌朝、もし彼女がまだかたわらに寝ていたら、どうしていただろうか。彼女をふたたび引きよせたのか。それとも、朝の冷たい光にさらされて、彼女とのあいだにあえて距離をとったのか。しかし、彼がそのどちらかを選ぶ必要はなかった。なぜならソフィーは、前の晩に降った雪のように、きれいに消えてなくなっていたのだから。そしてあのときマルコは、“このほうがいい”と自分に言いきかせたはずだ。なのに、こうしてふたたび彼女を目の前にすると、なぜ黙って消えたのか、そのわけを知りたいと思った。
 マルコが振りかえると、ソフィーは相変わらず血の気が引いた顔で彼を見つめていた。
「どう振る舞えばいいのか?」彼はかすかに口をゆがめた。「あんなことに、なにか決まりごとでもあったのかな?」
 彼女の頬がピンク色に染まった。「わたし、別にお相手を探していたわけではないの。それに、見知らぬ人と簡単に一夜を過ごすようなタイプでもないわ。普段はね。だから、どう接するのが礼儀にかなっているのかがわからなくて」
「それは、ぼくだって同じだ。だからって、このクローゼットで一晩過ごすつもりもないけど」
「そうね。でも、ここを出たあとはどうすればいいの? お互いに顔見知りであることを認めるべきかしら。それとも、知らない人のように振る舞うべきなの?」
 理想的には後者だろう。しかしぼくは今夜、気晴らしを求めていたのではなかったか。だとすれば、銀色のミニのドレスを着たソフィー・ブラッドショーほど、ふさわしい相手はいない。「どちらにするか、ぼくに決めろというのかい? だったら、第三の案でいこう。ぼくがきみにダンスを申しこむというのはどうだろう」
「わたしにダンスを申しこむ?」ソフィーはいっそう大きく瞳を見開き、それまで以上に体をテーブルに押しつけた。「でもわたしは、書き置きも残さずにあなたのもとを去ったのよ! おまけに、あなたに会うなり、逃げだしたわ」
「そのとおり。でも、もしぼくとダンスをしてくれれば、きみのエチケット違反は水に流そう」
「わたし、特別な関係は求めていないって言ったはずよ」
「ああ、聞いた。そして、それはぼくもまったく同じで、きみと同様、雪のなかで見知らぬ相手を誘う習慣もない。だとしたら、お互いもっと知りあってもいいんじゃないかな? もっとも、きみが誰かと同伴で来ているなら別だが」彼女がほかの男性と一緒だと思っただけでこぶしに力が入るのが、マルコにはなんとも意外だった。お互いにそれほど強く惹かれあったわけでもないし、ソフィーとなら安心して楽しい時間を過ごせるというだけのことなのに。もっともその結果、雪の晩と同じことになったとしても、まったく問題はない。マルコは六〇年代の流行を取り入れた彼女のミニドレスや美しいふくらはぎ、形のいい腰などに目を走らせた。そう、問題などあるはずがない。
「いいえ、ここへは女友達と、その夫や婚約者たちと一緒に来たの。みんなとてもいい人で、わたしをなんとか仲間に入れようと、いろいろ気を遣ってくれているわ。でも、とにかくみんな熱々で、わたしはどう見たって邪魔者だわ」
 ソフィーは迷っているようだった。なら、もう一押ししてみよう。「そういうことなら、ぼくたちが再会したのも運命かもしれない」マルコは言った。「自分が邪魔者と感じたときは、いつでもぼくと踊ればいい。そのときのために合図を決めておこう」
「合図?」
「鼻をこするとか、耳たぶに手をやるとか。その合図を目にしたら、すぐにきみを退屈な恋人たちから救いだしてあげよう」
「いえ、誰もわたしを退屈させようとは思っていないわ。でも、もし合図をしても、あなたが気づかなかったら?」
「それは心配しなくていい。ぼくは、間違いなくきみを見ているはずだ」彼は断言した。「だけど、万が一のときのために、新年を一緒に迎えるための場所だけは決めておこう……」マルコは約束の場所をどこにしようかと考えていた。
「このクローゼットの外ではどう?」
「完璧だ。では、この外で十一時に」
「でも、十一時では、新年まで一時間もあるわ」
「ぼくをおいていった罰として三十分、そしてぼくを見て逃げだした罰として、もう三十分ぼくと踊ること。ぼくはイタリア人でプライドが高い。おまけに男性としてのプライドを傷つけられたとなれば、そのくらいではまずすまなかったと思うな」
 ソフィーの頬に、えくぼが浮かんだ。「わかったわ。じゃあ十一時に。その前に、もし助けが必要になったら……そうね、髪に手をやることにするわ。それでいい?」
「わかった」マルコがクローゼットの扉を開けてソフィーを先に出した。狭い戸口で二人の体がふれあい、マルコはその部分がやけどでもしたようにひりひりするのを感じた。外に出ると彼は、ソフィーの手を口元まで運んでキスをした。「では、十一時にまた、シニョリーナ。きみともっとお近づきになることを楽しみにしているよ」
 マルコはそう言うと扉に寄りかかり、ソフィーが舞踏会場に消えていくのを見つめた。そう、彼女なら、最高の気晴らしができる。ふいに、退屈だったパーティが希望に満ちたものに変わった。


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