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一夜が結んだ絆【ハーレクイン・セレクト版】

一夜が結んだ絆【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャロン・ケンドリック(Sharon Kendrick)
 ウエストロンドン生まれ。写真家、看護師、オーストラリアの砂漠での救急車の運転手、改装した二階建てバスで料理をしながらのヨーロッパ巡りなど、多くの職業を経験する。それでも、作家がこれまでで最高の職業だと語る。医師の夫をモデルにすることもある小説のヒーロー作りの合間に、料理や読書、観劇、アメリカのウエストコースト・ミュージック、娘や息子との会話を楽しんでいる。

解説

「ぼくに話すべきことがあるんじゃないか?」イタリア人実業家で元婚約者のダンテに迫られ、ジャスティナはもう逃げられないことを悟った。9カ月前のあの夜、二人はたがいに激しく求めあった。身分差を理由に彼の親族から疎まれて破局した過去も忘れ、最後の一夜のつもりで、ジャスティナは自らを捧げたのだ。彼の子を身ごもってしまうとは、思いも寄らなかった――。妊娠を知って追ってきたダンテの目は怒りに燃えている。なのに彼は臨月の彼女に熱く口づけし、お腹を優しく撫でる。まだ愛していることを悟られまいと、ジャスティナは抗うが……。

■長年ロマンスの第一線を走り続ける人気作家S・ケンドリック。妊娠をきっかけにした復活愛を描く今作には、印象的な台詞があります。「愛は死んだとばかり思っていたが――」に続く、ヒーローの感動的な告白をお見逃しなきよう。感涙必至です。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 あのときジャスティナは、どうにかきびすを返してエレベーターまで戻った。ホテルの外でタクシーを拾ったが、鋲付きブーツで胸を踏みつけにされたようだった。
 それ以来ダンテとの連絡はすべて断ち、彼を忘れるためにはなんでもした。これ以上は無理というほど細心の注意を払って、彼に関する情報を遮断した。写真もすべて破り捨てた。彼に惜しみなく与えられた宝石類はすべて売り払い、得たお金は慈善事業に寄付した。
 ダンテは問いかけるようにまだこちらを見ているが、わたしがどれほど傷ついたか、彼には絶対にわからない。「あなたがあんなに早く気持ちを切り替えられるなんて思わなかったわ!」
「待つべきだったと言うのか?」ダンテは怒りをこめて尋ねた。「すでに長々と待たされていたのに? きみがワールドツアーに出ているあいだも待っていた。テレビのインタビューや新聞の特集記事の取材を受けているあいだもずっと。ぼくがどういう男か知っているだろう? ぼくは若くて、飢えていた。ぼくが愛した女性にはそばにいて、支えてほしかった。満たされない欲望だって抱えていた。きみに強いられたような生活には我慢できなかった。まったく離れ離れの生活だなんて」
「もう終わったのよ」ジャスティナはそっけなく言ったが、彼の言葉に胸が痛んだ。ぼくが愛した女性――過去形だ。愛は消えたのだ。彼にとってだけでなく、わたしにとっても。「過去のことよ、ダンテ。結局、誰にとってもそれがベストだった。少なくとも、きっぱり別れることはできたじゃない」
 ジャスティナの表情を探った瞬間、後悔の波がダンテを襲った。そして、罪の意識が。氷の指でつかまれたような胸の痛みには、なすすべもなかった。「彼女と一緒のところを、きみは見てはいけなかったんだ。きみを傷つけたとしたら、すまない」
 ジャスティナはうなずいた。ダンテに傷つけられたことを当人に認めさせるためなら、なんでもする。そう思ったこともあったけれど、今となれば、あとづけの言い訳に聞こえる。彼との恋愛にはっきりと終止符を打たなければ、決して先へは進めないかのようだ。まさにダンテの思惑どおりに。
 それでも、真実からそうかけ離れてもいない。いくら忘れようとしても、ダンテを過去のものにできずにいるのだから。いまだに昔の自分に閉じこもったまま、恋人だったころの彼を思いだしている。ダンテと比べられたら、ほかの男性に勝ち目はない。
 わたしはまだ、彼のことを理想化しているのかもしれない。申し分のない恋人として偶像化したせいで、男性を見る目がゆがんでしまったのかもしれない。そのせいで、誰も越えることができないような高い壁を自分のまわりに築いているのだろうか?
 プライドが言わせる軽率な言葉でも、ステージでのキャリアのおかげで、ジャスティナはそれなりの説得力をもって口にすることができた。「わたしが感じた痛みは、成長するためのステップに過ぎないわ。あなたは、わたしが“大人の女”になるために必要なレッスンを与えてくれただけよ」
 一瞬、凍りついたような沈黙があった。口を開いたダンテの声には黒い怒りがにじんでいた。「今までいろいろな言葉で評されてきたが、こんなのは初めてだ」舌先でゆっくりと上唇をなぞる。「そのレッスンで、ぼくはきみにいい成績を与えたかな?」
 とたんにジャスティナの胸の鼓動は速くなり、半ば忘れていた欲望に体が熱くなった。まだ間に合ううちに、この車から降りなくては。だが手足が石のようにこわばって動かない。「覚えて……ないわ」
「覚えてない? それは残念だ。ならば、きみの記憶を呼び起こさなければならない」
 欲望で陰ったダンテの目に挑戦的な光が浮かび、彼の口が意味ありげに開かれる。わたしが何かつぶやいたのだろうか? あるいは、彼の提案も悪くないという気持ちが顔に出てしまったのかもしれない。だから、ダンテは近づいてきたの?
 次の瞬間、ふたりはキスをしていた。ジャスティナはキスの仕方も忘れていた。ダンテの両手がウエストにまわされると同時に、彼の肩に手を伸ばす。たちまち、サテンの生地で覆われた胸に彼の指が走り、ジャスティナは煩悶のうめき声をあげていた。
 ダンテはふたりのシートベルトを次々に外したが、狭い車内では、窓はすでに湿気で曇り始めていた。姿勢を変えるのも難しかった。体を動かすスペースもないのに、チャイナドレスがさらにそれを難しくする。ダンテがイタリア語でせきたてるようにつぶやくまで、ホテルのすぐ外に止めた車内にいることもすっかり忘れていた。彼は重ねていた唇を引きはがした。焦りといらだちが瞳にくすぶっている。
「ここではだめだ」首を左右に振り、ダンテが言った。「こんなではなく、なかへ入れてくれ、ジャスティナ」彼は顔を近づけ、唇を重ねようとする。「はじけてしまう前に、きみのなかに入れてくれ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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