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涙のロイヤルウエディング

涙のロイヤルウエディング


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キム・ローレンス(Kim Lawrence)
 イギリスの作家。ウェールズ北西部のアングルジー島の農場に住む。毎日三キロほどのジョギングでリフレッシュし、執筆のインスピレーションを得ている。夫と元気な男の子が二人。それに、いつのまにか居ついたさまざまな動物たちもいる。もともと小説を読むのは好きだが、今では書くことに熱中している。ハッピー・エンディングが大好きだという。

解説

悪名高いプレイボーイに、無垢な心は盗まれて……。

「政略結婚ですか?」「ルイス王子はいつプロポーズを?」大混乱のなか力強い腕で高級車に押しこまれたサブリナは、救い主の顔を見て驚いた。隣国の皇太子ルイスの弟、セブ――あまたの女性と浮き名を流す“王家の黒い羊”だったからだ。さらに驚くことに、彼はいきなりサブリナの唇を奪った。生まれて初めて感じた甘いおののきに戸惑いながらも、祖国のために政略結婚を受け入れた彼女は夢想だにしなかった。品行方正なルイスが恋人と駆け落ちして結婚式に現れず、代わりにセブと結婚させられることになろうとは。

■あまりにも魅惑的なセブとの愛なき結婚生活に苦悩するサブリナ。父王に疎まれて育ったあげく突如として王位継承者となったセブは公務に忙殺され、夫婦の溝は深まるばかりで……。人気作家が王室の光と闇を流麗に描く、ドラマチックなロイヤル・ロマンスです!

抄録

「何がおかしいの?」
 セバスティアンが目を見開いた。「すまない」まったくそう思っていない口調だ。「君の犠牲に僕は感激するべきだったかな? いや、おもしろいなんて思っていないよ、カーラ。僕は悲劇だと思っている。君がそこまで意気込んで殉教者になろうとしているんだから。洗脳だと非難したいところだが、おそらく君がずっといい子だったせいだろうね」
 サブリナの肺から怒りの息がもれた。「どこかの誰かと違って、私は大人なのよ。それに自分が殉教者だなんて思っていないわ!」声が震えた。セバスティアンの言葉によって解き放たれた激しい感情のせいで、サブリナのすべてが震えていた。「あなたは義務や奉仕の概念を嘲笑えばいいわ。でも私は、あなたの言ったとおり、いい子でいるほうが好きなの。刺激を求めて遊びまわる自分勝手なろくでなしでいるよりも。あなたはこれまでの人生で、自分と自分の楽しみ以外のものを優先したことが一度でもあって?」
 一瞬、セバスティアンの顔を賞賛のような表情がよぎったように見えた。だが、おそらく思い過ごしだったのだろう。彼は首を傾けて考えるふりをしてから認めた。「たぶんないな」
「とにかく、自分勝手なろくでなしになるような贅沢は、誰にでも許されているわけじゃないのよ」
「君は尊敬に値する職業についている。僕としては、二、三年がたって君が冠を戴くとき、今と同じ気持ちでいることを祈るばかりだ。いろいろなものをあきらめただけの価値はあったとね」
「私は何もあきらめていないわ」
「仕事はどうだ? どうして時間も努力も金も無駄にした? その技能を生かす気もないのに、君は医師の資格を取った」
 サブリナは目を落とした。「研究は重要よ」
「当然だ。だが、研究は君抜きで続けなければならないだろう。というのも、僕は君を大使館に届けろと指示されたからだ。我が国の」
「私は小包じゃないわ、人間よ!」
「もちろん、感情を持つ人間だ。僕は礼儀がなっていなかった。泣くなら、この肩を貸そう……」セバスティアンが身を乗り出した。サブリナはかすかなコロンの混じる男性の体の香りを感じた。「さあ、どうぞ」
「肩なんて必要ないわ。それに、もし必要だとしても……」
「僕は単なる予備でしかない」セバスティアンは大げさなため息をつくと、座席にもたれた。「よくわかっているよ。君は王冠を戴く男のために自分を大切に取ってある」
 サブリナは両手を握りしめ、セバスティアンをにらみつけた。「あなたって本当に最低ね。わかっている?」
「そして君は、とても美しい」セバスティアンの顔をちらりと疑わしげな表情がよぎった。「待てよ、君は……」彼はサブリナの顎に指を添え、自分のほうに顔を向けさせた。「そうだ、君は赤くなっている!」
「赤くなってなんかいないわ」突然サブリナは、ある可能性に気づいた。それならセバスティアンの侮辱的な態度と大胆な瞳の輝きの説明もつく。「飲んでいるのね?」
「少なくとも二時間はしらふだよ」セバスティアンが運転席の男性に聞こえるように声を張りあげた。「チャーリー、僕たちが外に出たのは何時だった?」
「たしか午前四時です」タトゥーの男性が教養のある話し方で答えた。
「本当に? ああ、そうか、だったら僕は完全にしらふだ……いや、まあ、完全とは言えないかもしれないが。ああ、着いたぞ」車が大使館の前で止まった。「もう少しで忘れるところだった。ルイスがよろしくと言っていた。あと、これも」
 セバスティアンが再び身を乗り出し、サブリナはショックで動けなくなった。彼は二人の唇を重ねて、ゆっくりと官能的なキスを深めていく。いつしかサブリナもセバスティアンの首に両腕を回し、無我夢中でキスを返していた。自分の中から熱い欲求が噴き出している。こんな感覚はこれまで一度も経験したことがない。
 引きしまったセバスティアンの体を震えが駆け抜けるのを感じる。彼の舌が唇の間に忍びこんだとき、その欲求がさらに強まった。サブリナは彼の唇に向かってうめき、自ら体を押しつけた。全身が炎となって燃えあがっている。欲しくてたまらない……でも、何が欲しいの?
 幸いにも、答えが見つかる前に、始まったときと同じく唐突にキスが終わった。
 サブリナは震えながら目を見開き、あえぐように息を吸いこんだ。セバスティアンは座席にもたれ、あの強烈なまなざしをこちらに向けている。
「よくもこんなまねを」平手打ちの音が大きく響いた。
 セバスティアンが打たれた頬に触れ、ゆっくりと言った。「伝言を伝えた者に平手打ちをするなんて許されないよ、カーラ」
「ひどい人ね!」サブリナは喉を詰まらせた。そして軍服を着た男性がドアを開けたとたん、ころがり出るように車を降りた。
 緊張した足取りで大使館の段差の小さな階段をのぼるとき、セバスティアンの笑い声が聞こえた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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