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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクインSP文庫

小悪魔

小悪魔


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクインSP文庫
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★☆☆☆☆1
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

17歳のアレクサンドラはダンスパーティーで一人の青年と恋に落ち、すぐに結婚の約束をした。だが、両親亡きあと世話になっている姉夫婦は猛反対だ。まだ若すぎるからなどという理由では、アレクサンドラはとうてい納得できなかった。なぜこれほどまでに反対するの?彼女の疑念はじきに晴れた。姉の夫の兄、ドミニクの強力な助言が後押ししていたのだ。愛人を絶やさないプレイボーイが、私の結婚を邪魔するなんて! 激怒した彼女は家を飛び出し、ドミニクのもとへ車を走らせた。

抄録

 帰るとアレクサンドラはまっすぐ居間に向かった。ドミニクがいすにかけ、新聞を読んでいる。それを見て、アレクサンドラはぱっと足を止め、そっけなく言った。「ただいま」
「お帰り」ドミニクは新聞をおろしもしなかった。
「今朝、姉のお見舞いにいらしたそうね」
「ああ、行ったよ」
「行く時はわたしも連れていってくださると思っていたわ」
 ドミニクが新聞をおもむろにおろし、数歩先に立っているアレクサンドラに無遠慮な視線を走らせた。
 その視線が、ジーンズに包まれた細い腰に止まり、それから、薄手ウールのタンクトップにくっきり浮かぶ胸まで、ゆっくりはいあがっていく間、アレクサンドラは気づまりでもじもじした。生々しいほど男臭い視線で、その目の問いかけに、頬が熱くほてった。
「どこであろうと、わたしと一緒には行きたくないだろうと思っていたよ」ドミニクがようやく口を開いた。
 アレクサンドラは、官能的に動く相手の唇から無理に目をそらした。「そうよ。わたしは別にご一緒したくはないわ。でも、姉はきっと変に思ったわ」
 ドミニクは眉をひそめた。「また心配させてきたんじゃないだろうね?」
「いいえ」いつものけんか腰になって答える。「あなたがどんな立派なホストぶりを発揮しているかも話しませんでしたけどね」
「しかたないさ。うちの中に四六時中、年ごろの娘がいるって考えになじめないんだから。夜昼なく女がそばにいるのに慣れてないんだよ。ここはもともと男所帯だからね」
「悪うございましたわね」アレクサンドラはアームチェアにすとんと腰をおろして皮肉った。「あなたの生活に女性は何をおいても欠かせないと思っていたわ」
「その話は、君が一人前の女になってからにしよう。ゆうべ止めにはいったあんな幼いシーンでショックを受けるようでは、わたしにとって女がどんなに大切か、詳しく話したら、君は入院ものだよ。ただ眺めるだけの女が家の中にいるってのは、新しい経験なんだ」
 今しがたのドミニクの目つきを思い出し、あまりこちらを見ないでほしいと思う。体中の神経がドミニクを意識し、足から力が抜けていくようだった。一瞬、ドミニクが、自分を苦しめる相手ではなく、危険なほど魅力的な男性に思えた。でも、ドミニクの女のあしらい方や、昨日の朝見た、サブリナとの別れぎわの場面を忘れてはいけない。
「あなたの女の扱いは先刻承知よ」
「サブリナのことか」ドミニクがにやっとする。
「そうよ!」
「どちらも必要があって、利用し合っているのさ」
「不潔だわ!」
「そう見えるだろうね、君には。でもね、こういう関係なら、嫉妬や束縛もないからね」
「愛もないわ」
 ドミニクはばかにしたように笑った。「愛ってなんだい? ああ、説明しようなんて気は起こさないでくれよ。なんにもわからずに、君は話しているんだから」
「あなたよりはましな考えを持っているわ」
「ひとつ確かなことは、君がここ数カ月、恋に恋していたってことだよ。若い娘がだれしも通る道だ。マリアンもそうだった。それを本物だと信じたわたしが不運だったのさ。ロジャーも、十四年前のわたしと同じ苦しみを味わっているんだよ」
「ロジャーの話はしたくないわ」
「彼が思いきってちょっぴり情熱を見せたからかい?」ドミニクは首を振った。「あんなのはたいしたことないさ。本当の男に会ったらわかるよ」
「本当の男!」アレクサンドラはあざけった。「ご自分がそうだと思っているんでしょう」
「その必要はないね。他人が思ってくれるからね」
「わたしはそう思わないわ。あなたは傲慢で尊大なだけよ」
 灰色の目がすっと細くなり、アレクサンドラをじっくりみつめる。「さっきから、わざと突っかかってくるようだね? どうしてだろう? ほかの男と違うかどうかわたしに興味があるってことなのかい?」
「違うわ……わたし……」アレクサンドラは目を大きくして、きっぱり言った。「ぜったいに違うわ」
 ドミニクが、茶色のシャツの下で筋肉を波打たせ、おもむろに立ちあがった。アレクサンドラのうつむいた頭に、挑むような視線を注ぎながら近寄ってそっとささやく。「喜んでご期待にそうよ」
 アレクサンドラは、ドミニクのズボンのベルトをまっすぐ見すえたまま、急に乾いてきた唇をなめた。「冗談はよして。わたしはただ……」
「わたしにこうするように仕向けただけ」ドミニクが相手の言葉を引き取って続ける。「君がはいってきた時、こっちに投げたあの視線。ちゃんと気づいていたよ。あれは、あどけないってものではなかった」
「わたしの視線ですって?」青い目で、冷たい灰色の目をかちっと受け止め、熱くなってさえぎる。「あなたのほうだわ……わたしを裸にして見ていたくせに」
「そうさ」ドミニクはあっさり認め、アレクサンドラをびっくりさせた。「君がゆうベロジャーと一緒にいた時ね、あの時、君の肌がTシャツからちらっと見えたんだ。それで、ほかはどんなふうなのか、知りたくなったんだよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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