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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

欺かれた無垢な花嫁

欺かれた無垢な花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャサリン・ガーベラ(Katherine Garbera)
 フロリダで育ったのち、イリノイに引っ越した。テーマパークで知り合った夫との間に二人の子供がいる。高校時代水泳チームの練習中に物語を作り始めた。ジョージア州ロマンス作家協会マギー賞を受賞後、作家デビュー。ウォールデンブックスのベストセラーリストにも登場している。

解説

この身に宿した愛しい命を祝福してもらえると信じて決めた結婚なのに。

キャシディは妊娠9カ月。子供嫌いな大企業の副社長ドノヴァンに、妊娠を打ち明けられず別れたきりだったが、その日、驚くことに彼が突然訪ねてきた。「結婚してくれ、キャシディ。ぼくたちの赤ん坊の父親になりたい」ああ、わたしだって本当はあなたが恋しくてたまらなかったのよ! でも……義務感からのプロポーズなら受けるわけにはいかないわ。「離れていた間に、きみの大切さが身に染みてわかったんだ」誠実なドノヴァンの言葉に、キャシディも心を開き、彼の変化をいぶかりつつも求婚を受け入れる――まさかそれが、彼がCEOに就任するための便宜結婚とはつゆ知らず。

■USAトゥデイのベストセラー作家、キャサリン・ガーベラの作品です。CEOになるには妻と子供が必要と知って、元恋人を訪ねた野心家のヒーロー。彼女が自分の子を宿しているとわかるや、これ幸いと事情を伏せたまま、結婚を承諾させたのですが……。

抄録

「どうして結婚を隠しておきたいんだ?」
 キャシディが頬を染め、抱えるようにした丸いおなかを片手でそっと撫でた。「子供ができたから結婚するんだって、みんなに思われたくないの」
「キャシディ、くだらないことを言うなよ。世間がどう思おうと関係ないだろう?」
「でも、わたしは気になるの」キャシディが小声で言った。
「それなら、きみの好きなようにすればいい」
「本当に?」
「ああ」
「ありがとう」
「いいんだ」ドノヴァンはそう言って、キャシディを抱き寄せた。彼女が腰に腕を回して、ぴったりと体を寄せてくる。熱い吐息が首筋をくすぐった。ふくらんだおなかのせいで抱き心地は以前と少し違ったが、それでもこんなふうにキャシディを抱くと、とてもしっくり来る。
 ここへ来た本当の理由がなんであれ、この状況こそぼくが望んでいたものだ。ドノヴァンは、自分を見上げるキャシディの茶色の瞳をのぞき込んだ。
 両手で頬を包み込み、顔を近づけると、キャシディが背伸びをして迎えてくれた。ふっくらとした唇を二、三度唇でこするようにすると口が開き、キャシディの舌がドノヴァンの唇をなぞった。
 かつてキャシディと交わした口づけを、ドノヴァンはずっと忘れられなかった。キャシディほど相性のいい女性は初めてだった。ベッドの中で気まずい思いをしたことは一度もない。キャシディの唇は、なんとも言えない蜜のような味がする。舌を差し入れると、自分がどれほどこの口づけを恋しく思っていたか思い知らされた。
 キャシディがしがみついてきて、さらなるキスをせがむように首をそらした。ドノヴァンはキャシディの髪に手を差し入れ、親指の腹で耳の下のくぼみを優しく愛撫した。キャシディが気持ちよさそうに喉を鳴らすのを聞いて、思わず低い声をもらした。片手を下ろしてヒップのふくらみをつかみ、さらに抱き寄せる。キャシディが身を寄せたその瞬間、なにかに腹部をつつかれて、いっきにわれに返った。さっと身を引き、キャシディを見下ろすと、マタニティ用のシャツの下でおなかが動いていた。
「これは……」
 キャシディがにっこりした。「坊やは夕暮れどきがいちばん元気なの」
「坊や?」
「ええ。あなたには息子ができるのよ」
「息子?」ドノヴァンは今まで赤ん坊を、自分の目的を果たすための手段としてしか見ていなかった。これはまったくの想定外だ。ぼくに息子ができる? キャシディの妊娠を知ったときよりずっと衝撃が大きく、ドノヴァンはさっきまで彼女が座っていた椅子に力なく腰を下ろした。キャシディは立ったままこちらを見ている。
「大丈夫?」
「ああ。きみが妊娠していることは理解しているつもりだった。だが、いきなり子供と言われても実感が湧かなくて。言っていること、わかるか?」
 キャシディがほほえみかけた。「わかるわ。実際に赤ちゃんが生まれたときのことが、うまく想像できないんでしょう?」
「ああ。だからこそ、早く話を進めたい」
「話を進めるって、結婚のこと?」キャシディがきいた。
「そうだ。すぐに必要な書類の手配をさせるよ」
「わかったわ。式は、海の見える実家の庭で挙げたいの」
「構わない。細かいことはきみが決めてくれ。予定日はいつなんだ?」
「あと二週間を切っているわ」
「それなら、この週末に結婚したほうがいいだろうな」
「そんなに早く?」
「赤ん坊が生まれたら、子供の世話で忙しくて式を挙げるどころじゃないだろう」
「どうしても?」
「ああ」キャシディにきかれて初めて、ドノヴァンは早めに結婚することの重要性に気づいた。弁護士がキャシディとの結婚や息子の誕生を確認するとき、いっさいけちをつけられないよう、すべてを教科書どおりに進めておきたい。つまり、子供が生まれる前に結婚式を挙げる必要があるということだ。ドノヴァンの本能が、一刻も早くキャシディを自分のものにしろと訴えていた。
「母に電話して、週末に式を挙げられそうかきいてみるわ。それに、上の兄は今ニューヨークにいるから、戻ってこられるかどうか確認しないと」
「きみのお兄さんたち、来てくれるかな?」フランツォーネ家の兄弟は、二度とぼくと顔を合わせたくないと思っているはずだ。
「できれば来てほしいわ。心配しないで。二人とも、わたしが一人で子供を産むって言ったときもちゃんと理解してくれたから」
 そう言われても信じられなかった。キャシディの二人の兄は、過保護なほどに妹をかわいがっている。キャシディと別れて以来、ドノヴァンはずっと二人を避けていた。
 テラスに差し込む夕日がキャシディのつややかな黒髪に当たってきらめくのを見て、ドノヴァンは息をのんだ。どこを探しても、これほど美しい光景は見つからない。この八カ月間、キャシディと離れてどうやって生きてきたのか、自分でも不思議に思った。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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