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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

独身富豪の天使を抱いて

独身富豪の天使を抱いて


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

もう誰も愛せないと思っていた。そんな私の中で新しい命が育っているなんて。

二十歳のとき事故で両親と恋人を同時に失ってから、ブロディは孤独な日々を送っている。そんな彼女が朝のジョギングで言葉を交わすようになったハンサムな男性、魅力的な億万長者ケード・ウェブは、世の女性たちの羨望の的だ。彼に部屋に誘われたある日、迷いつつも応じたけれど、燃えるようなキスを受けた瞬間、急に怖くなって逃げ出した。半年後、思いがけずパーティでケードと再会したブロディ。セクシーな彼がほほえむたび、抑えがたい欲望を感じて、招かれた部屋のデスクの上で性急に情熱を分かち合う。ところが、避妊具が破れて妊娠してしまい……。

■−1778『なくした記憶と愛しい天使』でデビューを飾ったジョス・ウッド。翻訳者、編集者ともに大絶賛する彼女の作品には、とびきりセクシーなヒーローとけなげなヒロインが登場します。今作も、ハラハラどきどきの展開から目が離せません!

抄録

 楽しい。
 体格がいい。
 セクシー。
 格好いい。それも、ものすごく格好いい。
 親切で、ホットで、自信に満ちている。
 まさに世の女性が電撃的な出会いに求める条件を、これでもかというくらい詰め込んだゴージャスな生殖器。こんなところを見られたら、わたしに殴りかかろうとする女性が世界中に少なくとも十億人はいるだろう。
「ブロディ? 聞いているのか? 二階へ行かないかと誘ったんだよ」ケードが耳元で囁いた。ブロディの背中に腕を回し、親指で彼女の右胸の下をなぞっている。
 ブロディ・スチュワートは唇をなめて、ケードの味を舌で確認した。彼の肌に残るシトラス系の石鹸の匂いを吸い込み、頭を傾け、首筋を彼の唇に明け渡す。ああ、彼ってこういうのも上手。
 だめ、離れなさい。こんなことはやめないと……。
 なんだかこの三週間、同じことばかり言い続けている。ランニングコースでケードを待つのはやめないと。ただ走るのを見ただけで胸をときめかせるのも、彼の冗談に笑うのも、甘い言葉に反応するのも。そしてもちろん、スタンレーパークの外周七マイルを一緒に走ったあと、彼の部屋でゆっくり土曜の朝のコーヒーとセックスを楽しもうという誘いを受け入れるのも。
 この巧みな唇はほかに何ができるのかをどれだけ知りたくても、絶対にキスをするべきじゃなかった。
 大丈夫だと思っていたのに。これくらいコントロールできる自信があったのに。ジェイ以降、誰とも関係を持たなかったわけじゃない。そういう関係になった相手もいた。正確に言うと二人。でもケードはどこを取っても完璧な人だ。元プロアイスホッケー選手で、現〈バンクーバー・マベリックス〉の副代表、そしてバツなしの独身。彼は独身主義者だが、大半の女性たちと違って、ブロディには彼に主義を変えさせる気はない。それどころかコーヒーの誘いに乗ったのは、彼の下心とそれが“末永く幸せに”へ結びつくものではないとわかっていたから。
 だったらなぜ? 確かに久しぶりではあるけれど、なぜそれくらい乗り越えて、このゴージャスで女慣れしたケード・ウェブと気楽にセックスをする気になれないの?
 たぶん何かが胸に響くからだ。彼がただの見事な生殖器に思えないから。彼のキスがあまりにすてきで、単なる肉体関係以上に心を震わせるから。この人は愛や親密さや、感情の結びつきというものを思い出させる。
 思い出したくもないものを。
 ブロディはケードの広い胸から無理やり身を引きはがすと、彼の顎先に軽くごめんねのキスをして、金色の無精髭を唇でこすった。そして革のソファを離れると、広大なバルコニーへ繋がる大きな折れ戸に歩み寄った。ひんやりとしたガラスに手で触れる。ダウンタウンに位置するこのアパートメントからだと、フォールス川がグランビル橋やバラード橋まで見渡せる。大富豪らしい眺めね。ブロディは外を眺めながら、返事を決めるまでの時間を稼いだ。
 そして振り返り、両手をヒップに当ててガラスに寄りかかった。心と本能はすぐにでもケードの腕のなかに戻って、逞しい筋肉やオリーブ色の肌を味わいたがっていた。サーファーみたいなブロンドの髪に手を差し入れ、茶色い瞳が情熱に駆られるにつれて色を深め、黒に近づいていくのを見たい。でも今、ブロディを支配しているのは理性だ。理性は逃げろと告げている。なるたけ遠くへ、なるたけ早急に。自分の手に負えなくなる前に。
 でもそうしたら、きっと彼にただの思わせぶりな女だと思われてしまう。戯れに気のあるそぶりをしただけだと。違うのに。本当は身を守っているだけなのに。
 感情的に。肉体的に。できる限りの手段で。
 ブロディは彼の視線を感じて、スニーカーに目を落とした。なぜ急に態度を変えたのか、彼が説明を待っているのはわかっている。理性が吹き飛ぶようなキスをしながら、突然腰が引けた理由を。言えるわけがない。ジョギング仲間で、こちらのことを名前や走るのが好きなことぐらいしか知らないこの人に、彼とのセックスは心から切り離せないなどとは。しかも、そうなることが心底怖いなどとは。
 彼はおそらくこの場限りのお楽しみのつもりだろう。でもこっちはケード・ウェブに、とっくの昔に無くしたはずの感情をかき立てられている。男なんて、バンクーバーには掃いて捨てるほどいるのに、どうしてよりによって彼なの? いくらなんでもありきたりすぎる。ハンサムでリッチで魅力的な成功者。ジェーン・オースティンの世界では放蕩者と呼ばれ、結局三百年後も同じ呼び名が似合うタイプ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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