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赤毛の公爵夫人【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】

赤毛の公爵夫人【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
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解説

“少年”の正体を知ったとき、公爵の頭を望まぬ結婚がよぎった……。

いわれなき決闘を申し込まれたお父さまの命を守らなくちゃ!ジュリエットは少年に変装し、身代わりとして決闘の場へ向かった。相手はロンドンきっての道楽者と噂のブレイボーン公爵。公爵は代理人との決闘を渋ったが、彼女が挑発すると乗ってきた。だが銃弾は、無情にもジュリエットの肩を貫き、彼女は気を失った。一方、ただかすり傷を負わせて追い払うつもりだった公爵は、予想外の展開に慌てふためいた。この子供が死んだら大問題になる。彼は自分の屋敷に少年を連れ帰り、手当てをすることにした――そこから、すべての歯車が狂い始めることになるとも知らず。

■19世紀のイギリスでは、未婚女性が男性の屋敷で一夜を明かすのは御法度。もしも社交界の噂に上るようなことになれば、公爵は責任を取って結婚をしなければならなくなります。少年が実は決闘相手の娘だったと知った彼は、その事実を隠そうと奔走しますが……。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ジュリエットは、父とブレイボーン公爵が決闘して、父が撃たれるという悪夢を見た。夢から覚めると、眉の上に玉のような汗をかき、寝巻きが肌に張りついている。わたしは、なぜこんなに熱いのだろう?
 ここはどこ?
 だれかが軽いいびきをかいているのに気づいた。二脚あるうちの一脚の椅子に、男性がしなやかな体を投げ出して脚を広げている。その姿は、いつまでもその格好のままで眠りつづけるかのようだ。波打つ黒髪が青白い頬に影を落とし、悪魔のように見える。
 記憶がよみがえってきた。
 ジュリエットは片側に寝返りを打ち、けがをしていないほうの腕をついて起き上がろうとした。肩に激痛が走る。彼女はあえぎながらも、涙が出ないように固く目をつぶった。
「いったい何をしているんだ?」
 ジュリエットは頭の向きを変えて、まっすぐに男を見つめた。ジュリエットが何か言う前に、男はベッドのそばに来た。眉が黒く、青い目がきらめいていた。
「体を起こそうとしているの」ジュリエットは不機嫌にそう言うと、あまり痛くならないといいのだけれど、と思った。「ほかにどんな理由でわたしが体をねじるというの?」
「きみに泣き言は似合わない」セバスチャンはきっぱりと言い、眉間の皺をやわらげた。「手伝ってあげよう。さもなければ、きみの御者が苦心して巻いた包帯が台なしになってしまう」
 ジュリエットの返事を待たずに、彼は彼女の腋の下に手を入れて枕の上に引っぱり上げた。ジュリエットは痛みのあまり息をのみ、また目に涙を浮かべた。視界はぼんやりとしていたが、公爵がすまなそうな顔をしているのが見えた、と自分に言い聞かせた。だが、彼がジュリエットを心配しているというより、厄介者だと思っているのは明らかだった。
 しばらく時間がたっても、セバスチャンの手はまだジュリエットの体に触れていた。彼の体温が伝わってきてジュリエットの体はさらに熱く火照り、心臓の鼓動が急に速くなった。今まで、こんなふうに男性と親密に触れ合ったことはなかった。ジュリエットは彼を見上げた。そのとき、自分の顔が赤くなっているのを感じた。
 セバスチャンはようやく手を離した。「このほうがいくらかましかな?」そう尋ねた彼の声は、風邪をひいているかのようにかすれていた。
 ジュリエットはうなずいた。奇妙な感覚がジュリエットの体を走り、ほんの一瞬、もう一度彼に触れてもらいたいと思った。愚かしいことに。
「水を飲むか?」
「ええ」ジュリエットはもごもごと言った。「お願いするわ。体がひどく熱いの。この部屋にかまどがあるみたいよ」
 セバスチャンはグラスに水を注いでジュリエットの口もとに持っていった。「きみは熱がある。傷が炎症を起こしているんだよ。それで、ファーガソンが馬用の湿布で冷やしていた」
 ジュリエットはくすくす笑った。「ファーガソンらしいわ。効き目があったのかしら?」
 空になったグラスをテーブルに置いて、セバスチャンが言った。「そのようだ。昨夜以来、きみが目を覚ましてはっきりしゃべっているのは、今がはじめてだからね」
 ジュリエットは目を見開いた。「冗談でしょう?」
「いや、ほんとうだ」そう言うとセバスチャンは振り返って、つい先ほどまで体を沈めていた椅子をつかんだ。そして椅子をベッドのそばに置き、厚みのある革の座面に深く座った。
「まさか」ジュリエットはじっと見つめるセバスチャンの視線を避けた。「わたしは、あなたのベッドに寝るのが許されるような女じゃないと思うわ」そう言った途端、自分がずいぶんと大胆なことを言ったことに気づいた。「わたし……わたし、そういう意味で言ったんじゃないのだけれど」
 セバスチャンは片方の眉を上げた。「そういう意味じゃないのか? それは残念だな」
 ジュリエットは先ほどから体が熱いと思っていたが、このひと言で燃えるような熱さになった。
 セバスチャンの頬にゆっくりと笑みが広がった。そのほほえみは刺激的で人を惑わす魅力があり、まるで彼が本心から女性としてジュリエットに興味を持っているかのようだった。ジュリエットは、体のどこかでとろけてしまいたいと思った。だが、彼の恐ろしいほどの魅力から逃げなければいけない。女性としては、彼のような危険な男のそばにいるわけにはいかなかった。
「あなたとベッドを共にしたがる女性は多いのでしょうけれど、きっと、けがをしてこの部屋に来る人はいないでしょうね」ジュリエットは筋の通った当たり前の話をするつもりだったのに、非難めいたことを口走ってしまった。
「たしかにそうだな。だが、そういう女性たちは、こんなふうにこの部屋にいても、すぐに退屈するんじゃないだろうか。しかし賭けてもいいが、きみは退屈しないだろう」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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