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大富豪と人形の花嫁

大富豪と人形の花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミランダ・リー(Miranda Lee)
 オーストラリアの田舎町に、四人兄弟の末っ子として生まれ育つ。スポーツが大好きな子供で、本を読むよりは外で遊ぶほうが好きだったという。父は教師、母は才能あるドレスの縫製師という家庭に育ち、全寮制の学校を出てクラシック音楽の勉強をしたのち、シドニーに移った。幸せな結婚をして三人の娘に恵まれたが、家にいて家事をこなす合間に姉エマ・ダーシーのすすめでロマンス小説を書き始める。趣味は幅広く、長編の物語を読むことからパズルを解くこと、そして賭事にまで及ぶ。小説を書くときのアイデアは、普段読む新聞、雑誌、小説、伝記、テレビ、そして少なくとも週に一度は見に行く映画から得る。現実に自分のまわりにいる人たちを登場させることはなく、“いつ私をヒロインにしてくれるの?”という娘たちの問いかけに、“決してないわ”と答えつづけているという。

解説

新妻は傷つき、家を出た――めくるめく一夜の果てに。

大富豪の夫スコットといつになく激しい夜を過ごした翌朝、彼が差し出したものを見てサラは愕然とした。それは、サラと同僚の男性との密会を匂わせる写真だった。売り言葉に買い言葉で口論になり、サラは家を飛び出した。ゆうべのスコットの激情は、嫉妬と復讐にすぎなかった。この結婚は写真1枚でたやすく壊れるほどのものだったのだ……。だが数日後、荷物を取りに戻ったサラは夫の魅力に屈してしまう。自分の弱さを恥じながら、サラは衝撃の事実に思い至った。最近ピルをのんでいない! こんな状況で妊娠したら……。

■別居は続き、短すぎた恋人期間を埋め合わせるように逢瀬を重ねてふたりは互いへの理解を深めますが、サラに妊娠の可能性を隠されていたことを知るとスコットは再び激怒して……。人気作家ミランダ・リーがすれ違う男女の愛憎と絆を繊細かつセクシーに描きます。

抄録

 ボブはマカリスターを心から称賛しているようだった。サラは相手が誰であろうと、すぐに称賛したりはしない。それでもやはり純粋な好奇心から彼のことをさらに調べた。
 ほかのサイトを開くと、彼の写真が出てきたが、とても背が高くて体格がいいと思っただけだった。工事現場で撮ったもので、彼を含めて全員が黄色い安全ベストと黄色いヘルメットを着用していた。写真の下のキャプションによると、先月のストライキの際にニッケル精錬所で撮ったものだという。マカリスターはサングラスをかけていたので、顔はよくわからなかった。目は驚くほどその人の容貌を語るものだ。
 その写真からわかるのは、日に焼けた肌、頑丈そうな鼻、花崗岩から削り出されたような四角い顎をした、強靱な顔だちだった。広い額にしわを寄せた顔は思慮深く見えるが、固く結んだ口は冷徹で頑固そうだ。三十五歳というが、もっと年上に見える。結婚はしていないが、驚くにはあたらない。大金持ちではあっても、女性に好かれるタイプには見えなかった。
 ボブの電話が鳴りだした。彼は小さな声で悪態をつき、電話を取った。三十秒後、彼はさらに悪態をついた。
「すまない」ボブはサラに謝った。「マカリスターが早々に着いてしまったが、相手がまだ来ていないし、わたしもこの複雑な契約書を読み終わっていない。申し訳ないが、下に行って彼を出迎え、役員室に案内してくれ。コーヒーでもなんでも彼の好きなものを飲ませ、しばらく相手をしてほしい。きみはその種のことが上手だからな」
 確かにサラは上手だった。この部門に来てから、ボブや彼の同僚にコーヒーを運ぶ以外、ほとんど何もしていない。弁護士の助手というよりウエイトレスみたいだ。だが、サラの母は娘に礼儀とすばらしい社交術を教えた。だから彼女は笑みを浮かべた。「喜んで」
 ボブは笑みを返した。「きみは本当にいい子だ」
 上司が六十三歳でなかったら、サラは腹を立てていたかもしれない。彼女は二十五歳、今年じゅうに二十六になる。子供ではない!
 サラはスカートのしわを伸ばしながら立ち上がり、顔にかかった髪を後ろに払って、オフィスを出て受付に向かった。することができてうれしくもあった。それに正直なところ、これから会う男性に興味津々だった。サングラスを取った彼がどんなふうか、見たかった。
 彼はすぐにわかった。広い受付のあちこちに置いている黒革の二人用ソファの一つに座っていた。ダークグレーのスーツに白いシャツ、おもしろみのない濃紺のネクタイを締めた男性が、ソファでくつろいでいた。両腕をソファの背に沿って伸ばし、脚を組んで。靴はきれいだが、新しくはない。鉱山業界の大物は、そんなことは少しも気にかけないのだろう。
 目を閉じていたのでがっかりしたが、それ以外ははっきりと見ることができた。髪は焦茶色で、トップを短くカットし、サイドはさらに短かった。とても男性的な髪型で、よく似合っている。鼻はサラが思っていた以上に大きいが、顔とのバランスは絶妙だ。口は大きく、上唇は薄くて、少し冷酷そうに見える。下唇は豊かだが、いかつい顔を和らげるほどではなかった。
 彼が目を開ける前からいわゆる美男子ではないとわかった。けれど、どこか言い知れぬ魅力があった。これまでサラは大柄なたくましい男性に惹かれたことはない。いつも威圧されるように感じるからだ。筋力より知力に勝る、細身のハンサムな男性が好みだった。
 サラは彼から一メートルほどのところで足を止め、咳払いをした。「ミスター・マカリスター?」急に神経質になり、意図していたより高い声が出た。彼女は、学校の演劇の教師から快活な声だと言われたことがあった。少女のような声だという。法廷で強い影響を与える声ではないが、いまは法廷に関わる仕事をしている。
 彼のまぶたが上がり、ついに目が見えた。彼の目は……。
 冷たいグレーで、まつげが驚くほど長かった。険しくはないが、まなざしは冷たい。しかし同時に、奇妙な熱を帯び、飢えも感じられた。彼の目が彼女のすべてをいっきに眺めた。サラは息をのみ、頬を赤らめた。真っ赤とまではいかないが、赤いことに変わりはなく、ひどく恥ずかしかった。
「そうだ」彼は物憂げに答え、組んでいた脚をほどいて、彼女にのしかかるような格好で立ち上がった。身長は百七十三センチで、ヒールのある靴を履いているサラより、彼はずっと背が高かった。
 サラは頭を反らして彼を見上げた。いらだたしいほど唇と口の中が乾いていく。彼女はうめき声を抑え、乾いた唇をこっそりとなめて、彼女の理想とする上品な人物を装った。
「鉱山の現在の所有者はまだお見えになっていません」サラはいとも簡単に呼び出すことができる落ち着いた笑みを浮かべた。「お相手がいらっしゃるまであなたのお世話をするようミスター・カトンに言いつかってまいりました」
 彼は笑みのひとかけらも返さず、溶けた鋼のような目でじっと彼女を見つめた。
 その熱いまなざしはサラの奥深くへと入りこみ、彼女の芯を溶かした。サラはとんでもないことを言いたくなり、必死に自制心を働かせなければならなかった。
「ついてきていただけますか?」サラは事務的で丁重な口調で言った。
「いいとも」残酷そうだがセクシーな口元にかすかな笑みが浮かんだ。「地獄までついていくよ」
 地獄まで……。サラは口をぽかんと開けた。自分もまったく同じように感じていることに気づいたのだ。彼は実に魅惑的だった。


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