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天使と悪魔の結婚【ハーレクイン文庫版】

天使と悪魔の結婚【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジャクリーン・バード(Jacqueline Baird)
 趣味は油絵を描くことだったが、家族からにおいに苦情を言われ、文章を書くことにした。そしてすぐにロマンス小説の執筆に夢中になった。旅行が好きで、アルバイトをしながらヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを回った。英国に戻ったときに結婚。二人の息子に恵まれ、現在も生まれ故郷のイングランド北東部に夫とともに暮らしている。「二人のバレンタイン」と「恋は強引に」がお気に入りの作品だという。ロマンティックタイムズ誌の賞の受賞歴があり、ベストセラーリストにもたびたび登場する。

解説

仮装パーティで、赤い悪魔の扮装をさせられたエミリーは、黒衣の天使に扮した実業家、アントン・ディアズに紹介される。「僕はきみが欲しい」と囁かれ、初対面での誘いに驚きながらも、セクシーな彼にあらがえず、エミリーはたちまち恋に落ちた。性急なプロポーズののち、純白の花嫁衣裳で式を挙げ、ハネムーンを過ごすために、ふたりは一路南フランスへ。ところが、甘すぎる愛の交歓をした翌朝のことだった。アントンは黒い瞳に悪魔のような光を宿し、彼女に告げたのだ。エミリーと結婚した真の理由を、残酷な本当の彼の姿を。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 四週間が過ぎた。エミリーはドレッサーの前で化粧をしながら、最初の夜の出来事を思い浮かべていた。最近は、アントンのことを考えるたびに、おなかの奥にくすぶったままの情熱が燃えあがる。今もつい、思い出し笑いをしてしまった。
 彼がニューヨークに出張して一週間になる。エミリーは切ないほど彼を求めていたが、なぜか最初のような情熱的な出来事は繰り返されなかった。彼女の頭のなか以外では。
 二人は頻繁にデートを重ねていた。エミリーはアントンの仕事に関連した社交的な集まりにも誘われるようになり、映画のプレミア試写会では、待ちかまえていたカメラマンの被写体になった。
 だが、彼女が気をもんでいるのは、性的な意味での関係だった。世間知らずでも、自分の心と体がアントンを求めていることはわかる。彼ほど地位のある男性にとって、自分はせいぜい愛人にしかなれないと思う。彼女はロンドンの彼の|最上階室《ペントハウス》に誘われるのをひそかに期待していた。一週間くらいで肉体的な関係に進展すると思っていたが、そんな気配はまったくない。それどころか、彼は自宅に誘うそぶりも見せず、一、二回キスしたあと身を引く。彼女はそれ以上のことを望んでいるのに……。
 一週間ぶりに会える明日の夜こそ、その機会が訪れるかもしれないと思いつつ、エミリーはダイヤモンドのピアスを耳につけ、あとずさって鏡を見た。でも、まずは今夜を楽しまなければ。叔父サー・クライブ・デベラルの誕生日パーティだ。
 母の弟は独身で、誕生日には親戚が集まって食事を楽しむ。そのあと叔父はクラブに出かけ、海軍時代の仲間と酒を酌みかわし、思い出にふける。今夜は叔父のためにドレスアップしよう。
 エミリーが婚約を解消したとき、叔父はいつもの訥々とした口調で、昔、自分の婚約者がほかの男に奪われたことを打ち明けた。立ち直りは早かったんだ、いろんな女性と遊びまわるほうが楽しいからな。そう言ったとたん、あわててとり消した。“おまえも遊びまわれという意味じゃないぞ。海には魚がうようよ泳いでいると言いたかったんだ”
 エミリーはこの愉快な叔父が大好きだった。学生時代は、休暇のたびに、リンカンシャー州のデベラル屋敷か、ギリシア西岸沖のコルフにあるかなり古びた別荘で過ごした。エミリーが身長のせいで子供のころからの夢だったバレリーナを断念したときも、不可能なことを追い求めて時間を無駄にするな、次に進めと教えてくれたのが、クライブ叔父だ。そして、考古学と航海と水泳の面白さに目覚めさせてくれたおかげで、彼女は海洋考古学者への道を選んだのだった。
 鏡に映る自分の姿に、エミリーはほほ笑んだ。銀色に光るストラップレスのドレスは、素肌のように体にぴったりフィットしている。スカート丈は膝上十五センチ。長い脚を効果的に見せるよう、ガラス飾りで輝くピンヒールをはいた。
 家族の驚く顔を期待しながら、エミリーは階段を下りていった。叔父なら、この装いを気に入ってくれる。フェアファクス家の男性はたまにはまじめ人間の殻を破れ、というのが口癖だ。彼は、身内だけの食事には必ずベルベットのディナージャケットと奇抜なベストを着て登場する。
 階段を下りて応接間に向かおうとしたとき、玄関ベルが鳴った。
「私が出るわ、ミンディ」キッチンから出てきた家政婦に声をかけ、ドアを開けに行ったエミリーは、あっけにとられた。「アントン、どうしたの? 明日戻ってくると思っていたんだけど」
「ところが、見てのとおりだ」アントンは彼女の全身を眺め、黒い目を輝かせた。「今日のきみはなんてゴージャスなんだ。まさか家族のために、そんなおしゃれをしたわけじゃないだろう。僕のライバルは誰なんだ?」彼はきつい口調で迫り、怒りをあらわにしたかと思うと、いきなりエミリーを抱きしめ、激しいキスをした。
 ようやく唇を離し、息をつけるようになると、エミリーは燃えさかる黒い瞳を見つめた。
「今のキスは何?」あえぎながら尋ねる。
「きみは僕のものだと思い知らせるためだよ。さあ、いったい誰なんだ?」
「妬いているのね」エミリーはおかしくてたまらず、彼の顎の線を指でなぞった。「心配しないで。叔父の誕生日パーティなの」少し腫れた唇を大きく開けて笑みを浮かべる。「一緒に来て。食事の席がちょうど偶数になるわ」
 アントンの頬が見るまに赤くなった。
「なんと言ったらいいか」彼女の体を離し、アントンはうめいた。「きみに会いたかった」むさぼるように見つめ、それから彼女の腕をつかんで思いきり抱き寄せる。「トムに話がある」
「なんの話?」
「きみと結婚したい。彼の許可がもらいたいんだ」
「なんですって?」
 アントンはひしと彼女を抱きしめた。「結婚してくれ、エミリー。もう待てない」
 ロマンティックな求婚ではなかったが、エミリーの目に幸せの涙がこみあげた。ああ、心の底から愛する人。ベッドに誘ってくれないと心配していたのに、本当は結婚を考えていたのね。彼の行動には大きな意味があったのだ。女性遍歴の噂はあっても、妻にしたい彼女には慎み深く接していたのだ。
「ええ、もちろんよ」エミリーは泣きながらアントンの首に抱きついた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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