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スペイン公爵の愛人【ハーレクイン・セレクト版】

スペイン公爵の愛人【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

その夜、ローレンは愛するラモンに妊娠を伝えるつもりだった。ところが二人の将来に話を向けたとたん、衝撃の事実を告げられた。ラモンは実はさる巨大コングロマリットの総帥であり、さらにはスペインの公爵家の跡取りだというのだ。いずれ貴族の血を引く“ふさわしい女性”を花嫁に迎える、とも。ローレンは、何も言えずに彼のもとを去るしかなかった。1年半後、育児と仕事に忙殺される毎日を送るローレンの前に、ラモンが再び現れる――愛人として戻ってこいというのだ。怒りと屈辱と、愛し子の存在を知られる恐怖にローレンは震えた。そして、勝ち誇ったようにキスをするラモンへの、今も消えぬ愛に。

■シャンテル・ショーはHQロマンスの名だたる人気作家たちの陰に隠れがちですが、実はベテランの実力派。格差に阻まれ非嫡出子を産んだヒロインと、自らの立場に囚われて愛が見えないヒーローの、切ないすれ違いが深く丁寧に描かれ、心を揺さぶられます。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ローレンにも流線型の銀色のポルシェが最高級品だとわかった。助手席に座ってみて、愛用の赤いスポーツカーを大型のセダンに替えたことが少し悔やまれた。マティの幼児用シートや、幼い子どもに必要な山ほどの設備に合わせるためだった。
 いまやローレンの生活は一変していた。もはやセクシーなスペイン人のプレイボーイに夢中になった、気ままな若い女性ではない。あらゆる責任を担う母親だ。マティは彼女の命だった。一日のハイライトは、託児所に息子を迎えに行き、まるまると太った腕で首を抱きしめられて顔じゅうに湿ったキスをされるときだった。
 ローレンは物思いにふけっていたので、車がどこを走っているのか注意を払っていなかった。気づいたときにはマーブル・アーチに近づき、パーク・レーンへと入った。
「どうしてここなの?」車が門を通り、地下の駐車場へと下りていくと、ローレンは眉をひそめた。場所がどこかすぐにわかった。一年半前までは、ラモンの豪華なアパートメントによく泊まっていたから。だがどうしていまここに来たのかわからなかった。
「ここにオフィスがある」彼は車から降り、助手席側のドアへとまわった。
 ローレンは彼のあとについてエレベーターに乗ったが、急に痛いほどの動悸がした。最上階に着くまで彼の腕に抱かれてキスをされたことを思い出した。アパートメントに着いたときには、彼女もラモンも着ているものを脱ぎ、寝室まで行き着かずに、居間のソファーで渇望に圧倒されてしまうこともあった。
 一糸まとわぬ彼の筋肉質の体がゆっくりとローレンにおおいかぶさり、彼女の中に入ってくるところを思い浮かべた。彼女はあまりにも生々しい想像に目を閉じた。ラモンにじっと見つめられているのがわかり、視線を合わさないようにした。彼がローレンを先に降ろそうと横に立つと、ローレンは唇を噛みしめた。
「オフィスはこの階にあるの?」ローレンは廊下に視線を向け、アパートメントのドア以外のドアを探した。
「うん」ラモンはドアにカードを差しこみ、ローレンを中に入れた。アパートメントはよく知っていた。広い玄関があり、そこからいくつもの広い部屋に通じている。部屋は中間色で統一され、大胆な色あいの現代的な家具が設えてあった。半開きのドアから主寝室が見えた。記憶がよみがえり、ローレンは驚いて立ち止まった。
「これもあなたの策略なの?」ローレンは鋭い口調で言った。「オフィスを見せると言ったでしょう」
 ラモンは考えるようなまなざしを向け、彼女の紅潮した顔と震える唇を見た。彼といっしょにいて不安そうするのはこれが初めてではなかった。
「ここにある」ラモンは廊下のいちばん奥のドアを開け、以前は小さな居間だった部屋に入っていった。机とパソコンと事務用の家具があった。「ぼくは隣の書斎で仕事をしているが、それもベラケス・コングロマリットの子会社のためにオフィス・ビルを借りるまでのことだ。実のところ、それがきみの最初の仕事だ。最近、セント・キャサリンズ・ドックにある新しい商業ビルを見た。そこと賃貸契約を結んでもらいたい」
 ローレンが黙っていると、彼はさらに続けた。
「ぼくの秘書はスペインに置いてきた。会社の基礎ができるまで、人材派遣会社の秘書を使っている。サリーは口述筆記のために一週間に二度来る」
 つまりアパートメントでの仕事は一時的なものなのだ、とローレンは自分に言い聞かせた。だが新しいオフィスを借りるまでには数週間、あるいは数カ月かかるだろう。その間、ここに来るたびに、ラモンと愛し合った思い出がよみがえることになる。ああ、ここでマティを身ごもったのだ!
 ローレンは窓まで歩き、ハイド・パークの見える景色に目を向けた。だがすぐに彼に向き直った。「だめだわ」簡潔に言った。「PGHのオフィスに通勤するほうが楽なの。あなたとはメールや電話でたえず連絡を取るし……」
 ラモンは首を振った。「きみにここにいてもらいたい」
「どうして?」ローレンは感情を抑えられず、大声を出した。彼に再会したこともショックだったし、二人が愛人同士だったときのアパートメントに来たことも苦痛だった。昼食をとっているあいだ、防護用の皮を一枚一枚はがされていくように感じた。いますぐ出ていかなければ。
 ラモンは険しい目つきのまま、まるで獲物をねらう豹のように音もたてずに近づいてきた。二人のあいだの空気がかすかに変わり、手で触れることができそうなほどの緊張感が漂った。
「何を心配しているんだ、ローレン?」ラモンは低い声で言った。
「何も心配していないわ」ローレンは必死になって否定した。「これがいったいどういう意味か理解できないだけ。どうしてここまでしてわたしをあなたのもとで働かせようとするの?」
 ラモンは答えず、さらに近づいてきた。彼のあからさまな渇望に、ローレンは息ができなくなった。
「何が欲しいの?」ささやくように言う。ラモンの手が伸びてうなじをつかみ、彼の顔がゆっくりと下がってくると、ローレンの心臓が止まった。
「これが欲しいんだ、|いとしい人《ケリーダ》」ラモンは荒々しい口調で言い、唇を重ねた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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