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目覚めはいつも腕の中

目覚めはいつも腕の中


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ローリー・フォスター(Lori Foster)
 愛に対する確固たる信念をセクシーな作風と切れ味のいい文章で表現し、読者の支持を得ている。高校時代からの恋人である夫と三人の息子とともにアメリカのオハイオ州に住んでいる。小説を書くのは大好きだが、いちばん大切なのは、どんなときも家族だと言う。

解説

孤独な世界で、この腕の中だけがわたしの安らげる場所――大人気作家L・フォスター、新シリーズがついに開幕!

命を狙われた令嬢カタリーナは、ついに捕まってしまった。どうにか2カ月の逃避行を生き延びてきたが、今回現れたリイズという名の追っ手は別格だった。揺るぎない精神力と、鍛え抜かれた肉体――けれど彼女に触れる指は優しく、セクシーな瞳にはぬくもりが宿っている。気がつけばカタリーナは、追われることになった真相を彼に打ち明けていた。リイズは、課せられた任務に背いて彼女を隠れ家に連れ帰り、24時間態勢で守ると約束する。カタリーナは震えた。警護のためとはいえ、こんなに素敵な男性とひとつ屋根の下で過ごすの……?

抄録

 リイズは頭のうしろで手を組んで、ソファーベッドに横になっていた。部屋のなかは薄暗く、しんとしている。
 いや、正確には無音というわけではない。さっきから、たびたびカタリーナが寝返りを打つ音が聞こえていた。きっと様々なことを考えて寝つけないでいるのだろう。
 今回の案件はひと筋縄ではいかないようだ。状況が不透明なうえ、カタリーナとの距離感もうまくつかめない。
 彼女が美人だからか?
 それは否定できない。スタイルだってすばらしい。だが外見よりも、むしろ、率直な物言いやユニークな反応に好奇心をそそられていた。もちろん警護対象を誘惑するつもりはないが。
 ジャスティスと交代して冷たいシャワーを浴びたおかげで、少しは冷静になった。とにかく、まずは彼女の安全を確保することだ。良家の令嬢が、父親から逃げて浮浪者のたまり場に逃げこんだとなれば、相当の理由があるにちがいない。
 ただ、その父親が、彼女を守るためにボディーガードを依頼してきたのもまた事実だった。
 いったい何から守れというのか?
 カタリーナの怯えた様子が演技とも思えない。すんなり事情を話してくれればいいのだが……。
 今日のところはいろいろあって、筋道を立てて考えることができなかったのかもしれない。初対面のボディーガードを信頼しろと言われても、難しいのは当然だ。よく寝て、よく食べればきっと……。
 カタリーナの食べっぷりを思い出して、リイズの口もとがほころんだ。大きなハンバーガーを、あっという間に平らげてしまった。お上品ぶらないところは彼女の魅力のひとつだ。欲望に忠実で、ほしいものやしたいことをはっきりと口にする。深窓の令嬢というイメージとはかけ離れている。
 そんなことを考えていると、ベッドルームのガラスドアが急に開いた。リイズは息をつめ、無言のまま相手の出方を待った。
 ひょっとして、こちらが眠っているあいだにこっそり逃げるつもりか? もしそうだとしたら、どうにかしてジャスティスに連絡を――。
「もう寝た?」
 かすれ気味の低い声が、リイズの心をざわつかせた。小さな人影が近づいてくる。
「どうかしたのか?」
「その……」
 カタリーナがおずおずと、ソファーベッドの横にやってきた。
 予想もしていなかった展開に動揺する。異性として意識すまいと思ったばかりだというのに。
 肘をついて上体を起こすと、きゃしゃな手で肩を押さえられた。
「起きなくていいわ。わたし、寝なきゃと思ったんだけど……」カタリーナが震えながら息を吸う。
 彼女もぼくと同じ理由で寝つけなかったのだろうか?
「だけど?」
「いろいろ考えだしたらとまらなくて」
 ひょっとして、事情を打ち明ける気になったのかもしれない。「いろいろというのは? ぼくでよければ聞くよ」
「うまく説明できないのよ。自分でもまだ、どう考えればいいかわからないの」
「思いついたまま言葉にすればいい」
 甘い香りがただよってくる。シャンプーのにおいだ。
 カタリーナは押し黙ったままだった。
 リイズはじれったくなって、肘の位置をずらした。「カタリーナ?」
「話は、まだ無理だわ」
「そうか」リイズの神経は、カタリーナの指がふれている肩に集中していた。
「あの……一緒に寝ちゃだめかしら?」
「え?」驚くべき申し出にリイズが唖然としていると、カタリーナは早口でつけくわえた。
「もちろん変な意味じゃないの。隣で寝るだけ。車のなかではびっくりするほどよく眠れたの。今もあんなふうに眠りたいのに、ぜんぜん寝つけなくて……」カタリーナはうつむいていた。「今日会ったばかりだし、あなたのことをろくに知らないのにこんなことを頼むのは変だってわかってる。でも、そばにいると、どういうわけか安心できて……」
 リイズは体の力を抜こうとした。「それは……光栄だ」
 カタリーナはその言葉が聞こえていないかのように、ひとりでしゃべりつづけた。「いくら顧客の希望だからって、こんなのはボディーガードの仕事に含まれないってこともわかってるのよ。そもそも、わたしなんかといたら危険だし、巻きこまないように逃げなくちゃって――」
「逃げるのはなしだ」リイズはゆっくりと、彼女の背中に手をあてた。
「ひとりでいると頭がぐるぐるして、ぜんぜん気が休まらないの。このままだとどうにかなってしまいそうで――」
「しーっ、もういい。わかったから」リイズはそう言って、彼女を守るように抱きよせた。
 カタリーナがリイズの胸に顔をうずめる。「今は何も考えたくないの。ぜんぶ忘れて眠りたい」
「ずっと緊張状態にあったから、神経が休まらないんだろう」彼女を守ってやりたいと心から思った。彼女を隣に横たわらせ、体に毛布をかけてやる。「ぼくがいるから安心して眠るんだ。誰にもきみの眠りは邪魔させない」
 カタリーナが小さく笑った。「ありがとう」
 彼女の体はやわらかく、あたたかかった。油断すると抑制が利かなくなってしまいそうだ。
「あなた、寝るときも銃を持っているの?」
「寝ぼけて撃ったりしないから、心配はいらない」
「それはわかってるけど」カタリーナがくすくす笑って体をのばした。「寝返りを打ったときに、手がぶつかったら怖いなと思っただけ」
「大丈夫だ」リイズは反射的に、カタリーナのつむじにキスをした。「さあ、寝なさい」
 カタリーナは何も言わなかった。
 それから五分もしないうちに、彼女の呼吸が深く、ゆっくりになった。無事に夢の世界に旅立ったようだ。
 残念ながら、リイズは完全に覚醒していた。朝まで一睡もできそうになかった。


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