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純愛婚〜花満つる国の花嫁は愛されすぎて純潔です!?〜

純愛婚〜花満つる国の花嫁は愛されすぎて純潔です!?〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫純愛婚〜花満つる国の花嫁は愛されすぎて純潔です!?〜
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

初夜は想像より大変!?
美貌の国王×処女王妃、結婚3年目のドキドキ初体験

「心と体に刻みつけてあげます」ハイロアム王国の王妃エルシーは、国王のウィルバートと結婚して3年たった今も純潔のまま。17歳の誕生日を迎え早く彼のものになりたいと願うエルシーは、旦那様を誘惑するけど伝わらない。一方、幼妻がかわいくて愛しくてしょうがないウィルバートは、彼女の体を少しずつ慣らすため、快楽レッスンを開始する……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「危ないっ!!」
 すんでのところで、ウィルバートが寝台脇にしゃがみ込み、落ちかけたエルシーを抱きとめた。
「ごめんなさい……」
 床に座り込んだ王の膝に抱かれ、しゅんと落とした肩に金の髪がさらさらとこぼれる。
 そんなエルシーに、彼は優しい声で話しかけた。
「こういう場合は、ありがとうと言えばいいんですよ、エルシー」
 ぱっと顔を上げると、鼻先がかすめそうなほど近くに美しいウィルバートの相貌がある。
「ありがとう、ウィル」
 微笑んだ彼女の周囲に、ピンク色の花が散ったのは言うまでもない。
 ──ああ、わたしはこのひとと結婚できて幸せだわ。ウィルはいつだって優しくて、大人で、あこがれの男性だもの。
 心酔するエルシーを軽々と抱き上げると、ウィルバートがその体を寝台に横たえる。時を置かずして、彼が隣に体をすべりこませてきたとき、エルシーは覚悟を決めて両手を胸のうえに組んだ。
 ──だから怖くないわ。いいえ、むしろこれは喜ばしいことなのよ。愛する夫に身も心も捧げるのだから、何も恐れることは……
「目を離すと、あなたは何をしでかすかわからない。まったく、困ったものですね、我が王女は」
 大きな手がエルシーの肩に触れる。
 そして、ゆっくりと体を抱きしめられた。
 心臓は今にも壊れそうなほどに激しく鼓動を打ち鳴らし、先ほど気にした枕元の花はますます増えていくばかりだ。
「ですが、そういうあなたもかわいらしいですよ。いつまでも、私の隣にいてください、エルシー」
「は、はい……」
 広い胸にそっと寄り添い、エルシーは小さく頷く。幼いころと違うのは、お互いに大人になったことだ。
 ただの添い寝では物足りない。
 その先にある愛情を確認したい。
 彼の手が、エルシーの形良い後頭部を何度も撫でる。
「さあ、目を閉じて。エルシーは、頭を撫でられるだけではご不満なのでしたね?」
 甘く蕩ける媚薬のような声に、ただ頷くしかできない。
「では、」
 ──さあ、どこからでもどうぞ! あなたを受け入れる心の準備はできているわ!
 エルシーが奥歯を噛みしめたのと同時に、まったく予想もしなかった言葉が耳に届く。
「かわいいあなたが眠るまで、御伽噺を」
「えっ……!?」
 思わず、顔を上げる。
 今夜、エルシーは十七歳になった。そんな妻の寝室へやってきた二十六歳の夫が、同じ寝台に体を休めながらすることが御伽噺というのは冗談だろうか。
「これはこれは、ずいぶんと期待してくださっているようで。私も気合いを入れて語らなくてはなりませんね」
 残念ながら、冗談ではなかったらしい。
「〜〜〜〜っっ、そ、そうね。楽しみだわ……」
 今さら「求めているのはもっと違うものです」なんて言えるわけがなかった。いや、彼はわかっているとばかり思っていたのだ。
 ──だって、わたしは十七歳になったのよ。この国では、結婚してもおかしくない年齢でしょう?
 たしかに、十四歳で嫁いだときには手を出されないのも当然だったと今ならわかる。紳士なウィルバートが、まだいたいけな少女に閨事を求めないのも納得だ。
 だが。
 あれから三年。
 寄り添う体は、細身とはいえ成長している。彼の胸板に、自分の胸の膨らみが当たっているのをウィルバートはまったく意識しないというのか。
「昔々、とある王国にひとりの王女が生まれました。それは美しい娘で、皆が王女の成長を楽しみにしたそうです。しかし、王女は──」
 エルシーのささやかな胸が当たっていることなど物ともせず、夫は流暢に御伽噺を語りはじめた。
 ──やはり、わたしはウィルに女性として見られていないのだわ。そうでなければ、妻と同衾してこんなに冷静でいられる男性なんて、いるはずがないもの。
 断定できるほど、世の男性の夜の事情など知りもしないのだが、姉たちの教育が刷り込まれたエルシーには、自分が魅力ない女性だと言われている気がする。
 もしかしたら。
 この木綿のナイトドレスが問題なのだろうか。
 もっと露出の多い、淫らな夜着だったなら、ウィルバートも欲求をこらえられなくなるのだろうか。
 それとも、密着の具合が足りていないのか。恥じらいをかなぐり捨てて、ぐっと胸を押しつけてみるというのはどうだろうか──
「そのとき、狩人は言いました。『その美しい姫から手を離せ。さもないと俺の銃が火を噴くぞ!』と。そして、悪漢に銃口を向け、彼は狙いを定めます」
 盛り上がっていく物語と、ぐるぐる同じところを回るエルシーの思考、そして規則的なウィルバートの心音。
 こんな状況で眠れない、と思っていたはずのエルシーは、気づけば健やかな寝息を立てていた。
「……エルシー? 眠ってしまいましたか?」
 薄いまぶたがぴくりと震えるも、返事のない妻を見つめてウィルバートは目を細める。
「やれやれ、あなたは私がどんな思いでこうしているか、きっとわかっていないのでしょうね。今すぐ、壊れるほどにあなたを抱いてしまいたいと思っていることなんて」
 知りもしないのでしょう?
 吐息混じりの声で問いかけて、ウィルバートがエルシーのまぶたにキスを落とす。
 細い体を強く抱きしめ、彼はせつなげに息を吐いた。
 エルシーにとっては寂しさと優しさの募る夜、ウィルバートにとっては理性と戦う長い夜。
 こうして、ハイロアム王国の夜は更けていく──


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