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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

天使の待つ家

天使の待つ家


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 イヴォンヌ・リンゼイ(Yvonne Lindsay)
 ニュージーランドに生まれ、十三歳の頃からロマンス小説を愛読するようになった。ブラインド・デートで出会った男性と結婚し、二人の子供がいる。読書を通じて人々のさまざまな愛の力を追体験していると言う。

解説

情熱の一夜のあとで去っていった彼。この子の存在を知ったらなんて言うかしら?

亡姉の子を代理出産したケイラは、赤ん坊の父親、ドノバンを訪ねた――姉の葬儀の日の夜、たった一度だけ情熱を分かち合った魅惑の大富豪を。生まれた子にきょうだいを作ってやりたいという姉の望みを叶えるには、彼にもう一つの受精卵を使用する許可を得なくてはならなかった。「この子はあなたの娘よ」だが自分にそっくりな目を持つ赤ん坊を見ても、ドノバンは冷淡だった。「受精卵は破棄する約束だった。それに、ぼくには婚約者がいる」頼みをはねつけられ、肩を落として帰宅したケイラを悲劇が待ち受けていた。あろうことか、住み込みのナニーに貯金を全額盗まれてしまったのだ。困り果てたケイラが、もう一度ドノバンを訪ねると……。

■我が子を見ても眉一つ動かさなかった、億万長者との悲しい再会。かつて一度だけ関係をもったヒロインに彼がつらくあたるのには、ある特別な理由がありましたが……。波瀾万丈なストーリー展開とセクシーな作風で人気のイヴォンヌ・リンゼイの力作です。

抄録

 バンは無力感をおぼえていた。こういう感情には慣れていなかった。男なら誰だって、こんな状況からは逃げたくなるに違いない。それでも、もう酒に頼るつもりはなかった。バンが酒を避けるようになったのは、実の両親のことを知ったからだけではなかった。シエナの葬儀があった日の夜、ケイラと一線を越えてしまったのもふたりが酒を飲みすぎたせいだったからだ。
 その夜の記憶がよみがえりそうになり、バンは考えるのをやめた。飲みすぎたせいで愚かな行為をしてしまったが、そんなことはもう二度とない。もちろん、もっとも愚かな行為は、シエナに精子を提供したことだろう。バンは、まさかこんな事態になるとは想像もしていなかった。いま彼には子供がいて、さらにもうひとり生まれてこようとしている。
 バンにとっては最悪の悪夢としか言いようがなかったが、子供たちには彼が経験したような悲惨な子供時代を過ごすことがないようにするつもりだった。子供たちには、人生において正しい選択ができる人間になるよう導ける、模範的な大人が必要なのだ。つまり、バンが模範的な大人に――父親にならなければならないということだ。
 ケイラの考えがどうであれ、バンは子供たちの人生に現実的にかかわっていくつもりだった。現在も未来も、子供たちの安全や経済的に安定した生活を確保しなければならない。つまりケイラが次の子供を産むまで、週に七日一日二十四時間、彼女の安全や経済的な安定も確保するということだ。
 ケイラには早急な援助が必要だ。おそらく彼女は抵抗するだろうが、最後には援助を受け入れるはずだった。
 バンは慎重に言葉を選んだ。「進んで困難な状況に自ら追いこむ必要はない。それはきみもわかっているはずだ」
「困難な状況にわたしを追いこんでいるのはあなただと思うけれど」ケイラは皮肉っぽい口調で言い、身を乗りだして、コーヒーテーブルの上に置かれた法的な書類を指で示した。
 バンはそれを無視した。「ぼくが言いたいのは、ひとりで責任を負う必要はないということだ」
「つまり、あなたの要求をおとなしくのむべきだということね? 黙ってシエナを引き渡せと? わたしは姉さんに、わたしが産んで育てると誓ったのよ。そして誕生以来、ひとりで面倒を見てきた。それを忘れることはできないわ」
 ケイラの声には動揺があらわだった。バンは彼女を抱きしめて大丈夫だと慰めたい衝動に駆られた。ケイラに対してそんな感情を抱きたくなかった。いや、誰に対してでも。バンはいつも計画してから実行しており、衝動的な行動をとることはない。決定は充分に調査、分析をしたうえで下し、感情的になったりはしない。たとえケイラが彼の子供たちの産みの親であっても、彼女を抱擁したりはしないのだ。
 バンはケイラへの衝動を抑えこんだ。「亡くなったシエナだって、きみひとりに責任を負ってほしいとは思っていないはずだ。そもそも、きみのほうからぼくに援助を求めてきたんだぞ」
「ええ、援助を求めていたわ。でも子供たちをとりあげてほしかったわけじゃない」
 バンはケイラが緊張し、その青い目に傷ついた色を浮かべていることに気づいた。彼は目をそらした。どうしてこれほど罪悪感をおぼえるのだろう?
 なにかせずにいられず、バンは立ちあがってふたたび部屋を歩き回りながら、快適な生活のために援助を受け入れるべきだと話し続けた。
 ようやく話を終えたときには、ケイラの表情も穏やかなものになったような気がした。もちろん彼女の顔は青白く、目の縁は赤いままだったが。
「つまりあなたは、わたしにこのアパートメントの賃貸契約を解除して、大好きな仕事もやめて、モントレー半島のあなたの大邸宅へ引っ越せというのね? シエナをどこの誰かわからないナニーに預け、あなたの次の子供が産まれるまで孵卵器のように過ごせと。いやよ」
 ケイラを説得するのは簡単ではないと、バンもわかっていた。「そんなふうに考えれば、拒否したくなる気持ちはわかる。だがほかにどうするつもりだ? 援助もなく、妊娠した体で働き続けるのか? スーザンが言っていたが、シエナを妊娠したときにはきみは病気になったそうじゃないか。なんだったかな……妊娠なんとか」
「妊娠悪阻よ」ケイラは教えた。
「そう、それだ。またそれになったらどうするんだ?」
「もうつわりは始まっているけれど、きっと今回は大丈夫よ。すべて順調に進んでいるわ」それはケイラの願望だった。
「ぼくが調べたところによると、前回の妊娠で経験していれば、同じ病気になる可能性は八十六パーセントだった」
「あなたが調べたですって?」ケイラは首を振った。「なにで調べたの? ネット検索? すごいわね」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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