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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル

値打ちのない花嫁

値打ちのない花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マーガレット・ムーア(Margaret Moore)
 俳優エロール・フリンに憧れ、『スター・トレック』のミスター・スポックに恋をした少女は、やがて謎めいた魅力的な悪漢をヒーローに仕立てたロマンス小説を書くことに夢中になった。カナダのオンタリオ州スカボローに夫と二人の子供、二匹の猫と暮らしている。読書と裁縫が趣味。

解説

持参金も、まともな服さえもない私に、値打ちなんてあるはずがないけれど……。

屋敷と財産を賭博で失った父が蒸発し、シーアは独り取り残された。父は最後にサー・デヴリンなる貴族を相手に大負けして、彼女の花嫁持参金まで巻き上げられていた。路頭に迷ったシーアは苦渋の選択でサー・デヴリンの館を訪れ、切なる願いを申し出た――私をもらってください、と。デヴリンは突如現れたみすぼらしい身なりの女性の言葉に驚きつつも、理想の花婿と見るやつきまとってくる貪欲な令嬢たちを退けられ、跡継ぎも手に入るなら好都合と、彼女の願いを叶えてやることにする。半年前に見かけた瞬間から彼に恋していたシーアは舞い上がるが、初夜を迎えた翌日から、夫は急に冷たく無口になってしまい……。

■貧しい姿に隠されたシーアの魅力を見抜き、一度は彼女を妻としたデヴリンでしたが、思うところがあって婚姻無効の申請をしようと心に決めます。そうとは知らないシーアは、情熱的だった次の瞬間には冷たくなるという彼の気まぐれな態度に大いに翻弄されて……。

抄録

「持参金を手に入れた以上、花嫁ももらっていただけないかと言ったのです」
 そう言われても、まだ信じられない。僕は彼女の言葉を誤解しているのかもしれない。「それは、具体的にはどういうことだ?」
「具体的には、あなたに私と結婚していただけないかということです、サー・デヴリン」きまじめな灰色の目で彼を見すえたまま、レディ・シオドーラは相変わらず決意に満ちた力強い口調で答えた。
「結婚?」
「ええ。私には家が、そしてあなたには妻が必要ですもの。あなたはもうすぐ三十歳。裕福で爵位があり、しかも美男子。それがまだ妻をめとらないのは、好きなときに好きな相手と好きなことをする自由を満喫中だからでしょう。でも裕福で爵位があり美男子の独り者は、結婚相手を探すイングランドじゅうの若いレディとその母親から狙われる存在でもある。もし結婚してくだされば、妻として得られる快適で安穏な暮らしの見返りに、私がこの家を立派に切り盛りしてみせますわ。あなたは上流社会での地位を維持できる。我が家は貧しくなったかもしれませんが、昔は違いました。私はきちんとした教育を受けており、準男爵の妻に求められる役割をよく理解しています。それに夫がどこへ行こうと、誰と何をしようと、あれこれ問いただしたりしません。法の範囲内であれば、ご自由にどうぞ。つまり、私は心労のない快適な暮らしを手に入れ、あなたは妻に気兼ねせず、問いつめられることもなく、独身時代と同じ自由を満喫し、しかも結婚相手を探す女性に煩わされることもなくなる、というわけです」
 デヴはただ呆然と、目の前の冴えないペリース姿の若い女性を見つめた。彼女は今、突拍子もない提案をした。風変わりな提案に慣れている僕でさえ初めて聞く話だ。ただ、やり方は厚かましいが彼女は明らかに本気で、その提案にはなるほど理にかなった面も……とはいえ、やはり常軌を逸した論外な話だ。「冗談はやめてくれ」彼はやっと言った。
「冗談ではありません。いたって真剣です」彼女は相変わらず冷静にきっぱりと応じた。「財産のない女性の選択肢は限られています。住みこみの家庭教師か、学校の先生か、レディの話し相手にはなれるでしょうけれど。でもその前に、あなたにお尋ねしようと思ったのです。ご自分の行動の責任を取ることができて、しかもある種の面倒から解放される一石二鳥の提案に、同意していただけないかと」
 彼女が話している間に、デヴは落ち着きを取り戻した。「僕はお父上を賭博場へ連れていっていないし、無理やりカードゲームをさせてもいない。君を身一つで置き去りにしてもいない。したがって、僕にはなんの責任もやましさもない」いや、実際は必ずしもそうとは言いきれない……。
 だがあの晩の行いに多少の悔いはあっても、この奇矯な女性に一生縛りつけられる気は毛頭ないぞ。
 デヴはそう断じたが、ふと前回の舞踏会の記憶がよみがえり、決意が鈍った。鼠につきまとう猫のような目で女性たちにじっと見つめられたことや、スケーン公爵の娘に罠を仕掛けられたことを考えると、レディ・シオドーラの提案にも一理ある。それに、いったん結婚したら黙って僕の好きにさせてくれる従順な妻になる女性が、知り合いの中にいるだろうか? 一人も思い浮かばない。
 しかし彼女の提案は魅力的でも、肝心な点が考慮されていないようだ。「レディ・シオドーラ、もし仮に僕がその突拍子もない提案に同意したら、子供の問題はどうなる? 少なくとも世継ぎを一人と、万一に備えて男子をもう一人欲しいのだが」
 これで彼女の鎧にひびを入れられたと思ったら、大間違いだった。レディ・シオドーラは顔を上げて顎を突き出した。「サー・デヴリン、私はうぶな女学生ではありません。必要な務めは果たします」
「務めを果たす? およそ心そそられる言葉ではないな」デヴは辛辣に言い返した。
 彼女は片方の眉を上げた。「心そそられる言葉なんて、あなたにはご不要では?」
「確かに、僕は寝室で過ごす楽しい時間が好きだし、そのことを弁解するつもりはないよ」自然な欲望を恥じるものかとばかりに、デヴは堂々と答えた。
「別に弁解していただかなくて結構です。私はただ妻の務めを果たし、あなたが夫の務めを果たすことを期待するだけ。それ以外は何をなさろうとご自由です。そう申しましたでしょう」
 デヴは彼女に近づいた。「もしも僕が君の突拍子もない提案に同意した暁には、ね」
「ええ、同意なさった暁には」彼女はうなずいた。
「同意するかもしれない」デヴはつぶやいて彼女を抱き寄せ、いきなり唇を奪った。


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