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愛を償うウエディング

愛を償うウエディング


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マヤ・ブレイク(Maya Blake)
 イギリスの作家。妻であり2人の子どもの母でもある彼女がロマンス小説の虜になったのは、13歳のとき。姉から借りた1冊のハーレクインがきっかけだった。そんな彼女にとって、ハーレクイン社でのデビューは夢のようだったと語る。執筆に没頭していないときは、旅行やツイッターが好きだという。

解説

憧れの人と結ばれた夢の一夜は、悪夢のような結婚への序章。

スキは人生最高の25歳の誕生日を迎えた。密かに片思いをしてきた、親友の兄ラモンとついに結ばれたのだ。だが、実業家と芸術家という二つの顔を持つ魅惑的な彼にとって、身分違いのスキとの一夜はほんの気まぐれだったのだろう、翌朝ラモンの姿は消えていた。10カ月後、親友が事故で急死し、思いがけず再会したラモンは、怒りもあらわにスキに詰めよった。なぜ妊娠したことを僕に知らせず、勝手に中絶したんだと。違う、誤解よ! 赤ちゃんは……ショックで取り乱すスキの耳に冷酷な命令が響いた。「君には後継ぎを産んでもらう。償いとして」

■憧れの人ラモンと夢のような一夜を過ごしたスキは、やがて妊娠に気づきますが、喜びは一転、絶望のどん底へ……。二人の間に隠された秘密とは? 円熟の人気作家が描く、ほろ苦いロマンスです。

抄録

 バッグのストラップを握るスキの手に力がこもった。「また喧嘩を吹っかけるつもり? さっきの件もまだちゃんと解決していないのに」
 すると、ふいにラモンが二人の距離をつめてきた。スキの手からバッグが奪われ、隣のシートに放り出される。力強い指が髪に差しこまれ、スキは彼のほうを向かされた。
 ラモンの体から電流のようなエネルギーの波動が感じられる。彼の瞳に表れた決然とした光を見て、スキの口はからからに乾いた。永遠とも思えるほど長い間、ラモンはただ彼女を見おろしていた。二人の吐息が混ざり合う。
「すまなかった。妙な誤解をしていたようだ。今夜は虫の居所が悪かったが、そんなことは言い訳にならない。許してほしい」
 その謝罪は真摯に響いた。スキの頭の中に鳴り響いていた警告が一瞬やんだ。「あ……ええ」彼女はつぶやいた。
 ラモンの指が動き、ゆっくりとけだるく、それでいて巧みに、スキの頭皮をマッサージした。下腹部に甘美な熱が集まった。「これで満足かい?」
「まだ……わからないわ」
 ラモンの片方の眉が上がった。顔の残りの部分は期待に張りつめている。「何が?」
「あなたはまたすぐ喧嘩を仕掛けてくるかもしれない」
「いや、|いとしい人《ケリーダ》、僕が仕掛けようとしているのはまったく別の種類のものだ。君もわかっているだろう」
「さあ、どうかしら……」
「それくらいにしておいたらどうだい、スキ。何が起こるかは君しだいだとは言ったが、二人のどちらかがいらだって投げ出してしまわないうちに先へ進んだほうがいいんじゃないのかな。そのおいしそうな唇から聞きたいのは、イエスかノー、二つに一つだ。君が欲しい。今夜はずいぶんと失礼な男になりさがってしまったが、こんな僕でも求めてくれるかい?」
 心臓がどきどきし、喉から飛び出しそうだ。三年もの長きにわたって、ラモンへの一方的な思いをつのらせてきた。その彼がこうして目の前にいてこんな言葉をささやきかけてくるとは、想像もしていなかった。いつかは熱が冷め、恋の病が治る日が来ると思っていた。ただ、スティーヴンのような男性たちと何回かデートをしながらも、最終的にみんな浮気者だということがわかる以前から、相手として物足りないと感じていたのも事実だ。なんとなくスケールが小さいとか、自信が感じられないとか、肌が浅黒くないとか、あげくの果てはスペイン系ではないという理由で。
 スティーヴンに裏切られたことをきっかけに、恋を求める気持ちを失い、心が麻痺していた。十六歳のころからずっと母に聞かされてきたことはやはり本当なのだと、あきらめの境地に陥っていた。そして今、あの麻痺状態がよみがえってくれることを必死に願っていた。雷のようにショックを与えて、自分をのみこもうとしている強烈な欲望から目覚めさせてくれないかと……。
 あいにく、ラモン・アコスタの瞳を見つめるスキの心は麻痺からはほど遠い状態だった。少女じみた片思いは少しも治っていなかった。
 おまけに彼にはもう婚約者もいない……。
 ああ、どうしたらいいの?
 スキはかぶりを振った。これは人生で最悪の選択だと警告するささやきは、すでに叫び声に変わりつつある。彼女はごくりと喉を鳴らし、唇に舌を這わせた。
 髪に差し入れられたラモンの指が震え、喉から苦しげな声がもれた。スキはこの狂気から解放してくれるはずの言葉を口にしようとしながら、ふと視線を下ろした。なめらかな彼の唇がすぐそこにある。味見をしてみたくてたまらなくなった。
 一度だけ。一度だけなら……。
 そうよ。そうすれば、納得できるかもしれない。これまでずっと彼を神のように崇めてきたけれど、それはみんな、遠い昔に読んだおとぎ話の後遺症にすぎなかったのだと……。
「スキ……」熱のこもった声でささやかれた名が官能の鎖となってスキにからみつき、引き寄せる。
 胸のふくらみが張りつめるのがわかった。脚の付け根が締めつけられ、これまで経験したことのない激しい欲求がスキをさいなんだ。
「ええ」降伏することの喜びに震えながら、ようやく返事を口にした。
 ラモンにそれ以上の誘いは必要なかった。彼は野獣のようなうなり声をあげるとスキを抱き寄せ、唇を近づけた。熱い唇が斜めに唇に重ねられ、すでに燃えあがっている感覚に、さらなるエネルギーと喜びをそそぎこむ。
 ラモンの舌が唇を撫で、大胆に何度も味わっては、中に迎えるよう求めてくる。スキは今ラモン・アコスタとキスをしているのだという驚きに震えつつ、侵入を許した。次の瞬間、口の中に彼の舌がすべりこむと、その驚きは甘やかに溶けて消え去った。
 興奮が頭のてっぺんから爪先まで駆けめぐり、体の奥からうめき声がこみあげたが、すぐにキスにもみ消された。自分がこんなふうに声をもらしているのだと思うと、ショックに愕然とした。もちろん、キスは初めてではない。人それぞれでキスの仕方が異なることも、上手な人もいれば下手な人がいることも知っている。
 だが、今ラモンが与えてくれているキスは、これまでの誰のものとも比較にならなかった。舌を舌で撫でられるたび、唇に歯を当てられるたび、焼けつくような快感が肌に広がる。もっとキスを続けてほしくて、自分でも気づかないうちに身をすり寄せていた。
 息をする必要に駆られていったん唇を離しても、ラモンはほんの数秒しか休ませてくれず、その間も惜しむように彼女の唇を親指で撫でていた。「君の唇はなんて甘いんだ」彼はうなってから再びスキの唇を奪い、ありえないところまでキスを深めた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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