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大富豪に恋したメイド

大富豪に恋したメイド


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

解説

指輪なんてほしくない。私がほしいのは、あなたの心だけ。

両親に結婚を強要されたソフィーは故郷シチリアを出て、ローマの五つ星ホテルでメイドとして働き始めた。ある日、彼女がスイートルームに朝食を届けに行くと、イタリア人大富豪バスティアーノがベッドに横たわっていた。同郷の彼に惹かれ、ソフィーは魅入られたように純潔を捧げる。3カ月後、再び訪れたバスティアーノと甘い夜を過ごした翌朝、突然罵声が飛んだ。「盗んだ指輪を返せ!あれは母の形見だ」酷いわ、濡れ衣よ! だが結局ソフィーは職を解かれ、彼も失う。泣く泣く彼女は帰郷した──おなかに彼の子を宿して。

■『愛を授かりしベネチア』、『儚い愛人契約』に続く関連作をお届けします。愛する人にあらぬ疑いをかけられ、逃げるように故郷へ帰った身重のソフィーの運命は……? 感動のフィナーレです!

抄録

「仕事を口実に、僕はリディアと継父のモーリスをイギリスから呼び寄せた。バーで落ち合ってディナーに出かける予定だったが、彼女は友人たちと出かけると言った」
 ソフィーはいぶかしげな顔をした。バスティアーノとのディナーを断るということが想像できなかったからだが、彼はその表情を好奇心の表れと受け取った。
「リディアは、ただのディナーではないと察したんだろう」ソフィーが頬を赤らめるのを見て、僕が求めていたのはセックスではない、と彼は言葉を継いだ。バスティアーノにとって、ベッドの相手を見つけるなど造作もなかった。「きみの婚約者と同じく、そろそろ身を固める時期だと思った」
 もっとも、単にラウルの先を行きたいというのが主な理由だったのだが。
 バスティアーノは、金で買えるものはすべて持っていた。それはラウルも同じだ。二人とも持っていないもの、それは家族だった。
 自分のほうが先に家族を手に入れると心に決めた。ただ、それだけのことだった。
「長いあいだ、つき合っていたんですか?」
「つき合ったことはない」バスティアーノはあくびをした。故郷シチリアではロマンスや愛は必ずしも結婚に不可欠なものではない。それを説明する必要がないので、彼はほっとした。「そのときはいい考えだと思った。今はそうでもないが」肩をすくめる。「浅薄な考えは長続きしない。考えてみると、独身のほうがずっと僕には合っている」
「その顔だちと……」ソフィーは豪華なスイートルームを見まわし、言わずもがなのことを口にした。「お金があるのだから、楽しめばいいのでは?」
「ああ、存分に楽しんでいる」
 だが、最近はあまり楽しくなかった。
 バスティアーノは枕にもたれた。ソフィーと目が合い、沈黙が二人にのしかかった。彼女のまつげを見て、まったくメイクをしていないことに気づく。彼女の視線がバスティアーノの唇に注がれる。そのとき初めて、二人がどこに向かっているのか、彼はわからなくなった。いつもなら、女性がベッドに座っていれば、何が起こるかはっきりしていた。
 こっちにおいで――バスティアーノはそう言いたかった。
 ソフィーにもそれはわかっていた。
 最悪の状況が迫っていた。押し流されてしまうのは簡単だ。でも、私はインガとは違う。彼には、そう思われているのかもしれないけれど。
 客からの贈り物は受け取るなとメイドがきつく言われているのには、相応の理由がある。
 だがバスティアーノには、見返りを期待するような雰囲気はなかった。
 ソフィーは自らの意思でトレイを脇に置き、水を飲んで立ち上がった。分をわきまえた笑みをバスティアーノに向け、ごく自然にメイドの自分に戻る。それからトレイをきちんとワゴンに置いた。
「ごちそうさまでした。おいしかった」
「礼はいい。ペストリーもうまかった」
 ソフィーは彼の皿を受け取りに行った。
 皿は腿の上だった。下半身はシーツに覆われてはいるものの、彼が自分で下げたほうがいい。目を向けまいとしても、腹部を覆う黒い毛が見えてしまうからだ。
 欲望が下腹部で渦巻き、ソフィーはシーツを引き下ろしたくなった。手が震え、もうメイドではなくなっていた。二人の指がしばらく触れ合っても、ソフィーは手を引かなかった。彼の手は温かく、かすかに触れているだけで、さらに多くを求めたくなる。
「もう、行かなくては」ソフィーは自制心をかき集め、やっとの思いで言った。
「そうだな」
 それでも彼女はその場に立ったまま、皿をベッドのサイドテーブルに置いた。自分の好奇心をこれほど意識し、神経が高ぶったのはこれが初めてだった。
「ありがとう」
 バスティアーノには、再び礼の言葉を口にしたソフィーの胸中が読めなかった。彼女の欲望と慎みを感じ取り、バスティアーノは少し状況を進めた。人差し指で彼女に近いほうの頬、傷のない頬を軽く二度たたく。
 頬へのキスなら、かまわない。友だちのガビと食事をして別れるときは頬にキスをする。ソフィーは自分にそう言い聞かせたが、この状況はそれほど無邪気ではなかった。
 明確な意図を持つ決断ですらなかった。まるで、コンベアーのベルトの上に立ち、彼のほうに滑り落ちていくようだ。
 ソフィーは身をかがめ、バスティアーノが指でたたいたところに唇を寄せた。うっすらと伸びた髭となめらかな肌との境目だ。唇に感じたぬくもりは魅惑的で、なかなか唇を離すことができない。バスティアーノが息を止めるのを感じ、それに応えるようにソフィーの鼓動も速くなった。彼女は頭を引いて、もう一方の頬にもキスをしようとした。
 そのとたん、バスティアーノは顔をぐいと引いた。傷には触れられたくなかったからだ。唇にキスをされるほうがずっといいうえに、いつもはそれで求めるものが手に入った。
 だが、今回は違った。
 ソフィーは小さなそぶりを読み違え、唇をもう一方の頬に寄せた。傷に触れても唇はそこにとどまり、まったく気にしないかのように、優しい口づけを続けた。


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