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強いられた情熱と結婚

強いられた情熱と結婚


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェイン・ポーター(Jane Porter)
 アメリカ、カリフォルニア州に生まれ、十代から二十代前半は海外で過ごす。イギリスに滞在中、ロマンス小説に出会い夢中になった。文学修士号を持ち、現在は教師をしている。夫と幼い二人の息子とともにシアトルに在住。

解説

3年前、求められたのは体だけだった。今度も私の愛は握りつぶされる運命なの?

目を覚ましたとき、ロギーはローワンに抱きかかえられていた。3年ぶりに彼に会って、どうやら気を失っていたらしい。億万長者のローワンは危険が迫っているとロギーに教え、なぜか国外にある彼の城で保護したがった。しかし、彼女にはどうしても国を出られない理由があった。バージンを捧げたローワンに、一夜で捨てられたからではない。私の父が原因で、彼に死ぬほど憎まれていることも関係ない。気絶してできた怪我も忘れて、ロギーは勇気を振り絞った。私たちには2歳になる娘がいるの、と告白するために……。

■本作は『ギリシアの悪魔富豪』『婚礼宮にさらわれて』の関連作にして、最終話となります。ロギーはかつて一夜を過ごした富豪が所有する城に連れていかれ、以前にも増して情熱的に誘惑されます。娘の父親との、愛のない結婚にイエスと言うまで……。

抄録

 ローワンはいよいよ酒が欲しくなった。体を熱くするものがあれば、ロギーを壁に押しつけてやわらかな唇をふさぎ、別の懇願をさせたい衝動に駆られずにすむかもしれない。
 まるで獣になった気分だ。
 獣になどなりたくないのに。
 普段は仕事に集中することで邪念を振り払うのだが、今日はできなかった。ロギーと彼女の大きな青い目と、キスを求めるピンク色の唇しか見えなかった。
「違う。僕はくびになどしていない。何カ月も前に任務は解いていたんだ。クリスマス休暇の前に。にもかかわらず、ジョーは拒んだ。君を見捨てることはできないと言って」
 ロギーの唇がゆがんだ。「あなたが見捨てたようにはって意味ね?」
 もし冷たくあざけるように言われたなら、無視することもできた。虚勢を張られたなら、放っておいた。だが彼女の声と唇は震えていて、ローワンの胸は締めつけられた。
 僕はロギーを傷つけた。理由はわざとそうしたかったからだ。
 手をのばしたローワンは、折れそうに細いロギーの手首をつかんで引き寄せた。ロギーは身をこわばらせたものの、あらがおうとはせず、ただじっと息をつめていた。
「こめかみを見せるんだ」彼は怒ったように言い、ロギーの額にかかった豊かなはちみつ色の髪を持ちあげて傷を調べた。そうひどくはなさそうだ。ジャックスを迎えに行っているあいだに水ですすいだのだろう、すでにかさぶたができ、周囲が青くなりはじめている。明日には醜いあざになっているだろうが、おおむね回復に向かっているように見えた。「すまなかった。抱きとめてやれなくて」ざらついた声で言う。自分が彼女に痛みしかもたらしていないと思うとつらかった。「急に倒れた君に反応できなかったんだ」
「もっと痛い目にもたくさん遭ってきたわ」ロギーは強がって笑ったけれど、濃いまつげの奥の目には痛みとあまりにもたくさんの影が垣間見えた。
 ローワンはその瞳をじっとのぞきこんだ。この三年間、彼女にどれだけのことがあったのかと思うと、後悔と罪悪感が胸をついた。
 僕はロギーを見捨て、世間のさらし者にした。彼女の言ったとおりだ。
 人を守ることを生業にしているのに、僕はロギーを守らなかった。
 ローワンは顔を近づけ、唇を重ねた。彼女をいたわる、謝罪のキスのはずだった。それが唇が触れた瞬間にすべてが吹き飛んだ。
 なにもこの三年間、禁欲生活を送ってきたわけではなかった。何人もの女性とセックスを楽しんできたが、ロギーは別格で、自分のものという気がした。ただ、その思いがどこからくるのか知るよりは、今はただ彼女を知りたかった。だからロギーの背中に手を滑らせて強く抱き寄せると、ローワンの中で血がわきたち、体が熱く硬くなった。
 それでも、無理強いをするつもりはなかった。彼女がノーと言ったら、胸に手をついて突き放したら、すぐにやめるつもりだった。
 ロギーの手がローワンの胸に置かれ、彼女の指がシャツをつかんだ。しかし突き放しはせず、彼を引き寄せた。
 ローワンの欲望に一瞬にして火がついた。
 ロギーの唇を舌でなぞって開かせ、キスを深める。彼女の舌に舌をからませ、唇の内側をなぞると、ロギーの体が震えて爪が胸板に食いこんだ。そんな彼女の腰をつかんで、ローワンはぐいと引き寄せた。ロギーの中に身を沈め、もう一度彼の名前を叫ばせたかった。
 やはりロギーは別格だ。こんなにも欲しいと思った女性は、一人もいなかった。
 キスはどんどん深くなったが、ローワンは熱烈にロギーを求めたくはなかった。だれのことも欲したくはなかった。望んでも望んでも望みたりないなどとは思いたくない。自分に欠けているもの、必要なもの、欲しいものがついに見つかったと実感してたまるか――。
 乱暴に唇を引きはがし、ローワンはうしろに退いた。呼吸は荒く、体は脈打っていたが、そんな反応は今胸の中で起こっていることに比べればなんでもなかった。
 ロギーは僕の運命の女性ではない。
 ありえない。
 なにもかも与えられて育ったわがままな令嬢など好きではないし、尊敬できない。彼女はなに一つ、自力で手に入れたことがない女性なんだぞ……。「どちらか一人は、ジャックスについているべきだ。乱気流に入るかもしれない」
「ここには帰りがけに寄っただけだから」ロギーはきびすを返した。その直前、赤くほてった頬とキスで腫れたピンク色の唇が見えた。
 危うくローワンは彼女を抱きしめてキスの続きをしそうになったが、黙ってその背中を見送った。体はうずき、頭は混乱していた。
 僕たちのあいだに愛情はない。おまけにまともな会話さえできないありさまだが、ひとたびベッドに入れば話は別だ。好意などなくても、嫌い合っていても、二人のセックスは確実に熱いものになる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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