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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・イマージュ

愛しのロイヤル・ベビー

愛しのロイヤル・ベビー


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・マリネッリ(Carol Marinelli)
 イギリスで看護教育を受け、その後救急外来に長年勤務する。バックパックを背負っての旅行中に芽生えたロマンスを経て結婚し、オーストラリアに移り住む。現在も三人の子供とともに住むオーストラリアは彼女にとって第二の故郷になっているという。

解説

赤ちゃんのことを告げられなかった。まさか、こんな形で知られるとは……。

旅で訪れたギリシアの島で気品に満ちた男性と出会ったベス。浜辺で言葉を交わすうち強く惹かれ合い、めくるめく夜を過ごした――連絡先も名字も告げず、ただ思い出だけを分かち合い、ふたりは別れた。やがて妊娠に気づいたベスは厳格な両親の不興を買って実家を出たが、数カ月後、仕事でロンドンにいる間に激痛に襲われ、破水してしまう。搬送先の病院で早産の赤ん坊を取り上げることになったのは、なんと、あの忘れえぬ一夜を共にした、おなかの子の父親エリアス! 再会の衝撃に動揺するベスとは対照的に、彼はいたって冷静だ。生まれてくるのが我が子だと知ったら、彼はなんと言うかしら? しかし、エリアス側にもまた、重大な秘密があるのだった……。

■命の現場にたずさわり、自らの人生経験が遺憾なく発揮された真に迫る作品で人気の作家キャロル・マリネッリ。本作では、牧師の娘として生まれた内気なヒロインと、高貴な生まれゆえに懊悩するヒーローとの、劇的なシークレットベビー・ロマンスを満喫できます。

抄録

 踊りたい。
 これまでの人生で一番そう思った。
 ベスはヴィラの鍵を砂の上に置いて、彼の手を取った。エリアスは彼女を立ち上がらせた。
 一緒に立ってみると、彼はベスが思ったよりもずっと背が高く、彼女を見下ろすような感じだった。
 そのうえ、肩幅も広かった。
 エリアスはベスの手を握ったまま、ダンスフロアではなく、波打ち際へ導いていった。
 エリアスはつないだ手を高く構え、もう一方の腕をベスの腰に回した。
「わたし、踊れないのよ」
「大丈夫だ」エリアスは二人の手を高く掲げた。
 ベスはくるりと回ったものの、よろけてしまった。「やっぱり無理だわ」
 彼はベスを再び回転させた。彼女が声をあげて笑うと、ベスを引き寄せ、足を置く位置を教えた。
「あなた、ダンスができるのね!」
 彼には驚かされるわ。
 波打ち際に向かう時は、二人が接近して、そのままキスという流れが彼のもくろみだと思っていた。
 わたしもそれを受け入れるつもりだった。
 だけど今、わたしたちはダンスをしている。
「ああいうの、できるようになりたいと思っていたの。後ろにのけぞって、支えられて……」
 彼は笑った。「それはディップって言うんだ」
 当時は延々と続く社交ダンスのレッスンが大嫌いだったが、ここへ来て突然、やったかいが出てきた。
 エリアスはベスを回転させ、彼女の背中に片手を当てた。彼はやりかたを説明したが、ベスはのけぞろうとするたびに体がこわばってしまった。
「できないわ」
 ベスは二度試みたが、どうしても無理だった。
「大丈夫だよ。ぼくがきみを絶対落とさないから」
 エリアスがベスを引き寄せ、二人は唇が重なりそうなくらいまで近づいた。ベスは彼の激しい鼓動を胸に感じながら、話す彼の口もとを見つめた。
「水の中でやってみよう」
 ベスの口もとがゆっくりと緩んだ。「わたしを裸にする口実としてはお粗末ね」
「口実なんて使わないよ」エリアスはベスの手をつかむと、服を着たまま浅瀬に入った。
 二人は冷たい海水をかき分けるように進んだ。
「だから、財布を取り出したの?」ベスはキスをしてほしくて、彼の首に両腕を回した。「海に入ることになるってわかっていたから?」
「違うよ」
「信じられないわ」ベスは水に慣れ、腿のあたりで揺れる波と腰に当てられた力強い両手を感じていた。もうダンスだけではもの足りなかった。
「本当だよ」エリアスはベスにキスをした。ゆっくりと、だが、軽くではなかった。
 軽いキスやためらいがちなキスが当たり前になっていたベスには、まさに初めてのキスだった。それどころか、巧みな舌で欲求に応えてくれるキスは、初めて経験したキスよりはるかにすばらしかった。
 欲求はベスの中にいつもあったが、きちんと満たされたことは一度もなかった。だが今、それが満たされようとしていた。
 ベスは彼の頭に両手を当て、髪に指を絡めながらキスを返した。ベスの舌は挑発的だった。そして、彼の舌はさらに挑発的だった。
 これが本当のキスなのね。ベスはエリアスに抱きすくめられながら思った。
 ベスは彼が硬くなるのを感じた。だが、エリアスはローリーとは違い、腰を引いて興奮を隠すどころか、さらに体を押しつけてきた。水の冷たさとは対照的に、ベスの脚の間は熱くなった。彼はベスの腰をつかんで興奮の証を押しつけたまま、キスを解いて、もう一度彼女を味わうかのように唇をなめた。
 ベスは息も絶え絶えになりながら彼を見つめ、型どおりという言葉を思い返した。
 エリアスのキスは、わたしが経験した中で最も型破りで、最も甘美なキスだわ。彼の舌に愛撫されるたび、満たされた気分になるのに、あっという間に足りなくなって、もっと欲しくなってしまう。
 ベスは彼の唇に唇を近づけたが、エリアスは首を引っ込めた。
「ぼくたちはここにダンスをしに来たんだよ」
 お互いその気になっているのに、ベスが彼の手に背中を預けても、エリアスは直立したままだった。
 だが、そのままでは終わらなかった。エリアスは彼女の体を優しく引き戻した。
「もう一度」ベスは言った。
 エリアスはベスをくるりと回してから、彼女の背中に片手を当てて引き寄せ、ディップの構えを取った。ベスはいちだんと大きくのけぞり、髪が波に漂った。エリアスは彼女を両腕で抱き上げた。
「もう一度」ベスは言った。
 そして、ベスは何度も背中を反らした。
 ずぶ濡れになったが、構わなかった。彼が胸の中に引き戻してくれるから。
 二人とも息を切らしていたが、それは激しい動きのせいだけではなかった。


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