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十八歳の許嫁【ハーレクイン・セレクト版】

十八歳の許嫁【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アビー・グリーン(Abby Green)
 ロンドン生まれだが、幼少時にアイルランドに移り住む。十代のころに、祖母の愛読していたハーレクインのロマンス小説に夢中になり、宿題を早急に片づけて読書する時間を捻出していた。短編映画のアシスタント・ディレクターという職を得るが、多忙な毎日の中でもハーレクインの小説への熱はますます募り、ある日辞職して、小説を書きはじめた。

解説

イゾベルが初めて彼に会ったのは、18歳の誕生日だった。ラファエル・ロメロ――傲慢で冷酷な大金持ちの若き実業家。彼こそは、イゾベルがまだ8歳のときに決められた許婚なのだ。ラファエルの支援がなければ、彼女の家は破産の憂き目に遭う。「あなたと結婚するくらいなら、死んだほうがましよ!」爪を立てる仔猫さながら言い放ったイゾベルを、あろうことかラファエルは抱き寄せて濃厚なキスをし、再会を約束した。3年後、パリ。実家を出たイゾベルは貧しくも自由に暮らしていたが、21歳の誕生日の夜、彼は現れた――妻を迎えに来たと言って。忘れもしないあのキスが、戦慄となってイゾベルの体を駆け抜けた。

■アビー・グリーンの描くラテンロマンスは、まるでタンゴのリズムのように熱く激しく、速いテンポで読者を虜にします。「政略結婚なんかいや!」と抗うヒロインですが、心はあの18の夜、若く傲慢な富豪に既に奪われていて……。初恋と愛なき結婚の物語です。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「君は僕が想像していたのとはだいぶ違う」
「あら、あなたは私の想像したとおりだったわ」
 ラファエルが片方の眉を上げた。「それはほめ言葉と受け取っていいかな? どうやら君はたいしたじゃじゃ馬らしい」
 イゾベルは顎を上げた。「もしそれが自分の意思を持ち、その意思を貫くことを恐れないという意味なら、ええ、私はじゃじゃ馬よ。このまま黙ってあなたとの結婚を受け入れると思わないで。億万長者の都合のいい妻として一生を終えるなんてごめんだわ」
 体がますます熱くなった。この人のまなざしはまるで……まるでなにかを見定めるよう。私自身も気づいていないなにか、そう、女としての私を。とたんに体の奥に熱いものが流れだし、身をよじるまいと必死にこらえた。目を離したいのに、催眠術にかけられたように彼の瞳から目を離すことができない。
 ラファエルの謎めいた沈黙がイゾベルをますます追いつめた。「まさかあなただって、本気で私が相手でいいわけないでしょう」
「とんでもない。僕はてっきり頭のからっぽな甘ったれのお嬢さんが出てくると思っていた。だが、君は見事に僕の想像をくつがえしてくれた。僕を驚かせられる人間なんてそうそういるものじゃない」
 イゾベルは凍りついた。「だれもあなたを驚かせた覚えはないわ」
「だが、驚いたものはしかたない。正直言って、僕もこの縁組にはさして魅力を感じていなかったが、おかげでそうでもなくなってきたよ。いずれ妻が必要なことは間違いないし、一度身の破滅を招きかけたことを思えば、こういう結婚が最も妥当だろう」ちらりと視線を落とし、口元をゆるめる。「僕はお子さまをベッドに誘う趣味はないが、見たところ、君ももう少しすれば、僕と人生を歩むにふさわしい女に成長しそうだ」
 イゾベルはいきりたった。「私は子供じゃないわ!」
「子供じゃない? じゃあ……女かい?」ラファエルは首を振った。「君はまだ女じゃない、|かわいい人《ケリーダ》。僕のベッドに入るにはまだ早いさ」
 激しい怒りと、痛みにも似たなにかがイゾベルの口調を荒くした。「どのみち、あなたのベッドはもうとっくに定員オーバーじゃないかしら。上流社会への登竜門と思っているような女性たちと一つのベッドを取り合うなんて、こっちから願い下げよ」
 ラファエルは一瞬あっけに取られたが、すぐに怒りを燃えあがらせた。「言ってくれるじゃないか、お嬢さん」彼は手を伸ばし、イゾベルの腕をつかんで胸に抱き寄せた。
 イゾベルは声をあげることも呼吸をすることもできなかった。ただ目を見開き、セクシーな唇が近づいてくるのを見つめていた。喉の奥から声にならない声がもれ、そして、すべてが闇と炎に包まれた。彼の唇はウイスキーと危険の味がした。心を酔わす大人の味。このみだらな猛襲の前には、イギリスで経験したキスなどものの数にも入らなかった。
 衝撃のあまり、身じろぎもできなかった。はたと気づいたときには、たくましい体を押し当てられ、胸が張りつめてドレスの生地を押しあげていた。
 ラファエルの唇が容赦なくイゾベルをいたぶった。巧みに反応を引き出し、さらなる屈辱を与えるために。頭のどこかでそうとわかっていながら、頭と体をつなぐ回線が切れたかのようだった。
 脚から力が抜け、ラファエルのタキシードの襟にひしとしがみつく。彼の唇が一瞬だけ離れると、我を忘れて喉を鳴らし、再び彼の唇を求めた。
 ラファエルが片手をイゾベルの背中に、もう一方の手を頭のうしろにすべらせた。髪留めがはずれ、長い髪が肩に落ちる。イゾベルは狂気の世界へ落ちていった。そこにはただ彼と、彼の唇と、今まで想像したこともない熱い欲望があるだけだった。彼の舌が唇を割って入ると、両脚の間がうずき、思わずぎゅっと脚を閉じた。もう理性をつなぎとめることはできなかった。経験のないイゾベルは降伏するしかなかった。
 先に体を引いたのはラファエルだった。イゾベルは荒い呼吸を繰り返しながら、重いまぶたを開けた。体がじっとりと汗ばみ、自分がどこにいるのかさえわからなかった。まるで彼に焼き印を押されたかのようだ。
 ラファエルがイゾベルをしっかりと立たせ、手を離してうしろに下がると、たちまち屈辱がこみあげた。目を合わせることもできない。イゾベルは顔を真っ赤にして、そばにあった椅子に腰を下ろした。
 ラファエルがエネルギーを持て余すかのように部屋を行ったり来たりし、それから足をとめて、ざらつく声で言った。「君はまだ子供だ、イゾベル。だが、間違いない。三年後、僕たちが結婚するころにはきっと申し分のない相手になる」
 まるで驚いているような口ぶりにイゾベルは思わず顔を上げ、すぐに後悔した。ラファエルとの距離はあまりに近い。逃げる間もなく彼がイゾベルを椅子から立たせ、指で顎を持ちあげた。
「この結婚を避けることはできないし、案外、いい夫婦になれるかもしれない。政略結婚なんて珍しくもないさ。俄然、楽しみになってきたよ」
 まるで独り言をつぶやいているようだった。イゾベルは体をこわばらせ、勇気をかき集めて言った。「私はあなたとなんて結婚しないわ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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