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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

スペインから来た悪魔

スペインから来た悪魔


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

あの夜、天使を授けてくれた彼が血も涙もない大富豪だったなんて。

「子供の父親が僕だと言い続けるなら、君を名誉毀損で訴える」1年ぶりに会ったコルテスの瞳の冷たさに、エリンは凍りついた。迷うことなく純潔を捧げた魅惑の恋人はどこへ行ったの? 私は彼への想いを胸に、必死に息子を産み育ててきたのに……。相変わらず強烈な彼の魅力に心乱されるエリンをよそに、コルテスはDNA鑑定で親子関係が証明されると母子をプライベートジェットでスペインの屋敷へ連れ去った。ひたむきに息子を愛するエリンの素顔を見ようともせず、金目当ての俗悪な女と決めつけたまま。

■大金と引き換えに息子を置いて去れという要求をエリンが拒絶すると、コルテスは結婚を迫ります。別人のように優しくなった彼とのめくるめく蜜月の果て、ある出来事を機に再び愛は壊れだして……。繊細かつドラマチックなシンデレラ・ロマンスをご堪能ください。

抄録

 強靱な体に全身を押しつけられ、エリンの理性が溶けていく。すてきなにおいがした。刺激的なコロンの香りと、乾いた体が発する独特のにおいが混じり合っている。エリンは彼の首筋に顔を押し当ててそのにおいを吸いこみ、ブロンズ色の肌を舌の先で味わってみたくなった。両手を彼の胸にあてがうと、彼の鼓動がどんどん速くなっていくのがわかった。驚いて彼の顔を見たとたん、エリンの体を震えが走った。彼の目に、むき出しの欲望が宿っていたのだ。
 こんな感覚は初めてだった。これほど衝動的に行動したのも初めてだ。もはやエリンの自制心は制御がきかなくなっていた。生きているという感覚が半年ぶりによみがえる。
 生は、ほんの一瞬で奪い去られることもある。たった一発の銃弾によって。
 その生をエリンはいま、両手に抱きしめたかった。そして、この危険なほどすてきな男性にもっと近づきたかった。だから、両手を彼の肩にかけ、とがった胸の先を彼の胸板に押しつけた。すると、彼はスペイン語で何かつぶやきながら、片手をエリンの髪のなかに差し入れ、彼女の顔を引き寄せた。二人の唇が重なる寸前で、彼の動きが止まる。エリンは低いうめき声をもらし、彼とのわずかな隙間を埋めようと、自ら唇を押しつけた。
 世界が爆発し、真っ赤な炎と熱に包まれる。コルテスはほんの一瞬ためらった。だが、すぐさま情熱に任せてキスの主導権を奪った。征服者のごとき荒々しさで彼女の唇を蹂躙する。エリンにとってこれほど熱く激しいキスは初めての経験だった。
 間をおかずに、コルテスは片手でエリンの顎を持ち上げ、唇に舌を割りこませた。どんどん濃厚になっていくキスに、全身が歓喜に震え、エリンはこのキスがいつまでも続くことを願った。
 やがてコルテスの唇が離れ、二人は荒い息をついた。彼がうめくように言う。
「こんなことをしてはいけないんだ。きみに話さなくてはならないことが……」激しく踊るカップルが二人にぶつかり、コルテスの言葉が途切れた。「危ない!」両腕に力を込め、よろめいた彼女を支える。
 彼のとっさの行動は、エリンの心をますますとろけさせた。
「どこか静かに話のできる場所はないか?」
 コルテスの肩越しに、大広間に入ってくるトムの姿が見えた。彼に見つからないよう、エリンは別のドアから裏手の狭い廊下に出た。かつて使用人が使っていた廊下で、その先には階段がある。そこにも座りこんで飲み騒ぐ者たちがいたので、彼女は三階にある自室に向かった。
「ここなら誰にも邪魔されないわ」ドアを閉めるなり、エリンは言った。そこは静かで、階下から低いベース音がわずかに響いてくるだけだった。見知らぬ人を寝室に入れるなんてとんでもないことだと自覚していた。でも、彼はまったく知らない人間というわけじゃない、とエリンは自分に言い訳した。名前も聞いたし、おそらくバージニアの友人だ。さもなければ、ここに来るはずがない。
 とはいえ、頭の片隅で、今夜の自分の行動がいささか常軌を逸していることも自覚していた。エリンはなぜか、テーマパークの巨大な遊具にでも乗っているような高揚感に包まれていた。そして、その高揚感にずっと浸っていたかった。じっとコルテスを見つめ、なんてすてきなの、と胸の内でつぶやく。バージニアがわたしに紹介しなかったのも無理はない。でも、彼はわたしにキスをした……。
 鏡に映るエリンの唇は、キスのせいで少し腫れていた。セクシーな深紅のドレスを身につけ、髪を乱し、唇を赤く腫らした魅惑的な女性が、自分だなんて信じられない。エリンがコルテスに視線を戻し、舌先で唇を舐めると、彼の目が細くなった。
「話したいことがあると言ったでしょう。まさか、あなたは結婚しているとでも?」
「ありえない。結婚していれば、きみにキスなどするものか」
「なぜキスをしたの?」
「なぜだと思う?」
「わからない。もう一度キスをしてくれれば、何かわかるかも」今度もまた、自分のものとは思えないほど媚を含んだ浮ついた声で、エリンは言った。本当はただ彼にキスをしてほしかっただけ。いえ、キス以上の……。エリンの目が大きなダブルベッドに向けられた。いつもは一人で眠るベッド。彼女の視線を追ったコルテスが何事かつぶやいた。
「抵抗するには、あまりにも魅力的だ」
 あたかも非難するように言いながらコルテスが近づいてくると、寝室がひどく狭苦しく感じられ、エリンは彼から視線を離せなかった。コルテスの目の金色の輝きが、誕生日の願い事をかなえてやると約束している。
「抵抗するつもりなの?」エリンがきいたとき、彼の大きな手が頬に触れた。その手のごつごつした感触に、ふと彼女は彼の仕事は何かしらと考えた。
「無理だな」彼はうめくように言い、エリンを抱き寄せた。熱く、力強く、うっとりするほど男性的な胸のなかに。彼のキスはエリンの魂まで奪った。「これがきみの望みか?」彼は顔を上げ、エリンの頭のなかを読み取ろうとするかのように彼女の目を見つめた。


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