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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ヒストリカル

放蕩貴族の愛人

放蕩貴族の愛人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジュリエット・ランドン(Juliet Landon)
 イギリス北部の古代の面影を残す村に、引退した科学者の夫とともに住む。美術や歴史に対する興味が旺盛で、豊かな想像力が生きると思い、ヒストリカルの小説を書き始めた。作品を執筆するために調べ物をするのはとても楽しいと語り、特に中世初期がお気に入りの時代だという。刺繍について豊富な知識と技術を身につけ、その腕前はプロとして講師を務めるほど。

解説

 二年前、アメリーは二十二歳の若さで未亡人となった。人々の心ない中傷から逃れたくてリッチモンドに越してきて早々、訪れた高級宝飾店で、ハンサムな兄弟に声をかけられる。地元では有名な放蕩貴族、エリオット卿とレイン卿だった。もう誘惑されるのはこりごりなのに……。数日後、亡父の賭博仲間が金を無心しに屋敷に現れた。困惑した彼女はとっさに嘘をついた。エリオット卿と婚約した、と。タイミングよくエリオット卿本人が現れ、窮地を救われたものの、彼は突然アメリーを抱きしめキスをする。そしてこう言ったのだ。「わたしが個人的に教えてさしあげましょうか?」亡き夫にキスもされたことがないと、見透かされてしまった?
 ★誰もが思わず振り返る優美な若き未亡人、アメリー。その謎めいた境遇に放蕩貴族のエリオット卿も興味を引かれ……。★

抄録

 だが、エリオット卿にはもうひとつ解決していない疑問があり、それが納得できるまでアメリーを解放するつもりはなかった。彼はアメリーの前に立ち、顔を近づけた。「男性を寄せつけないのがいちばんと思っているにしては、あなたの行動は不可解だと言わざるをえません。間違った信号を送っているとは考えられませんか?」
「いいえ。男性のほうが、自分の都合のいいように勝手に解釈しているだけです。その信号とやらが目に見えるのであれば」
「でも、どんな理由であれ、わたしの名前を出したのは間違いでしたね。わたしがそのような重大な信号を無視するとでも思ったのですか? 危機に陥っているあなたを放っておくことはできません」
「ふざけるのはよしてください。もしあなたが現れなかったら――」
「もしわたしが現れなかったら、あなたはあの男を数週間この家に泊めることになったでしょう。あなたは人がよすぎる。それに、このような家にひとりでいるには衝動的すぎる。感心できませんね」
「こちらに来て五週間にしかなりませんのに、信頼していただいてありがとうございます」アメリーは後ろを向いて立ち去ろうとした。だが、ニコラスはあらかじめそれを予想して、生け垣の角のところに立っていたので、アメリーは振り向いたときに彼の爪先をもう少しで踏みそうになった。
 アメリーは背中に再びエリオット卿のたくましい胸を感じた。ドレスの布地を通して彼の体のぬくもりが伝わってくる。電流が流れるような不思議な感覚に襲われ、膝の力が抜けて、このまま抵抗せずに彼の胸にもたれかかりたい衝動に駆られた。ダンスをしたときと同じように。エリオット卿が結婚せずに愛人をつぎつぎに替え、権力を利用して不幸な女性の自由を奪うような人でもかまわなかった。彼がさらに近づいてきて、後ろから両腕で彼女を抱き締めると、アメリーは欠点など気にならなくなった。エリオット卿は彼女の耳元に唇を近づけてささやいた。
「あなたには守ってくれる男性が必要だ」
“ええ、わたしはあなたに守ってほしいわ……ほかのだれでもないあなたに……”
 アメリーはエリオット卿に正面を向かされても顔をそむけたままだったが、彼の温かい息が首筋にかかると、ぞくぞくするような喜びが体を走り抜け、息ができなくなった。「エリオット卿」彼女は意識を集中するよう自らに言い聞かせた。「わたしは……あなたが思っていらっしゃるような女ではありません。どうか……どうか放してください。あの夜はどうかしていたんです。今日のことも……。ひどく後悔しています」ところが、ニコラスは片方の腕でアメリーを強く抱き締めたまま、もう片方の手を顔に持っていって上を向かせ、キスで彼女の抗議の言葉を封じた。
 ニコラスのキスは巧みで、いやがる女性をどうしたらその気にさせられるか知り尽くしていた。それとは対照的に、アメリーはキスのことはほとんどなにも知らなかった。彼女と亡くなった夫は一度もキスをしたことがなかった。経験豊富なニコラスは、経験のない女性といやがっている女性の区別がついた。
 彼は驚き、思わずこう言った。「ようやく」彼女の唇にささやきかける。「あなたにもまだ未完成な部分があるのがわかりました。わたしが個人的に教えてさしあげましょうか?」
 アメリーはからかわれるとは思っていなかったので、怒ってエリオット卿の腕から離れた。彼に体を支えられていなかったら、生け垣に倒れ込んでいただろう。「放して!」彼女は激しい口調で言った。「あなたが女性の弱みにつけ込むような男性だということに気づいておくべきでした。わたしのことは放っておいてください」
 ニコラスはアメリーを放したが、最後にこう言うのを忘れなかった。「あなたにわたしを非難する資格はありませんよ。わたしを利用したのはあなたです。これであいこです。それ以上でもそれ以下でもありません。それでは、わたしはこれで失礼します」
 アメリーはニコラスがすたすたと家のほうに向かって歩いていくのを黙って見ているよりほかなかった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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